民進・玉木氏:国民が「ギャンブルに付き合う」状況-GPIF株投資

  • 企業統治改革は「ブラックジョークのよう」-日本の株式市場
  • 「最も知名度がない」新世代が国民に「覚悟」示す-民進党代表選

民進党代表選に立候補している玉木雄一郎衆院議員は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が株価下落の影響を受けて巨額の運用損を出したことで「国民全体がギャンブルに付き合わないといけない状況」になっていると指摘。運用方法について上場投資信託(ETF)の大量買入を進める日本銀行の金融政策とあわせて見直しを図るべきだとの考えを示した。

  10日、ブルームバーグのインタビューで、GPIFや日本銀行といった公的マネーによる日本株の保有が拡大していることによって「生産性の向上とか新しいイノベーティブなチャレンジということがむしろ阻害されている」と語った。アベノミクスは「マネーゲームの傾向が非常に強い」として「むしろ構造改革を遅らせる要因」になっていると批判した。

  安倍晋三政権が進めた企業統治改革について「株主の意向をもっと反映した経営をやっていこうということでずっと会社法の見直しなどをやってきたが、やった結果、ふと気がつくとその株主が国だったというブラックジョークのような状況に日本市場はなっている」とも皮肉った。

  GPIFが7月29日に公表した2015年度の運用状況によると、収益率はマイナス3.81%、収益額はマイナス5兆3098億円。8月26日に発表した4-6月期の収益率もマイナス3.88%、収益額はマイナス5兆2342億円だった。

民進党

  玉木氏は、香川県出身の47歳。東京大学法学部を卒業後、旧大蔵省(現在の財務省)に入省。2005年に退職し、旧民主党の公認候補として衆院選に出馬するも落選した。09年に初当選し、現在3期目。14年から党の国対副委員長を務めている。
 
  同郷で同じ大蔵官僚出身の大平正芳元首相を目指す政治家として挙げ、代表選では民進党を「リベラル保守政党」として確立したいと訴える。かつて大平氏が率いた自民党の派閥「宏池会」(現在の岸田派)は宮沢喜一元首相、加藤紘一、古賀誠両元幹事長らを輩出。「ハト派」のリベラル勢力として伝統的に位置付けられているが、玉木氏自身は自民党からの出馬は考えなかった。

  「本来のリバティーを大切にするリベラリズムというのがすごく大事だと思っていて、個々人や企業が持っている自由な発想や自由な精神がもっと伸び伸びと生かされるようなそういう経済社会にしたい」と語る玉木氏。「宏池会と同じじゃないかというが、自民党の中で宏池会はもう死んでいる」とも述べ、首相官邸や安倍首相が示す方針に対して「自民党内で全く議論がない」と指摘した。

  「常に取って代わられるんだという緊張感が、国民のための政治を実現する」との考えから、「選択可能な2大政党制」の実現を理想としている。

  民進党代表選には、玉木氏に加え、蓮舫代表代行、前原誠司元外相が立候補しており、15日の臨時党大会で新代表が選出される。玉木氏は自ら「最も知名度がない」としながらも、「かつての人がいくら改革を唱えても、聞く耳を持ってくれない」と、旧民主党政権で閣僚経験のある2人との違いを強調。自身のような新しい世代が「がむしゃらに戦う姿を見せることによってしか、私たちの覚悟を国民に示すことはできない」と話した。

こども国債

  今回の代表選で玉木氏が打ち出すのは、子育て・教育支援に充てる「こども国債」の発行。年間5兆円規模で教育の無償化などの支援策を新たに実施し、子育て世代の経済的負担を軽減する。負担軽減による消費喚起などで「経済の活性化」につなげ、「最大の構造問題である人口問題に正面からチャレンジをしていく」と説明している。

  岡田克也代表が進めた共産党などとの野党共闘路線については、参院選で1人区の獲得議席増につながったことを評価する一方、「連携ありきや調整ありき」で、「むしろ共産党が主導権をとっている」ように「若干見えたことは反省すべき」だとした。衆院選は政権選択の選挙となるため、「基本的な理念とか政策が一致」することが必要で、「共産党とは一線を画すというのは大原則だと思う」との見解を示した。   

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