ドル・円が101円前半に下落、米利上げ観測後退や日銀緩和不透明で

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  • 一時は101円21銭と8月26日以来の水準までドル安・円高が進行
  • ドル・円のモメンタム下向き、101円試してもおかしくない-野村証

7日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=101円台前半へ下落した。6日発表の米非製造業景況指数の下振れを受け、9月の米利上げ観測が後退したことが背景。日本銀行が今月下旬に行う金融緩和政策の「総括的検証」が追加緩和につながるか不透明なことも、円買い圧力につながった。

  午後3時25分現在のドル・円相場は前日比0.7%安の101円35銭。一時は101円21銭と、ジャクソンホールでイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演した8月26日以来の水準までドル安・円高が進んだ。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、ドル・円のモメンタムは下向きで、短期的に101円を試してもおかしくないと指摘。ただ、米金融当局者の発言で再び米利上げを意識する局面もあるかもしれず、「ポジションが101円50銭付近でほぼ中立化しているとみられる中で、次の材料を待つ形になりそう」と話した。  

  米金利先物市場動向に基づくブルームバーグの算出によると、9月の米利上げの予想確率は6日時点で24%と前日の32%から低下。年内利上げの確率も59%から52%に下がっている。  

為替トレーダー(トウキョウフォレックス上田ハーロー)

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  米供給管理協会(ISM)が6日発表した8月の非製造業景況指数は市場予想を下回り、6年半ぶりの低水準となった。

  FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、「9月の米利上げは絶望的。製造業だけでなく非製造業の景況感が悪化しているとなると、利上げ自体本当にできるのかという疑念になっているのだろう」と話した。

  サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は6日のネバダ州リノでの講演後、記者団に対し、全てのFOMC会合がライブで、9月もそれに違いはないと語った。講演では、米経済は「好調であり、正しい方向に進んでいる」と指摘し、「できれば比較的早い時期に緩やかな利上げペースに戻ることが理にかなう」と、8月18日のアラスカ州アンカレジでの講演と同じ主張を繰り返した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)は7日に地区連銀景況報告(ベージュブック)を公表する。三菱東京UFJ銀行の平井邦行上席調査役(ニューヨーク在勤)は、市場は9月の米利上げはないとみているが、ベージュブックや8日発表の失業保険申請件数などが飛び抜けて良ければ、またセンチメントが変わる可能性はあると指摘。今週は地区連銀総裁の発言が続くので、「そこで何か方向感が出るかどうか」だと話した。

  7日付の産経新聞朝刊は、日銀が20、21日の金融政策決定会合で実施する総括的な検証で、「統一見解 」の取りまとめに難航していることが分かったと報じた。日銀前理事の門間一夫氏は6日に行われたブルームバーグのインタビューで、今月の金融政策会合では「追加緩和なし」が理論的な帰結だと述べた。

  ブルームバーグのデータによると、円は主要通貨に対してほぼ全面高。7日の東京株式相場は反落し、日経平均株価は一時前日比180円近く下げる場面が見られた。

  野村証の高松氏は、「日銀に関する産経の報道も追加緩和期待に対しては失望的な内容で、ドル・円の下落につながった部分もあるだろう」と説明。その上で、「日銀の9月会合で何をしてくるかが見えない中で、ドル・円を売り込むのもリスクが大きい」とし、「100円を割るような相場にもならないと思う」と話した。

  豪ドル・円は一時同1.1%安の1豪ドル=77円59銭前後と1日以来の水準まで豪ドル売り・円買いが進行。この日発表されたオーストラリアの4-6月の国内総生産(GDP)は前期比0.5%増と、市場予想の0.6%増を下回った。

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