長期金利上昇、超長期債ゾーン中心に売り優勢-ツイストスティープ化

更新日時
  • 新発20年債利回り一時0.475%、新発30年債利回り0.565%まで上昇
  • 日銀検証前に超長期ゾーンのポジション取りにくい-メリル日本証

債券市場では長期や超長期債相場が下落。日本銀行がイールドカーブのフラット化修正に動くとの観測に加え、20年債入札を翌日に控えて超長期ゾーンを中心に売りが優勢となり、利回り曲線はツイスト・スティープ(傾斜)化した。

  12日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.015%で開始し、一時マイナス0.03%に低下。午後は超長期債利回りの上昇に連れて一時マイナス0.01%まで水準を切り上げた。新発20年物の157回債利回りは4.5bp高い0.475%と3月16日以来の水準まで上昇。新発30年債利回りは0.565%、新発40年債利回りは0.615%と、ともに3月以来の高水準を付けている。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「20年債入札を明日に控えて、日銀の検証を前に超長期ゾーンのポジションは取りにくい」と話した。「今月は国債償還もあり、日銀検証で何もなければ反転してフラット化する可能性もある。ただ、日銀決定会合前は短いゾーンでロールダウンを図る方が良いのではないか」と述べた。 

  新発2年物国債の368回債利回りは一時5.5bp低いマイナス0.26%と7月29日以来の水準まで低下した。新発5年物の129回債利回りは4bp低いマイナス0.20%と8月2日以来の低水準まで達した。

  長期国債先物市場で中心限月12月物は、前週末比3銭安の151円36銭で取引を開始した。151円30銭を付けた後は水準を切り上げ、一時は151円75銭まで上昇した。午後は伸び悩む展開となり、結局6銭高の151円45銭で引けた。

フラット化修正策

日銀の黒田総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ロイター通信は9日、複数の関係筋を引用し、日銀が金融機関の収益減や生保・年金の運用難といった副作用の要因になっているイールドカーブのフラット化の修正策を検討すると報じた。超長期金利の大幅低下に比べ、景気刺激効果の高い中期金利などの抑制を重視するという。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「先週末に日銀が短中期セクターの緩和を強化するとの報道があった一方、20年入札を控えて超長期ゾーンはポジション調整圧力から売られやすく、ツイストスティープの流れだ」と指摘した。「日銀はマイナス金利政策のメリットとデメリットを評価し、メリットの方が大きいと判断するとの観測が出ている」と話した。

20年債入札見極め

  日銀が実施した今月4回目となる長期国債の買い入れオペの結果は、残存期間「5年超10年以下」の応札倍率が1.97倍と前回から低下。物価連動債は5.17倍と前回を下回った。

  メリルリンチ日本証の大崎氏は、オペの結果について、「5-10年ゾーンは強め。前週末のオペでも1-3年ゾーンは物がない感じだった」と指摘。「利回り曲線で短いゾーンは日銀が100%買い入れている。モノがなく需給が引き締まっていることに変わりはない」と話した。

  財務省は13日に20年利付国債の価格競争入札を実施する。発行予定額は前回と同額の1兆1000億円程度。償還日が前回債より3カ月延びて新回号158回債となる。表面利率は前回債の過去最低0.2%から0.4%へ引き上げられる見込み。

  大崎氏は、20年債入札について、「投資家から押し目買いが入るかがポイント。積極的には行きにくいだろう」とし、「無難から少し流れる可能性がある」とみる。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE