ドル・円は101円台後半、日米金融政策の不透明感が重しに

更新日時
  • 朝方に付けた101円92銭から一時101円41銭までドル安・円高進む
  • レンジ下限の101円に接近も、下抜けは日銀結果待ち-みずほ証

8日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=101円台で上値の重い展開となった。日米金融政策の不透明感がくすぶる中、日本銀行の中曽宏副総裁の発言を受けてドル安・円高が進む場面もあった。

  午後3時37分現在のドル・円相場は前日終値比0.1%夜の101円66銭。朝方に付けた101円92銭を上値に、午後には一時101円41銭まで下落した。

  みずほ証券投資情報部の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、中曽副総裁の発言について「マイナス金利の深掘りなど、延長にあるものを拡大できるところがあるのかという議論をしながら、プラスとマイナスの影響をてんびんにかける形で思い切って新しいことをするという感じではなさそう」と指摘。日銀の政策が判明するまで101円から103円のレンジが見込まれる中、中曽副総裁の発言を受けてレンジの下限に近づいたものの、「下抜けるには結果を待ってから」と言う。

  日銀の中曽副総裁は8日午後、日米商工会議所主催の講演会で、20、21両日の金融政策決定会合で行う総括的な検証について、「必要ならどのような修正が必要か判断したい」と述べた。マイナス金利付き量的質的金融緩和について「国債や貸し出し・ 社債などの金利は大きく低下し、その面で顕著な効果を発揮している」と述べつつも、「同時に、この政策は金融市場の流動性や金融機関の収益などにも影響を及ぼしている」と指摘。こうした政策の効果と影響についても検証すると語った。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉氏は、「少なくとも検証をするという中で、実務レベルでみた場合に、どうしてもマイナス金利の悪影響やイールドカーブのフラット化の弊害といったところに向き合わざるを得ない」とし、「どんどん現行の政策を広げていくのではなく、ある程度、枠組みを見直す必要は出てくることになる」と説明。「期待を高める方向ではない感じで日銀からコミュニケーションが出ているようにも見える中、ドル・円については今週は上昇する芽は無い」とみる。

日米金融政策に不透明感

  米金利先物市場動向に基づきブルームバーグが算出した9月利上げの確率は、先週2日に8月の米雇用統計が発表された後の時点で32%だったが、足元では約22%に低下している。

  20、21日の日銀金融政策決定会合に関しては、浜田宏一内閣官房参与が連邦公開市場委員会(FOMC)決定前の追加緩和は控えるべきだと述べた他、門間一夫前日銀理事も「追加緩和なし」という答えが論理的な帰結だとの見解を示した。

  外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、「足元で米国の9月利上げ期待が後退したのに加えて、日銀の9月緩和期待も後退している」とし、「ドル・円がショートカバー以外で上値を伸ばす地合いではなさそう」と説明。「日米の金融政策がいずれも据え置きということになると、短期的にはドル安・円高になる」と言い、警戒感がドル・円の上値を抑えているとみている。

  内閣府が8日発表した4-6月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比年率0.7%増と速報値の0.2%増から上方修正された。一方、財務省が発表した7月の経常収支は1兆9382億円の黒字。ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値は2兆733億円の黒字だった。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE