任天堂:「スーパーマリオ」をiPhoneに配信へ-株価急騰

更新日時
  • 12月に「アップストア」で「スーパーマリオラン」の配信開始
  • 今期業績予想には織り込み済み、アンドロイド向けも予定

人気ゲーム「スーパーマリオ」がついに米アップル「iPhone(アイフォーン)」向けに配信される。任天堂は現地時間の7日(日本時間8日未明)、今年12月に「アップストア」で新作のアクションゲーム「スーパーマリオラン」の配信を開始すると発表した。8日の株価は急上昇しており、関連銘柄も買われている。

  アップルがサンフランシスコで開いた恒例の製品発表イベントに、「マリオ」の生みの親の一人である任天堂の宮本茂代表取締役クリエイティブフェローが登壇。スーパーマリオランのデモを行った。同ソフトの基本バージョンはダウンロード無料だが、ゲームの全ての要素をプレーするには有料となる。

  投資家や「マリオ」シリーズのファンらは以前から、スマホで同ゲームを楽しめるようにするよう任天堂に訴えていた。8日の東京市場で任天堂株は一時、前日比4505円(18%)高の2万9200円と、7月22日以来の高値を付けた。開発と運営に携わるディー・エヌ・エー(DeNA)や任天堂株を保有する京都銀行も買われている。

  「これは大きな取引だ」とノーザン・トラスト・キャピタル・ マーケットのアナリスト、ニール・キャンプリング氏は電子メールで回答した。キャンプリング氏はアップルとともに発表されたことは「任天堂のモバイルの収益化戦略に対し、もっとも強い支持といえるのではないか」と分析している。

遊びを再現

  任天堂広報担当の若江誠氏によれば、スーパーマリオランの収益は今期業績予想に含まれている。米グーグルの基本ソフト(OS)アンドロイド搭載機器向けにも配信するが時期は未定。また秋の配信開始を予定していた別のスマホゲーム2本は、配信開始を年度内に遅らせる。

  任天堂は自社のゲーム機だけにゲームを提供していたが、スマホの普及に伴い方針を転換。今年3月に初のスマホ向けアプリ「Miitomo(ミートモ)」の配信を開始した。また任天堂が出資する「ポケモン」と米ナイアンティックが配信するスマホゲーム「ポケモンGO」は世界的な社会現象を引き起こしている。

  「電車に乗って、つり革をつかみながらでも遊べる。ハンバーガーを食べながらでも大丈夫。アップルでも大丈夫です」と任天堂の宮本氏はアップルのイベントで述べた。また課金方法については「最初に一定のお金を頂くのですが、その後にどんなに遊んでもお金がかからない仕組みを考えています」と話した。ゲームでは、アイテムやコインを集めたり敵キャラクターを踏みつぶしたりするゲーム機でおなじみの遊び方が、スマホ上で再現されている。

安倍マリオ

  マリオはコンピューターゲーム史上最も有名な日本を代表するキャラクター。8月のリオデジャネイロ五輪の閉会式会場では、マリオに扮した安倍晋三首相が登場した。「ファミリーコンピュータ」用ゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」は1985年9月に発売され、家庭用テレビゲーム機の黎明(れいめい)期に金字塔を打ち立てた。一定の販売数が見込める人気ゲームソフトの存在は、任天堂の経営戦略に不可欠なものとなっており、スマホゲームでも真価が問われることになる。

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「印象はポジティブ」だとし「ポケモンGOのようになってもおかしくないタイトル」だと話した。また任天堂が直接配信するため収益へのインパクトも大きい、と指摘した。

(7段落以降にイベントでの宮本氏の発言などを追加しました.)
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