【今週の債券】金利低下か、スティープ化はクライマックス―買い目線

  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~プラス0.01%
  • 利回り曲線の傾斜化はそろそろ終わり-マスミューチュアル

今週の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。金融政策の先行き不透明感を背景にした先週までの相場下落で、利回り曲線のスティープ(傾斜)化が進んだことを受けて、投資家などから買いが入るとの見方が背景にある。

  ブルームバーグが前週末に市場参加者5人から聞いた新発10年物国債利回りの予想レンジは全体でマイナス0.10%~プラス0.01%。日本銀行が20、21日の金融政策決定会合で実施する総括的な検証をめぐる懸念で、前週は超長期債利回りに上昇圧力が掛かり、長期ゾーンにも波及。マイナス0.01%と3月以来の高水準を付けた。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「20年入札前後で超長期債のスティープ化はいち早くクライマックスを迎える可能性がある。その場合、日銀の総括の全貌が見えないままの見切り発車となるが、基本は買い目線で臨みたい」と指摘。「長期金利プラス化が調整のめどで、それを支持線とし、現時点で想像し得る日銀の政策変更を踏まえ、20年債利回りが0.5%台で定着する可能性は高くないだろう」と言う。

予想レンジと相場見通し

*T
◎三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長
先物12月物=151円20銭-152円00銭
10年物国債利回り=マイナス0.09%~マイナス0.01%
  「基本的に日銀決定会合に向けて決め手がない中で、20年債入札が今週の鍵になりそう。20年債入札については、今のところ0.4%台まで調整していることもあり、その分不安は軽減されている。結果的に先週の30年債入札と同じように、順調な結果となる可能性もある。もちろん悪い結果になった場合は、一時的に売られる可能もあるものの、入札後は日銀決定会合を控えて、ボックス的な動きになりそうだ」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物12月物=151円10銭-151円90銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.07%~プラス0.01%
  「先週は長期金利がゼロ%近辺まで上昇したが、今週は日銀決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)というイベントを控えて、さすがに動きにくい。重要な経済統計の発表も少なく、もみ合いに終始するのではないかとみている。もっとも、日銀は買い入れオペを実施していくので相場はしっかりとなりやすい。一方、為替市場で1ドル=101円台に円高・ドル安が進行しても株価は底堅く、これは金利上昇にはつながらないものの、債券を買い切れない要因となっている」

◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
先物12月物=151円10銭-152円00銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~ゼロ%
  「引き続きボラタイルな中で、利回り曲線の傾斜化はそろそろ終わり、この辺の水準で日銀の総括的な検証を迎えるのではないか。これ以上傾斜化することはないと思う。超長期債を増発している状況下で、国債買い入れ額を減らす選択肢はないと思う。国債買い入れ目標も80兆円目標のままで、レンジにしないのではないか。20年債入札は無難か。表面利率は0.4%に引き上げか。利回りが0.4%あればしっかりとした結果になりそう。30年債入札では0.5%水準でしっかりだった」

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッド
先物12月物=151円30銭-151円90銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.08%~ゼロ%
  「米景気の回復が米利上げ観測を支えており、短期的には円高リスクが弱まっているため、債券は上値を追いにくい。一方、日銀は緩和は緩めないと言明している。結局は狭いレンジの中で振れやすい状況のまま、日銀の総括的な検証を迎えるのかもしれない。今週の注目点は20年債入札と米利上げを占う米経済指標だろう。9月20、21日の日銀決定会合まで時間があることが、やや不安定な相場環境を醸成している」
*T

今週の主なイベント

12日7月の機械受注発表
13日20年利付国債入札発行予定額1兆1000億円程度
15日流動性供給入札発行予定額2000億円程度

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