ドル・円が反落、米利上げ観測後退や株軟調が重し-北核実験も嫌気

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  • 朝方の102円台半ばから一時101円97銭までドル売り・円買いが進行
  • 米利上げ期待の後退で、ドル・円は上値の重い展開続く-あおぞら銀

9日の東京外国為替市場ではドル・円相場が反落。9月の米利上げ観測の後退でドルの上値が重い中、日本株の下落を背景に一時1ドル=102円台を割り込んだ。

  午後4時20分現在のドル・円相場は前日終値比0.3%安の102円17銭。朝方の102円台半ばから、一時は101円97銭までドル売り・円買いが進んだ。前日の海外市場では、米長期金利の上昇を背景に102円60銭と2営業日ぶりの水準まで上昇していた。

  あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、「きのうは原油価格が上がったということで米金利が上昇し、ドル買いになったが、やはり上値を追う材料がない」と指摘。来週は大きなイベントの前の週であるため、それほど方向感は出ないとみているが、米国の利上げ期待が後退している中、ドル・円は上値の重い展開が続くとの見方を示した。

  9日の東京株式相場ではTOPIXが小幅ながら3日続落。欧州金融政策の不透明感や北朝鮮による核実験実施などが重しとなり、日経平均株価も0.3%安まで下げる場面が見られた。安倍晋三首相と黒田東彦総裁は昼に官邸で会談し、内外の経済金融情勢について意見交換した。

  諸我氏は、「北朝鮮による核実験の話もドル・円の上値の重さになっている。黒田総裁と首相の会見結果もポジティブ材料があまり出ていないので、そんなことも上を抑えていると思う」と話した。

  黒田総裁は記者団に対し、首相との会合では今月20、21日の金融政策決定会合で「この3年間の金融政策に関連して総括的な検証を行うことについても説明した」と述べた。首相から特別な話はなかったという。日銀による外債購入については「そういう話は全くない」と否定した。

  北朝鮮は建国記念日の9日午前、5回目の核実験を実施した。日韓などが強く非難する中、同国は小型化した核兵器の製造能力を有していると同日午後、発表した。

米利上げ観測

  米国ではこの日、ボストン連銀総裁とダラス連銀総裁の講演が予定されている。来週も20、21日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、ブラックアウト期間に入る前の12日に、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事などの講演が予定されている。

  米金利先物市場動向に基づくブルームバーグの算出によると、9月の米利上げの予想確率は8日時点で28%。1週間前の1日時点では34%だったが、その後米国で発表された雇用統計が予想を下回り、さらに非製造業景況指数が6年半ぶりの低水準となったことで、市場の利上げ織り込み度が低下した。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの細川陽介為替セールスチーム長は、ブラックアウト期間入りを前にブレイナード理事の講演予定が入ったことで、その後の米小売売上高とともに、9月の利上げの可能性を考える上で重要なイベントになると指摘。「その結果を受けた米金利の動向に振らされることになりそうだ」と語った。
  
  中国が9日発表した8月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比0.8%低下と8カ月連続で下げ幅を縮小し、市場予想(同0.9%低下)を上回った。同月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.3%上昇と、市場予想(1.7%上昇)を下回る伸びにとどまった。

  IG証券の石川順一マーケットアナリストは、現在中国リスクが高まる気配はなく、「中国自体、メーンの材料ではない」と指摘。市場の焦点は米金融政策に集中しているとし、米利上げの確率が高まってこないとドル高は強まらず、「ドル・円の上値も抑えられる」と語った。

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