【日本株週間展望】一進一退、日米金融政策待ち-日銀ETF買い支え

  • 米国の早期利上げ観測が後退し円安が進みにくい
  • 小売売上高などの米経済指標やFOMCメンバーの講演に注目

9月2週(12-16日)の日本株は方向感に欠ける展開が予想される。米国の早期利上げ観測の後退で円安が進みにくい上、翌週に控える日米の金融政策発表に市場の関心が集中し、様子見ムードが強まりそうだ。日本銀行の上場投資信託(ETF)買い入れ効果で底堅さはあるものの、上値を買い上がる手掛かりは乏しい。

  米国では13日から連邦公開市場委員会(FOMC)の前に金融当局者が政策に関する発言を控えるブラックアウト期間に入る。その前日の12日にはFOMCメンバー3人の講演が予定されており、中でも投票権を有し、ハト派とされる米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事の発言に注目が集まりそうだ。ISM非製造業景況指数など低調な経済統計が続いたため、市場では9月の利上げ観測が後退した。15日発表の8月の小売売上高は市場予想で前月比0.1%減、鉱工業生産指数は前月比0.2%低下と3カ月ぶりのマイナスが見込まれている。米景気の先行き懸念が浮上すれば月内の利上げ観測はさらに遠のき、為替は円安方向に進みにくくなる。

米連邦準備制度があるビル(ワシントン)

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  日銀の金融政策に対する不透明感も投資家に売買手控えを促す。東証1部売買代金は9日まで3日連続で2兆円を超えたものの、新作アプリの配信を発表した任天堂など材料銘柄に商いが偏り、物色に広がりは見られなかった。日銀によるETF買い入れが需給面で相場の支えとなるものの、円安が進みにくい状況では輸出関連中心に業績改善を期待した買いは入りにくく、相場全体を押し上げるエネルギーは限られる。

  国内で12日に発表される7月の機械受注は前月比3%減と、6月の8.3%増から大幅な悪化が見込まれている。13日には7-9月期の法人企業景気予測調査が公表される。中国では13日に8月の工業生産、小売売上高、固定資産投資が公表される。

  9月1週の日経平均株価は前週末比0.2%高の1万6965円76銭と、2週連続で上昇。米雇用統計後の円安を好感して週初に3カ月ぶりに1万7000円台を回復した。ただ、その後は低調な米経済指標が発表されて早期利上げ観測が後退し円安が一服、1万7000円付近で上値を抑えられた。任天堂を含むその他製品、市況改善を受けた海運、石油など原油関連が業種別上昇率上位に並ぶ半面、週前半の米長期金利の低下で運用環境の悪化が懸念された保険や銀行などの金融、自動車などの下げが目立った。

<<市場関係者の見方>>
・アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャー
  「米FOMCと日銀金融政策決定会合を翌週に控えているため、金融政策の不透明感から金融市場は動きにくい。15日発表の米小売売上高などは米国の9月の利上げ判断を見極める材料となり、市場予想を下回れば利上げ観測が遠のき、円安が進みにくくなるだろう。ただ、円高に振れても日銀のETF買い入れ効果が発揮され、日本株の下げは限定的。日経平均は1万7000円を挟み上下300円程度のレンジで推移するだろう」

・JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジスト
  「日銀の追加緩和を織り込む形で円安が進行し、輸出株中心に買いが入るだろう。半分は日銀に追加緩和を迫る買い、残り半分はそれをはやすための買い仕掛けで、いずれにしても毎度毎度の日銀会合前の『緩和プレイ』になる。1ドル=102円近辺の現為替水準は実力並み、105円まで円安が進む可能性があり、日経平均は1万7500円に上昇もあり得る」

・SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「日米の金融政策に絡む要人発言や経済指標に市場はその都度反応するものの、トレンドは出にくいだろう。 市場の関心がFOMCや日銀会合に傾きすぎているため、その他のテーマを見つけにくい状況だ。経済統計で米景気の堅調さが示されても、9月の利上げの可能性は低いだろう。円安が進みにくいため、輸出関連株は業績改善期待が高まらず厳しい」

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE