9月7日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル指数が小幅高、モルガンSはユーロの一段高を予想

7日のニューヨーク外国為替市場ではドル指数が小幅高。朝方は軟 調だったが、戻す展開となった。午後に公表された米地区連銀経済報告 (ベージュブック)はほとんどの地区で緩慢なペースで景気が拡大した と指摘したが、ドルの反応は鈍かった。

モルガン・スタンレーはユーロが年末までに、対ドルでさらに5% 上昇する可能性があると予想した。年初からは3.5%上げている。チー フグローバル通貨ストラテジストのハンス・レデカー氏は、欧州中央銀 行(ECB)の景気刺激やインフレ促進に向けた取り組みが根強いユー ロ高に妨げられる可能性があると指摘した。ECB政策委員会は8日に 定例会合を開催する。

欧州と日本の金融当局による景気刺激策は限界に達しつつあるとの 見方からユーロと円は年初来で堅調となっている。利上げを見送ってい る米当局との金融政策の違いは弱まっており、主要通貨に対してドルは 軟調になっている。

レデカー氏は「当社はユーロに強気だ」と電子メールで指摘。ユー ロ圏で高まる政治リスクについては「ユーロは懸念の壁を乗り越える」 との見方を示した。同氏はリポートで「ECBがユーロ高を妨げようと しても、できることはほとんどない」と記述した。

同氏はユーロを押し上げるユーロ圏への資金流入に対し、中銀の緩 和拡大は対抗できなくなると指摘した上で、現金が不足している欧州の 銀行は資金を域内にとどめるとの見方を示した。一方、ブルームバーグ が実施したアナリスト調査ではユーロは年末までに1.09ドルに軟化する と予想されている。

ニューヨーク時間午後4時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇。午後5時現在 でユーロは対ドルでほぼ変わらずの1ユーロ=1.1239ドル、対円で は0.4%下げて1ユーロ=114円35銭。ドルは対円で0.3%安の1ドル =101円74銭。

ブルームバーグが実施したエコノミスト調査では、ECBは年末ま でに量的緩和を拡大すると大半のエコノミストがみていることが明らか になった。域内のインフレ率が目標の2%を大きく下回っていることが 背景。

原題:Morgan Stanley Says Draghi Stimulus Can’t Stop Euro’s Bull Run(抜粋) INSIDE G-10: USD Reverses Early Loss; Beige Book ‘Modest Growth’ (抜粋)

◎米国株:ほぼ変わらず-S&P500種は過去最高値付近で推移

7日の米株式相場はほぼ変わらず、過去最高値付近で推移した。強 弱まちまちな経済指標を受け、市場では今後の金融政策の軌道をめぐり さまざまな見方が広がっている。

この日は生活必需品株が6週間で最大の下げ。一方で情報技術株や エネルギー株は上昇した。ゼネラル・ミルズは大幅安。ホールフーズ・ マーケットやクローガーも下げた。スプラウツ・ファーマーズ・マーケ ットは14%安と急落。利益見通しの下方修正が嫌気された。この日新製 品を発表したアップルは上昇。フェイスブックは上場来高値を更新し た。

S&P500種株価指数は前日比0.1%未満下げて2186.15。ダウ工業 株30種平均は11.98ドル安の18526.14ドル。

グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツ(サウスカロライナ州 グリーンウッド)の最高投資責任者(CIO)、ウォルター・トッド氏 は「過去1週間に発表された経済データは低調だった」とし、「9月の 利上げについてはやや過度に期待された部分があったが、現在では1カ 月前の状況に戻った形で、年内に一度でも利上げがあるのだろうかとい った疑問が広がっている」と続けた。

サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は6日の講演で、米経済 について前向きな認識を示した。7日発表された7月の求人件数は半年 ぶりの大幅増となった。また地区連銀経済報告(ベージュブック)によ れば、米経済は7、8月に緩慢なペースで拡大した。労働市場は力強か ったものの、賃金や物価にそれほど大きな上向きの圧力はかからなかっ た。

