TOPIXが3日続落、内外金融政策懸念や北朝鮮リスク-円強含みも

更新日時
  • 北朝鮮が建国記念日に5回目の核実験、日韓政府は強く非難
  • 食料品など内需セクターが安い、原油高の資源株堅調が下支え

9日の東京株式相場は、TOPIXが小幅に3日続落。国内外の金融政策に対する不透明感に加え、朝鮮半島の地政学リスクや為替市場での円強含みなどが重しとなった。食料品や情報・通信、建設など内需セクターが安い半面、海外原油高を受けた鉱業など資源株の堅調が下支えした。

  TOPIXの終値は前日比2.09ポイント(0.2%)安の1343.86。日経平均株価は6円99銭(0.04%)高の1万6965円76銭と、小幅ながら3日ぶりの反発。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、「日本銀行の追加緩和の有無で見方が分かれおり、相場は膠着状態に陥っている」と指摘。米国の利上げがかなりスローペースになるほか、日銀の緩和余地が小さいことも考えると、「ドル高・円安の持続力に疑問符が付き、買いを入れにくい」と話した。

東京証券取引所内

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  欧州中央銀行(ECB)は8日の定例理事会で、金融政策の現状維持を決定。ドラギ総裁は会見で、資産購入の期間延長は協議しなかったことを明らかにした。また、量的緩和(QE)プログラムで購入する債券が尽きる自体を防ぐため、選択肢を検討するよう担当委員会に指示した。

  大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長は、日銀が金融緩和の縮小と言われないよう苦心する中、「ECBも日銀と同じ方向になれば、世界的な金融緩和は今の水準よりもスローペースになる」と言う。

  前日の海外市場での円高一服などを材料に朝方はプラスだったきょうの日本株は、午前9時30分すぎ以降にTOPIX、日経平均ともマイナス転換、両指数とも午前を安く終えた。北朝鮮の核実験場近くで9日午前、浅い震源の揺れを観測。その後、北朝鮮国営の朝鮮中央通信と国営テレビは、核実験を実施したと発表した。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、「核実験報道をきっかけに円高・日本株安が進んだ。国連でも北朝鮮の挑発姿勢が問題になっていたところで、火に油を注ぐ話」と指摘する。

  ただし、週末とあって積極的に売り込む動きにも乏しく、午後の日経平均は再度プラス圏に浮上し、TOPIXも前日終値付近でもみ合い。北朝鮮リスクで朝方の1ドル=102円40銭台から一時101円90銭台までドル安・円高が進んだドル・円も、102円20銭前後までやや戻った。大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、前日の米長期金利の上昇が下支え要因になったとみていた。また、安倍晋三首相と日銀の黒田東彦総裁はきょう昼に官邸で会談。黒田総裁は会談後、記者団に対し定例的な意見交換で、首相から特別な話がなかったことを明らかにした。

  東証1部の売買高は17億6469万株、売買代金は2兆1662億円。値上がり銘柄数は739、値下がりは1082。この日の取引開始時は株価指数先物・オプション9月限の特別清算値(SQ)算出で、ブルームバーグの試算では日経平均型で1万7011円77銭と8日の終値を53円上回った。

  • 東証1部33業種は食料品や水産・農林、情報・通信、建設、その他製品、電気・ガス、陸運、保険など13業種が下落。海運や鉱業、空運、証券・商品先物取引、非鉄金属、鉄鋼、ガラス・土石製品、機械など20業種は上昇。鉱業など資源関連は、米週間在庫の急減を材料に8日のニューヨーク原油先物が大幅続伸したことが好感された。

  • 売買代金上位では、前日急伸したディー・エヌ・エーが反落、ユニー・ファミリーマートホールディングスや明治ホールディングス、キリンホールディングス、大東建託も安い。半面、ダブル・スコープや電通、オリンパス、日本航空、日本郵船、日立建機が高く、BNPパリバ証券が投資判断を上げた京セラも上げた。
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE