三菱自、燃費問題渦中にまたも不正、国交省が精査-資本提携に影

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日産自動車の傘下に入る予定の三菱自動車が燃費不正問題発覚後の再測定でも不正行為を繰り返していたことが判明し、国土交通省はあらめて同社の管理体制を厳しく精査している。事態の展開次第では日産自との提携スケジュールがさらに遅れる可能性もある。

  三菱自の東京・港区の本社と愛知県岡崎市の開発拠点には2日、国交省職員が立ち入り検査した。同社関連施設への立ち入りは4月の問題発覚以降で3度目。国交省は三菱自が当初提出した燃費について調査した結果、先に不正が発覚していた軽自動車4車種を除く現行販売9車種のうち8車種でカタログ燃費を下回っていたと8月30日に発表、三菱自は対象車種の販売を見合わせていた。 

三菱自動車の本社

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  国交省自動車局審査・リコール課の蛯原勇紀氏によると、国交省は今回の立ち入り検査で押収した資料の分析や益子修会長兼社長ら役員への聞き取りなどを通じて不正の解明を進めている。車両試験の社内規定が適切だったかなど今後の調査次第では問題が拡大する可能性もあり、再度の立ち入りも「否定できない」という。

  三菱自・広報担当の村田裕希氏は電子メールで、当局から3度目の立ち入り検査を受けたことについて、ユーザーに不信感を与え、自動車業界に対する信頼を傷つけたと反省しており、当局には全面的に協力しているとコメントした。日産自との資本業務提携への影響については、日産自のデューディリジェンス(資産などの適正評価)が進んでおり、これまでの発表内容から変更ないものと考えているとした。

  同課の斧田孝夫課長は8月30日の会見で、三菱自の再測定では担当者が走行抵抗値の測定を約60回重ね最も低い数値を抽出していたと指摘。国交省の確認作業では5回測定し、そのうち中央の3つの数値を抽出した。その結果、ガソリン車とディーゼル車で最大約8.8%、平均約4.2%、カタログ燃費を下回っていたことが判明した。国交省は三菱自の測定方法を不正な取り扱いとして是正を指示していた。

  三菱自では2000年代前半にリコール隠し問題が表面化して、信用が失墜し巨額赤字を計上するなど経営が悪化、その後は再建を進めていた。今回の不正燃費問題を調査していた外部有識者による特別調査委員会は8月に報告書を発表し、閉鎖的な組織体質が改められていないなど会社全体の問題と指摘していた。

年内までの手続き完了見込む

  三菱自に対しては日産自が議決権比率で34%を取得する方向で、両社は購買、車両プラットホーム(車台)の共用、新技術の開発分担、生産拠点の共用など広範な分野で協力していく方針だ。日産自広報担当のニコラス・マックスフィールド氏は6日の電子メールで、三菱自への出資に伴うデューディリジェンスは継続中とした上で、出資について「メリットがあると確信しており、年内までの手続き完了を見込んでいる」とコメントした。

  日産自は5月の公表資料で出資について、8月までにデューディリジェンスをし、10月ごろに払い込みの予定としていた。

  国交省の蛯原氏は、三菱自について「不正を繰り返す体質がどうしてもあると認めざるを得ない。他のメーカーと比べるときちんと監督していかなければならないと思う」と話した。

  三菱自の株をめぐっては、三菱UFJフィナンシャル・グループが9日に関東財務局へ提出した変更報告書によると、MUFGと三菱重工業、三菱商事、三菱東京UFJ銀行の既存株主と日産自が2日に株主間契約を締結した。それによると、日産自は三菱自株を取得後10年間、原則として第三者に譲渡しないことや、既存株主と日産自はそれぞれ、相手側が譲渡する株について一定条件・手続きの下で先買権があることなどで合意した。

(最終段落に三菱自株をめぐる既存株主と日産自との合意情報を追加.)
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