7月の個人消費は力強かったものの、非製造業および製造業活動の 指数や雇用の伸びが市場予想を下回ったことで、着実な経済成長に対す る疑問が広がった。金利先物市場に織り込まれる9月の利上げ確率 は22%。前日のISM非製造業景況指数発表前の36%から低下してい る。利上げ確率が50%を超えるのは12月になってからだ。

ロバート・W・ベアード(ロンドン)の株式担当副会長を務めるパ トリック・スペンサー氏は、「利上げは選択肢から外れているが、見通 しはやや不透明だ」とし、「このところの経済指標を受けて人々は極め て慎重になっており、2017年も成長減速が続くと懸念している。ただデ ータはそれほど悪くない」と述べた。

S&P500種の生活必需品株指数は0.9%安。一方で情報技術株指数 は4営業日続伸となった。

原題:U.S. Stocks Little Changed as S&P 500 Hovers Near All-Time High(抜粋)

◎米国債:変わらず、9月利上げの確率低下-ゴールドマンも見方変更

7日の米国債相場はほぼ変わらず。連邦公開市場委員会 (FOMC)が9月会合で金利を引き上げる確率は、ほぼ3週間ぶりの 水準に低下した。米経済統計の弱い数値を受けて、ゴールドマン・サッ クス・グループは9月利上げの見通しを下方修正。つい5日前に上方修 正したばかりだった。

先週2日に8月の米雇用統計が発表された後の時点では、金利先物 市場が織り込む9月利上げの確率は32%だったが、今では約22%に下げ ている。6日発表のISM非製造業総合景況指数が6年半ぶりの低水準 となったことを受け、ゴールドマンは9月利上げの確率を55%から40% に引き下げた。

チーフエコノミストのジャン・ハッチウス氏は「やや軟調さを増し たデータと、時間的な制約を考慮し、年内利上げの確実性は今や少し低 下した」と分析。顧客へのリポートで、「一つの指標にすぎないもの の、軽視できないほどのサプライズがあった。そもそも9月利上げに前 向きになれないと感じる当局者も何人かいたかもしれない」と述べた。

サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は6日の講演で、米経済 は「好調であり、正しい方向に進んでいる」と指摘。利上げについて、 いずれの方向に傾斜しているか示唆しなかった。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在の10年債利回りは1.54%でほぼ変わらず。同年債 (表面利率1.5%、2026年8月償還)価格は99 20/32。

金融政策見通しに最も敏感に反応する2年債の利回りもほぼ変わら ずの0.73%。

米連邦準備制度理事会(FRB)が7日公表した地区連銀経済報告 (ベージュブック)によれば、米経済は7、8月に緩慢なペースで拡大 した。労働市場は力強かったものの、消費は概して、前回の報告時から 「ほぼ変わらなかった」とされた。

先物市場が織り込む年内の利上げ確率は約52%。今月2日の時点で は59%だった。この確率算出は、次回利上げ後に実効フェデラルファン ド(FF)金利がFOMCが設定した新たなレンジの中央値になるとの 仮定に基づく。

原題:Bond Traders Pare Fed Wagers as Goldman Reverses September Shift(抜粋)

◎NY金:反落、「利益確定」との指摘も-ETF通じた保有量は増加

7日のニューヨーク金先物相場は反落。ブルームバーグのデータに よれば、金連動型上場投資信託(ETF)を通じた金保有量は今週に入 って最初の2日間に13.8トン増と、増加幅は8月全体の13.7トンを上回 った。先物の未決済建玉(オープン・インタレスト)は6週間ぶりの高 水準となった。

RBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョー ジ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「価格の改善 とともにオープン・インタレストが増えており、市場に投資資金が戻っ てきていることを示している」と指摘。米雇用統計が市場予想を下回っ たことを受けて、「早期の米利上げへの警戒は2日に消えてしまった」 とし、「これまで急速に上昇したことで、きょうは利益確定の動きが出 ている」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日 比0.4%安の1オンス=1349.20ドルで終了。一時は1357.60ドルと、中 心限月としては8月19日以来の高値をつけた。

