日本株下落、利上げ警戒の米国株急落が波及-連鎖安様相で全業種下げ

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  • 投資家のリスク回避強まる、日経平均株価は364円安の場面も
  • 下落率上位は鉱業、鉄鋼、その他金融、非鉄、電機など

12日の東京株式相場は下落。早期利上げ観測の再燃で前週末の米国株が急落し、リスク資産回避の売り圧力が強まった。アジア株も軒並み下げ、世界的な連鎖安の様相となる中、電機など輸出株、鉄鋼など素材株、銀行など金融株、鉱業株を中心に東証1部33業種は全て安い。

  TOPIXの終値は前週末比20.76ポイント(1.5%)安の1323.10、日経平均株価は292円84銭(1.7%)安の1万6672円92銭。TOPIXは4日続落、日経平均は反落。

  三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、米国の利上げ観測復活が日本株に打撃を与え、「為替が多少円安に動いたものの、肝心の米国株が崩れたことで日本株への売りインパクトが大きくなった」とみていた。

東証

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ボストン連銀のローゼングレン総裁は9日の講演で、利上げを長く待ち過ぎれば、米経済が過熱する恐れがあり、金融安定をリスクにさらしかねないと警鐘を鳴らした。金融政策スタンスでハト派とみられている同総裁の発言を受け、金利先物市場が織り込む9月利上げの確率は30%に上昇。7日には22%まで低下していた。

  9日の米国株は大幅安となり、S&P500種株価指数が2.5%安の2127.81と2カ月ぶりの安値、ダウ工業株30種平均は400ドル近く急落した。投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は、40%上昇の17.5と2カ月半ぶりの高水準に達し、商品市場ではニューヨーク原油先物が3.7%安の1バレル=45.88ドルと大幅反落。8月1日以来で最大の値下がりとなった。

  週明けの日本株は、前週末の米国株急落や原油安を受けリスク回避の売りが先行。午後は一段安の展開となり、日経平均は一時364円(2.2%)安と日中下落率は7月6日以来の大きさとなった。シカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)のS&P500種指数先物は、基準価格比10ポイント以上下落。きょうの米国株の続落懸念が広がり、アジア市場では香港株が2%以上下げたのをはじめ、中国上海、韓国、タイなど軒並み安くなった。

  野村証券の小高貴久エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「ボストン連銀総裁のややタカ派的な発言が米金利上昇のトリガーとなり、直近でISM統計が示唆した米景気のもたつきと金利の方向感が一致しない点が市場の不透明感を増幅させた」と言う。

  また、丸三証券の牛尾貴投資情報部長は午後に下落基調を強めた点について、「朝方の売り一巡後は日本銀行の上場投資信託(ETF)買い入れへの思惑からやや下げ渋っていたものの、米国の9月利上げの可能性がゼロではないことを考えると、リスクは取りにくい」と話していた。

  一方、きょうのドル・円相場はおおむね1ドル=102円30ー60銭台で推移。前週末の日本株終値時点102円17銭からはドル高・円安水準だったが、相場全体の下支え要因としての役割は限られた。東証1部の売買高は16億1784万株、売買代金は1兆7914億円。代金は前週末から17%減り、活況の目安となる2兆円を4営業日ぶりに下回った。

  • 東証1部33業種は全て安く、下落率上位は鉱業、鉄鋼、その他金融、非鉄金属、海運、電機、その他製品、パルプ・紙、銀行、機械など。鉄鋼は、原料炭のスポット価格上昇が続き、高炉メーカーのコスト増加が懸念された。

  • 売買代金上位では、任天堂や三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソフトバンクグループ、リクルートホールディングス、キヤノン、東芝、村田製作所、オリックス、信越化学工業、小野薬品工業、新日鉄住金、アルプス電気が安い。半面、韓国で新たにコーティングセパレーターの生産拠点を構築するダブルスコープが5日続伸。第一生命保険やディー・エヌ・エー、T&Dホールディングス、カルソニックカンセイも高い。
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