4-6月実質GDPは年率0.7%増に上方修正-予想上回る

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  • 法人統計受けて設備投資は0.1%減に上方修正-マイナス幅が縮小
  • 依然横ばい圏、日銀は時間稼げる可能性も-伊藤忠経済研・武田氏

4-6月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質で前期比年率0.7%増と速報値(0.2%増)から上方修正された。設備投資が上方修正されて全体を押し上げた。

  内閣府が8日発表したGDP改定値は、前期比で0.2%増となった。速報値は0.0%だった。ブルームバーグの予想中央値は前期比0.0%増、年率0.2%増だった。需要項目別では1日公表の法人企業統計を踏まえ、設備投資が前期比0.1%減と速報値(0.4%減)からマイナス幅が縮小した。全体の約6割を占める個人消費は同0.2%増で速報値と同じだった。

在庫寄与度も上方修正

日本電産の小型モータ

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  財務省が1日発表した法人企業統計によると、4-6月の全産業(金融・保険を除く)設備投資額はGDPに反映されるソフトウエアを除くベースで前年同期比3.1%増と、前期(4.3%)から伸びが縮小した。

  法人企業統計を受けて、GDP改定値では在庫の寄与度がプラス0.1ポイントと速報値(マイナス0.0ポイント)から引き上げられた。輸出から輸入を差し引いた純輸出(外需)の寄与度はマイナス0.3 ポイントと速報値と同じだった。公共投資は2.6%増と速報値(2.3%増)から引き上げられた。1-3月期のGDPは年率2.0%増から2.1%増に小幅上方修正された。

  伊藤忠経済研究所の武田淳主席研究員は、設備投資が上方修正されたので「思ったより悪くない」というのが第一印象と述べた上で、「横ばい圏を脱しているわけではないので力不足、弱いということには違いはない」と指摘した。

  日銀の金融政策への影響に関して武田氏は「時間が稼げる感じはする」と述べた。7月の金融政策決定会合後に公表された経済指標で状況が悪化したとは言えず、GDP改定値も悪い数字ではないので、「期待されている追加緩和が見送られる可能性が高まる数字ではある」とみている。

  日本銀行は9月20、21日の金融政策決定会合で、マイナス金利付き量的・質的金融緩和について総括的な検証を行う。黒田東彦総裁は5日の講演で、「市場の一部で言われているような緩和の縮小という方向の議論ではない」と述べ、量、質、金利の各次元での拡大は「まだ十分可能だ」と発言。「それ以外のアイデアも議論の俎上(そじょう)から外すべきではない」と語った。

  GDP統計をめぐっては実体経済とのかい離を指摘する声が強まっている。自民党の林芳正元経済財政政策担当相は、政務調査会にプロジェクトチームを設置し、年内に改善に向けた提言をまとめる方針を明らかにした。山本幸三地方創生相も行政改革の一環として有識者会議をつくり、統計改革を進めたいと発言している。

(エコノミストコメントを追加します.)
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