銀先物も下落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナ とパラジウムも値下がりした。

原題:Investors Pile Into Gold ETFs on Dimming Outlook for Rate Hike(抜粋)

◎NY原油:続伸、OPECとロシアからの発言に注目

7日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が続伸し、1週間ぶりの高値。生産調整 の可能性を見極めたい投資家は、石油輸出国機構(OPEC)とロシア 当局者の発言に注目している。先週の米在庫は3週連続で増加したと予 想されている。米在庫はすでに、この時期としては過去5年間の平均を 1億バレル上回っている。

ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の石油市場調査責任者、マ イク・ウィットナー氏(ニューヨーク在勤)は「原油市場では合意の可 能性は低いとみるアナリストが大半だ」と指摘。「4月以降に状況が変 わったので、私自身は以前ほど疑っていない。最大の違いは、イランが 増産で目指す目標に近づいており、順応性が高くなっているように思わ れることだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日 比67セント(1.49%)高い1バレル=45.50ドルで終了。終値ベースで 8月30日以来の高値。ロンドンICEのブレント11月限は72セント上昇 の47.98ドル。

原題:Oil Advances as OPEC, Russia Comments Parsed for Policy Signs(抜粋)

◎欧州株:反発、自動車株が上げ主導-独DAX指数は年初来プラスに

7日の欧州株式相場は反発。ユーロ安で輸出銘柄が買われた。ドイ ツのDAX指数は年初来の下げを埋め、昨年12月以来の高値で引けた。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.3%高の350.46で取引を終 了。自動車株が上げをけん引した。同指数はこれで過去5営業日のうち 4営業日で上昇したことになる。

DAX指数は0.6%高。鉄鋼のティッセンクルップ、化学の BASF、自動車のダイムラーが堅調だった。同指数は先月、年初来の 下げをほぼ埋める水準に迫ったが、その後再び売りに押されていた。

MPPM(独エップシュタイン)のギレルモ・ヘルナンデス・サン ペレ氏は「量的緩和拡大をめぐる臆測が日増しに強まっている」と指 摘。「ボラティリティは依然極めて低く、実際のところリターン追求で 他に選択肢はない。従って調整が迫っているとは思わない」と述べた。

ブルームバーグが調査したエコノミストは8日の会合でECBが政 策金利を据え置くと見込んでいるが、大半は年内に量的緩和の拡大があ ると予想している。

原題:Automakers Lead Europe Stocks Higher as DAX Erases Annual Drop(抜粋) *GERMANY’S DAX INDEX CLOSES AT HIGHEST LEVEL SINCE DECEMBER

◎欧州債:ドイツ超長期債が堅調、ECB控え利回り曲線平たん化見込む

欧州中央銀行(ECB)の政策理事会開催を翌日に控えた7日の欧 州債市場では、ドイツの超長期債に旺盛な需要が集まった。

この傾向は過去3日間続き、償還期間の比較的短い国債に比べ長期 債の利回り低下が大きくなると見込む投資が増えている。資産買い入れ プログラムの拡大、または買い入れ可能な債券のひっ迫緩和に向け規則 が調整されるとの臆測を追い風に、いわゆる「ブルフラット化」が勢い づいている。

ECBが現在採用する量的緩和の規則では、短期国債の大半が買い 入れ対象から除外されている。こうした中で投資家が積み上げているの は、より長期で利回りの高い債券だ。

DZ銀行のアナリスト、クリスチャン・ライヒャター氏(フランク フルト在勤)は「過去数日で利回り曲線はますます平たん化しつつあ る。これは市場が何らかの措置をECBが打ち出すと期待している兆し だ」と指摘。「当行ではECBが少なくとも来年3月までとしている資 産買い入れの期限を延ばすとともに、恐らくわずかな修正を加えると考 えている」と述べた。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債と30年債の利回り格差 (スプレッド)は2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小 の53bpと、終値ベースで今月最小。年初来の最小は8月1日に記録し た45bp。

原題:Bond Investors Gearing Up for ECB Look for Flatter Yield Curve(抜粋)

(外為、米国債を更新します)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE