9月8日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ユーロが2週間ぶり高値、ECBは追加緩和を見送り
  8日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが2週間ぶり高値に上昇。欧州中央銀行(ECB)が量的緩和プログラムの拡大を見送り、政策金利を据え置いたため、ユーロ買いが入った。

  ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で、資産購入の期間延長は協議しなかったことを明らかにした。最新のスタッフ予測では2018年の経済成長見通しが下方修正された。ユーロは主要16通貨のうち15通貨に対して上昇した。

  パイオニア・インベストメンツの通貨戦略ディレクター、パレシュ・ウパダヤ氏は電子メールで、「ECBが新たな政策を打ち出さなかったことに市場は失望した」と指摘。「国内総生産(GDP)とインフレの予測がほとんど変わらなかったことに加え、新たな政策がなかったため、市場はそれをユーロ買いのサインと受け止めた」と説明した。

  ドラギ総裁は「行動する決定を正当化できるほど重大な変化はなかったというのが当局の判断だ」と述べ、成長率とインフレ率が目標を依然として下回っているものの、緩和拡大の必要性がないとの考えを示唆した。ブルームバーグが先週実施した調査によると、回答者の約半数が今回の会合での行動を予想。その他の回答のほとんどは10月あるいは12月会合での政策変更を予想していた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.2%高の1ユーロ=1.1260ドル。一時は8月26日以来の高値を付けた。対円では0.9%上げて1ユーロ=115円42銭。ドルは対円で0.7%高の1ドル=102円49銭。

  サンタンデール銀行のG10通貨戦略担当の責任者、スチュアート・ベネット氏(ロンドン在勤)は「欧州当局がユーロ下落を望むのであれば、景気刺激策の拡大あるいはそれを間もなく実施する可能性を示唆する必要がある。ドラギ総裁のコメントはそのような内容ではなかった」と述べた。

  景気がさえないことから、欧州当局は遅かれ早かれ行動を迫られるとの見方が強まっている。シティグループが算出するユーロ圏の経済サプライズ指数は先週マイナスに転落し、域内の経済指標が予想を下回っていることを示した。

  ECBが取れる量的緩和変更の一つとして、現在マイナス0.4%の中銀預金金利を購入対象債券の利回りの下限とする制限を撤廃することが考えられる。そうすれば買い入れ資産の不足が緩和される可能性がある。

  アバディーン・アセット・マネジメントの運用担当者、パトリック・オドネル氏は「政策に変更はなかった。前回の予測以来、経済指標はまずまずだが、インフレ見通しや、今後想定される政治リスクはECBにもう少し積極的になるよう促している」と語った。
原題:Euro Reaches 2-Week High as ECB Refrains From Expanding Stimulus(抜粋)

◎米国株:下落、ECB失望で高値圏離れる-アップル大幅安
  8日の米国株式市場は軟調。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が記者会見で追加緩和の必要性は当面ないと述べたことが失望され、過去最高値圏から下落した。

  7日に「iPhone(アイフォーン)7」を発表したアップルが2カ月ぶりの大幅安となり、市場全体を圧迫した。米農業用品小売りチェーン、トラクターサプライは利益見通しの引き下げを嫌気されて急落。一方、原油価格の急伸を背景にエネルギー関連株は買われた。

  S&P500種株価指数は4.86ポイント(0.2%)下げて2181.30で終了。ダウ工業株30種平均は46.23ドル(0.3%)安の18479.91ドル。ナスダック総合指数は0.5%下げた。

  ロバート・W・ベアードの機関投資家担当株式セールストレーダー、マイケル・アントネッリ氏は「量的緩和の拡大を見送った決定と、ドラギ総裁の発言の一部はタカ派的と受け止められた」と指摘。「政策の現状維持は少し驚きだった。株価がレンジの上限にある状況では、上抜けるきっかけがない。このニュースで売りが出たのはそのためだ」と説明した。

  米労働省の発表によると、9月3日終了週の新規失業保険申請件数は前週比で減少し、7週間ぶりの低い水準となった。前日発表された地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、米経済は7、8月に緩慢なペースで拡大した。

  S&P500種の業種別10指数のうち、エネルギーは1.7%上昇し、昨年11月以来の高水準に達した。チェサピーク・エナジーは14%近く値上がりし、昨年10月以来の高値。アパッチは7.1%上昇。米国の原油在庫が17年ぶりの大幅減少となったことを受けて、原油価格は急伸した。

  前日に2000年9月以来の高水準で引けた情報技術の株価指数は、この日はアップルに圧迫された。IBMは1.6%下げ、2カ月ぶり大幅安。オラクルは1.3%値下がりした。
原題:Dividend Backlash Intensifies in Options Market as S&P 500 Slips(抜粋)

◎米国債:下落、ECB総裁が追加緩和は当面必要ないと発言
  8日の米国債相場は下落。欧州中央銀行(ECB)が政策金利の据え置きと量的緩和プログラムの現状維持を決定し、ドラギ総裁が新たな刺激策は当面必要ないと述べたことが手掛かり。

  30年債は5週間ぶりの大幅安。ECBの決定を受け、期間が長めの米国債の海外での需要が後退するとの見方が広がった。イールドカーブを示す指標は3週間ぶりの水準に上昇した。

  RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「一部では資産購入プログラムの拡大が予想されていた。決定は現状維持だったことから、市場に失望が広がった」と分析した。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.30%。同年債(表面利率2.25%、2046年8月償還)価格は98 27/32。

  10年債利回りは6bp上げて1.60%。

  5年債と30年債の利回り格差は約113bpと、終値ベースでは8月18日以降で最大となった。

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、先物市場に織り込まれる9月の利上げ確率は30%。年末まででは58%となっている。この算出は、次回利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.625%になるとの想定に基づく。
原題:Bond Traders Burned by Complacency as Treasuries Tumble on ECB(抜粋)

◎NY金:続落、ECB総裁が当面は追加緩和の必要ないとの考え示す
  8日のニューヨーク金先物相場は続落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は量的緩和(QE)プログラムの検証を指示したと明らかにし、新たな刺激策については当面は必要ないとの考えを示した。

  BMOキャピタル・マーケッツの商品トレーディング担当ディレクター、タイ・ウォン氏は「ドラギ総裁が追加緩和もQE延長もしなかったことから、金は活気がない」と電子メールでコメントした。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日比0.6%安の1オンス=1341.60ドルで終了。

  銀先物も下落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも値下がりした。
原題:Gold Traders Struggle to Parse Clues From Draghi on Stimulus(抜粋)

◎NY原油:大幅続伸、米在庫が1999年以降で最大幅の減少
  8日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が大幅続伸。先週の米原油在庫が過去17年で最大幅の1450万バレル減少したことを好感し、急伸した。原油の輸入も日量185万バレル急減し、製油所の稼働率は上昇した。

  コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイス)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は「輸入の減少は極めて大幅だった。在庫の数字が落ちたのはこれで説明できる」と指摘。「先週の輸入減は日量で190万バレルに近い。在庫全体の減少の約7分の1に相当する。市場がここまで強く反応するとは驚きだ。次の週には大幅な積み上がりがみられるはずだからだ」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は2.12ドル(4.66%)高い1バレル=47.62ドルで終了。上げ幅は4月8日以降で最大。終値ベースで8月26日以来の高値。ロンドンICEのブレント11月限は2.01ドル(4.2%)上昇の49.99ドル。
原題:Oil Surges After U.S. Crude Supplies Tumble the Most Since 1999(抜粋)

◎欧州株:下落、ドラギECB総裁が当面の追加緩和の必要性を否定
  8日の欧州株式相場は下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が追加緩和は当面必要ないとの考えを示し、売り優勢となった。

  指標のストックス欧州600指数は前日比0.3%安の349.32で終了。ドラギ総裁が金利据え置きを決定したこの日の会合で、債券買い入れ策の延長は議論しなかったと明らかにしたことで、同指数一時1.2%安となった。だが米原油在庫が予想以上に減少したことから原油価格が上昇、これに伴って株価は終盤に下げ幅を縮小した。

  英ジェラーズ・クロスを拠点とするハッシウム・アセット・マネジメントのヨギ・デワン最高経営責任者(CEO)は「この日のドラギ総裁にもう少しの刺激策や、少なくとも量的緩和の延長を期待していた向きは多かった」と指摘。「結局のところ欧州経済は芳しい状態になく、インフレ見通しはさえず、政治リスクも多い。ドラギ総裁がこれほどタカ派になるのは極めて異例で、米当局の動きから手がかりをつかもうとしているようだ。全員が様子見だ」と続けた。

  業種別では、原油価格の上昇につれてエネルギー株が反転上昇。英BPやイタリアのENIがこの動きを主導した。ユーロ高で輸出企業の利益が圧迫されるとの見通しから自動車株は下落。ダイムラーやBMWが売られ、ドイツのDAX指数は西欧市場の中で下げが目立った。
原題:European Shares Fall as Draghi Plays Down Need for MoreStimulus(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債反落、ドラギ総裁が緩和拡大への期待に冷や水
  8日の欧州債市場では、ドイツ国債が4日ぶりに下落。欧州中央銀
行(ECB)が利下げと資産買い入れ策拡大の両方を見送ったことが響
いた。

  ドラギECB総裁が記者会見で債券買い入れ策の延長を議論しなか
ったと明らかにした後、ドイツ債は下げ幅を拡大。この日のECB会合
前には、量的緩和の拡大や買い入れ対象債券の不足を緩和するための調
整が実施されるとの臆測が流れていた。

  クレディ・アグリコルCBIの金利戦略責任者、モヒト・クマール
氏(ロンドン在勤)は「ハト派的なECBを期待していた向きは失望し
ただろう。このため利回りが上昇している」と指摘。「ドラギ総裁は利
下げや量的緩和拡大を実施しなかっただけでなく、今後の緩和をにおわ
すこともできたのにしなかった」と述べた。

  ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは6ベーシスポイ
ント(bp、1bp=0.01%)上昇のマイナス0.06%。

  スペイン10年債利回りは過去最低の0.90%まで低下する場面もあっ
たが、6bp上昇の0.99%へと反転した。
原題:German Bonds Drop as Draghi Cools Speculation of FurtherEasing(抜粋)

(外為、米国債を更新します.)
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