商船三井:世界最大洋上LNG基地がバイト探し-巨大すぎ困難の声も

  • ウルグアイ計画の遅延で、アジアなどで1年程度の活用検討
  • 大きすぎて「需要はほとんどないだろう」-エナジー・マリタイム

海運会社の商船三井は、約400億円を投じて建造中の浮体式貯蔵再ガス化設備 (FSRU)の洋上基地を、アジアなどで短期的に活用することを検討している。洋上で液化天然ガス(LNG)を再ガス化し、陸上パイプラインへ送出する設備だが、投入予定だったウルグアイの事業計画が遅れており、操業開始まで遊ばせるのを避ける狙いだ。

  海洋エネルギー営業戦略事業の責任者、橋本剛専務がインタビューで明らかにした。FSRU自体は2017年初めまでに完成する見通しで、完成後に「短期のアルバイトとでも言うべきか、操業までの間にどこかで活用できないかとマーケティングを行っている」と述べた。候補地はアジアや南米などで、期間は1年から半年程度という。同FSRUは、東京タワーを横にしたより10メートルほど長い全長345メートルで、26万3000立方メートルのLNGを貯蔵でき、同型の設備としては世界最大。

  ウルグアイの国営企業が主導で13年に始まったLNG受け入れ事業計画は、港湾整備工事の遅延や建設費増加の問題が起きるなどして遅れている。当初は16年11月から操業予定だったが、橋本専務によると18年にずれ込む見通しで、FSRUの完成から最大1年半程度の期間が生じる可能性がある。商船三井は20年間にわたって、同事業にFSRUを貸し出す計画を結んでいる。

低コスト

  FSRUは運ばれてきたLNGをガス化する設備で、巨大タンカーとして自走機能を持つ。ガス貯蔵や送出などを陸上の受け入れ基地に比べ低コストで実現する。05年に世界で初めて実用化され、現在はブラジルや中国などで23基が稼働している。

  エナジー・マリタイム・アソシエイツのマネジング・ディレクター、ボッグス氏は、商船三井のFSRUは一般のLNGタンカーとしても利用可能だが、その巨大な容量を考えると単発での運搬の仕事口の需要はほとんどないだろうと見込む。

  FSRUは完成後も造船所から出さずに保管しておくべきだとボッグス氏は指摘する。「その方が、納入された後で何もせずに寝かせておくよりは安上がりだ」と述べた。

維持コスト

  商船三井は、人件費や機械のメンテナンス費用などの維持コストを明らかにしていない。広報担当の藤原悠喜氏は「20年のプロジェクト期間を通しての採算では十分見合うような見込みで参画しており、仮に1年半程度使わなくて維持費が掛かろうとも問題はない」と述べた。

  商船三井はこれまで2基のFSRU計画に参加。13年に発表したウルグアイ計画は、商船三井にとって初めての単独企業としての参加となる。

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