【債券週間展望】長期金利低下か、スティープ化いったん終了との見方

  • これ以上傾斜化することはないと思う-マスミューチュアル
  • 20年債入札は30年入札と同じように順調な結果も-三井住友アセット

来週の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。金融政策の先行き不透明感を背景にした超長期債利回りの上昇による利回り曲線のスティープ(傾斜)化が一服するとの見方が出ている。13日に行われる20年債入札も金利上昇に伴い、投資家から一定の需要が見込まれている。

  長期金利の指標となる新発10年物344回債利回りは、今週マイナス0.01%と3月以来の高水準を付け、ゼロ近辺まで上昇した。6日の30年債入札が順調な結果になると買いが優勢になり、8日にマイナス0.07%まで低下したが、9日には再びマイナス0.01%を付けた。日本銀行が20、21日の金融政策決定会合で実施する総括的な検証をめぐる懸念で、超長期債利回りに上昇圧力が掛かり、長期ゾーンにも波及した。

  金融政策決定会合を控える中、安倍晋三首相と黒田東彦日銀総裁は9日昼、官邸で会談した。黒田総裁は会談後、記者団に対し、今回の会合は「定例的なもの」とした上で、決定会合で「この3年間の金融政策に関連して総括的な検証を行うことについても説明した」と述べた。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「利回り曲線の傾斜化はそろそろ終わり、この辺の水準で日銀の総括的な検証を迎えるのではないか。これ以上傾斜化することはないと思う」と予想。「超長期債を増発している状況下で、国債買い入れ額を減らす選択肢はないと思う」と述べた。

  今週は超長期債利回り上昇が続いた。新発20年債利回りは0.465%、新発30年債利回りは0.545%、新発40年債利回りは0.61%と、いずれも3月以来の水準まで売られた。

20年債入札に注目

  財務省は13日に20年利付国債の価格競争入札を実施する。発行予定額は前回と同額の1兆1000億円程度。償還日が前回債より3カ月延びて新回号158回債となる。表面利率は前回債の過去最低0.2%から0.4%へ引き上げられる見込み。15日には流動性供給入札が予定されている。残存期間1年超から5年未満の国債が対象で、発行予定額は2000億円程度となる。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、20年債入札について、「今のところ0.4%台まで調整していることもあり、その分不安は軽減された。30年債入札と同じように順調な結果となる可能性もある。悪い結果になった場合、一時的に売られる可能もあるが、入札後は会合を控えてボックス的な動きになりそう」とみている。

市場関係者の見方
*T
◎三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長
* 20年債入札が来週の鍵になりそう
* 日銀会合は、マイナス金利には副作用はあるがいざとなったら緩和を実施するスタンスか
* 長期金利の予想レンジはマイナス0.09%~マイナス0.01%

◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
* 利回り曲線は十分傾斜化。黒田総裁は結局、フラットニングが行き過ぎと言うだけではないか
* 20年債入札は利回りが0.4%あればしっかりとした結果になりそう
* 長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~ゼロ%

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッド
* 来週の注目点は20年債入札と米利上げを占う米経済指標だろう
* 米景気の回復が米利上げ観測を支え、短期的には円高リスクが弱まり、債券は上値追いにくい
* 長期金利の予想レンジはマイナス0.08%~ゼロ%
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