日本株は続落、日米金融政策に不透明感-「マリオ」任天堂は活況

更新日時
  • 日経平均株価は終値で1万7000円割り込む
  • 任天堂とDeNA2銘柄で東証1部売買代金の約2割

8日の東京株式相場は続落。日米の金融政策に対する不透明感やあすの株価指数先物・オプションの特別清算値(SQ)算出を前に買い手控えムードが強い中、為替の円高リスクも投資家心理にマイナスに働いた。保険や銀行など金融株、鉄鋼や化学、ガラス・土石製品など素材株が安い。

  半面、iPhone(アイフォーン)向け新作ゲームの配信が好感された任天堂が売買を伴い大幅高。協業先のディー・エヌ・エーも高い。2銘柄で東証1部売買代金の約2割を占めた。

  TOPIXの終値は前日比3.58ポイント(0.3%)安の1345.95、日経平均株価は53円67銭(0.3%)安の1万6958円77銭。日経平均は終値で4日ぶりに心理的節目の1万7000円を割り込んだ。

  しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジストは、週初に1ドル=104円台までドル高・円安が進んだが、「101円台まで押し戻され、輸出企業の業績下振れが警戒され、買いの手が止まってしまった」と言う。足元の米国経済指標の低調を受け、「米当局が12月に利上げを再開したとしてもペースは相当緩やかで、天井は低い。米長期金利はそれほど上がらず、対ドルでの円安も限られる」との見方を示した。

東証アローズ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  連邦準備制度理事会(FRB)が7日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、米国経済は7、8月は緩慢なペースで拡大した。労働市場は力強かったものの、物価上昇は「引き続き全般的にわずか」だった。岡三証券の投資戦略部の小川佳紀ストラテジストは、「米景気は利上げができるほどは強くない。もともと大統領選前に米国が金融政策を変更するとはみていなかったが、これまでの経済指標をみる限り、9月の利上げは難しい」と話す。
  
  7日の米国株は、ナスダック総合指数が0.2%高の5283.93と連日で最高値を更新した半面、S&P500種株価指数は0.01%安の2186.16と小動きだった。また、きょうのドル・円相場は方向感の定まらない展開。朝方の1ドル=101円90銭台に対し、午後は101円40銭台まで円が強含んだが、2時すぎ以降は101円70銭前後まで戻した。前日の日本株終値時点は101円39銭。日本銀行の中曽宏副総裁は8日午後の都内での講演で「2%の物価安定目標は下ろさない」と発言、総括的検証に関しては「必要ならどのような修正が必要か、判断したい」と述べた。

  海外市場、為替発で相場全体を方向付ける材料に乏しい中、きょうの日本株は朝方から売りが先行。日経平均は午後に一時175円安まで下げ幅を広げた。東海東京調査センターの仙石誠マーケット・アナリストは、「日銀のETF購入が期待され、午前は底堅く推移したが、日銀はETF購入を見送ったとの観測が出て、期待が剥落した」と言う。大引けにかけては、円の弱含みに連動して下げ渋った。

  個別で動きが目立ったのは任天堂関連銘柄。米アップルの新型情報端末「iPhone(アイフォーン)7」の発表に合わせる形で任天堂は7日、12月に「アップストア」で新作のアクションゲーム「スーパーマリオラン」の配信を開始すると発表した。任天堂株は一時18%高と急騰。協業先のDeNA、任天堂株を持つ京都銀行も上げた。任天堂とDeNA2銘柄の売買代金は4337億円となり、東証1部全体の2兆1925億円に対し約2割に達した。東証1部の売買高は16億7242万株、値上がり銘柄数は860、値下がりは923。

  • 東証1部33業種は保険や鉄鋼、サービス、パルプ・紙、水産・農林、電気・ガス、ガラス・土石製品、化学、銀行など21業種が下落。その他製品や海運、精密機器、証券・商品先物取引、ゴム製品、輸送用機器、卸売など12業種は上昇。

  • 売買代金上位では楽天や信越化学工業、東京電力ホールディングス、三菱電機、日東電工、8月の単体売上高が2%減った電通が安い。半面、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を上げたSMCのほか、塩野義製薬やカカクコム、いすゞ自動車、サノヤスホールディングスも高い。
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