中曽日銀副総裁:必要ならどんな修正が適当か判断-総括的検証

更新日時
  • 金融市場の流動性や金融機関収益にも影響及ぼしている-現枠組み
  • 総裁と同様、「緩和の縮小という方向の議論ではない」とも述べた

日本銀行の中曽宏副総裁は8日午後、都内で開かれた在日米商工会議所主催の講演会で、20、21両日の金融政策決定会合で行う総括的な検証について、「必要ならどのような修正が必要か判断したい」と述べた。現行の金融政策の枠組みについて執行部が修正の可能性に言及したのは初めて。

  中曽氏はマイナス金利付き量的・質的金融緩和について「国債や貸し出し・ 社債などの金利は大きく低下し、その面で顕著な効果を発揮している」と述べつつも、「同時に、この政策は金融市場の流動性や金融機関の収益などにも影響を及ぼしている」と指摘。こうした政策の効果と影響についても検証すると語った。

  その上で、「虚心坦懐(たんかい)に行った検証に基づき、現在の政策の枠組みに修正が必要か否か、必要な場合どのような修正が適当か、といった点について判断していきたい」と発言した。

日銀の中曽副総裁(左)

Photographer: Rony Zakaria/Bloomberg

  特にマイナス金利について「金融機関の収益を圧縮する形で実現している。マイナス金利が金融機関の収益に与える影響は相対的に大きい」としたほか、マイナス金利導入時から金融仲介機能を悪化させないことが最も重要な論点だったと語った。

  中曽氏はさらに、マイナス金利について「『金融機関収益への影響を考えれば、深掘りはできない』という静態的、一律の考えは採りえない」と言明。「経済・物価や金融市場の状況によっては、金融仲介の面へのコストを考えた上でもなおそうした手段を必要とすることは十分あり得る」と語った。

  また総括的な検証は「2%の早期実現 のために何をすべきか、という議論であり、緩和の縮小という方向の議論でない」と述べ、5日に講演した黒田東彦総裁と歩調を合わせた。

講演後に記者団に

  中曽氏は講演後に記者団に対し、このタイミングで総括的な検証を行う理由について、「量的・質的金融緩和を開始して3年半経過しており、ここで何がうまく行って何がうまく行かなかったか、うまくいかなかったのはなぜなのか、十分に時間をかけてまとめて検証する」と語った。

  2%の物価目標については「下ろさない」と言明。その一方で、当初、「2年程度を念頭に」物価目標を達成するとしたコミットメントを修正するかどうかについては、「既に2年は経過しているので、その論点はあまり意味のある議論ではないのではないかと思う」と述べた。

  日銀による外債購入については、日銀の金融政策は「物価安定目標の達成、つまり国内目的のために行われている。為替を安定させること、為替相場を目的にしているのではない」と指摘。「為替相場の安定を目的とする外為の売買であれば、財務大臣が所管されている」と語り、否定的な見解を示した。

(7段落以降に講演後に記者団に語った発言を追加し更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE