ロンドンからEUへ、バンカー配置転換は難題-優良オフィス物件不足

  • 欧州主要都市のビジネス街では優良物件の空室率は10年ぶり低水準
  • 米投資銀のEU人員の大半はロンドンに勤務

英国が欧州連合(EU)を離脱した後、ロンドンからEU域内の都市へ人員の配置替えをしようと考える銀行は、厳しい現実に直面する。優良なオフィス物件の空きがないのだ。

  パリとフランクフルト、アムステルダムのビジネス街では、優良物件の空室率は10年ぶり低水準にある。不動産仲介のサビルズのデータによれば、これらの都市で数千人の銀行員を配置できるような適切なオフィススペースはわずかしかない。ダブリンには現在のところ、十分に大きなビルは一つもない。

ダブリン市内

Photographer: Aidan Crawley/Bloomberg

  サビルズの欧州テナントレプリゼンテーション責任者のマシュー・フィッツジェラルド氏は、「一見してロンドンの代わりになれるような都市はない。ロンドンと同様の金融機関の集まりが見られるようになるのは数年先ではないか」と話した。

  銀行はメイ英首相のEU離脱交渉計画が明らかになるのを待っているが、オフィスの空きが少ないことを考えると先に動いた方が有利になる。交渉の結果、ロンドンからEU域内へのサービス提供が何の規制も受けずにできなくなる場合に備え、2年間の交渉期間が終了する前にはEU内に新拠点を構えるか、EU内の既存拠点を拡張したい考えだ。

   欧州の従業員の大半をロンドンに置いている米銀勢にとっては特に大問題だ。シンクタンクのニュー・ファイナンシャルによれば、米投資銀行のEU従業員の87%はロンドンで勤務している。
 

   空きオフィスの不足を踏まえ、銀行はEU内の複数の都市に行員を分散させることも考えていると事情に詳しい関係者3人が述べた。サビルズのフィッツジェラルド氏は「段階的に役割が欧州中に分散していく可能性があり、その場合せいぜい200人程度の部門ごとの異動になるだろう」と話した。

原題:Brexit Banks Risk Finding No Offices If Quitting London for EU(抜粋)

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