9月6日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが下落、ISM指数は非製造業も弱く利上げ観測後退

6日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。ドル指数は5週 間ぶりの大幅低下となった。8月の米非製造業総合景況指数は拡大ペー スが鈍化し、6年半ぶりの低水準となり、米国の金利上昇観測が後退し た。

豪ドルや南アフリカ・ランドなど高利回り通貨を含む主要通貨の大 半に対して、米ドルは下落した。供給管理協会(ISM)非製造業総合 景況指数は51.4と、前月の55.5から低下し、2010年2月以来の低水準。 ISMが1日発表した8月の製造業総合景況指数は、活動の拡大と縮小 の境目を示す50を予想に反して下回っていた。

トロント・ドミニオン銀行のシニア為替ストラテジスト、メイゼ ン・アイサ氏は「直近2本のISM指数は恐ろしく弱く、今月の利上げ シナリオはますます難しくなり、可能性が低下していると思う」と指 摘。それがドル下落に反映されていると述べた。

米経済減速の兆候は、景気刺激策やインフレ促進策をとっている日 本銀行や欧州中央銀行(ECB)との金融政策の違いが広がるとの見方 を弱め、年初から既に5.1%下げているドルの下落基調を強める可能性 がある。利回りがマイナスになる国債が増えている中、比較的利回りが 高い豪ドルやランドなどの通貨の魅力が高まっている。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は1%低下と、7月29日以降 で最大の下げ。ドルは対ユーロで1%安の1ユーロ=1.1255ドル、対円 では1.4%下げて1ドル=102円02銭。

豪ドルは5日続伸と、3月以降で最長の連続高。オーストラリア中 銀が政策金利を据え置いたことが背景にある。8月31日以降では対ドル で2%超上げている。南ア・ランドは今月に入って5%余り上げてお り、主要通貨の中で値上がり首位。同国の経済指標が改善し、過去7年 で2度目となる景気後退(リセッション)の回避が示唆された。

金利先物市場の動向によれば、米連邦公開市場委員会(FOMC) が今月20ー21日の会合で利上げを実施する確率は24%と、1週間前 の34%から低下。12月の利上げ確率も59%から51%に下がった。

クレディ・アグリコルCIBの為替ストラテジスト、バシーリ・セ レブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「米金融政策の長期的な見通し はなお非常に落ち着いており、リスクに敏感な通貨を支援している」と 指摘。ドルが下げている時は「高利回り通貨に買いが入りやすい」と語 った。

原題:Dollar Drops Most in Five Weeks on ‘Shockingly Weak’ Services(抜粋)

◎米国株:上昇、雇用統計で利上げ先送り観測-ナスダック最高値

6日の米国株式市場は堅調。S&P500種株価指数は連休明けの狭 いレンジ取引を小幅高で終えた。2日に発表された雇用統計が予想より 弱い結果となり、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ が見送られるとの見方が広がっている。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「2 日の雇用統計は予想より弱かったが、それでも十分に追加利上げを促す と示唆されていた水準よりは強かった」と指摘。「統計の発表後も先が 読めない状況に変わりはない」と続けた。

S&P500種は前営業日比6.50ポイント(0.3%)上昇の2186.48で 終了。ダウ工業株30種は46.16ドル(0.3%)高い18538.12。ナスダック 総合指数は0.5%上昇し5275.91と、過去最高値を更新した。アマゾン・ ドット・コムやフェイスブックが主導した。

8月のISM非製造業総合景況指数は前月から低下し、2010年2月 以来の低水準。先週発表された製造業指数と合わせて経済活動の鈍化を 示した。債券利回りの低下を背景に、銀行株がほぼ4週間ぶりの大幅下 落。ウェルズ・ファーゴやバンク・オブ・アメリカが下げた。

合併のニュースを材料にエネルギーやヘルスケアに買いが入った。 スペクトラ・エナジーは13%急伸し2年ぶり高値。同社は280億ドルの 株式交換でカナダのエンブリッジに身売りすることで合意した。医療用 検査診断システムのセフィエドは53%急騰。計測機器・医療関連機器メ ーカーの米ダナハーは、債務継承分を含み約40億ドルの取引でセフィエ ドを買収する。

ウェドブッシュ・セキュリティーズ(ロサンゼルス)の株式トレー ディング担当マネジングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は「わ れわれはなお雇用統計の細目を分析しているところだが、強すぎない数 字だったということは、9月利上げの可能性が低下しという点で一安心 だ。株価は恐らく今後出てくるデータに左右されるだろう」と述べた。

トラックメーカーのナビスター・インターナショナルは上場来最大 の41%高。独フォルクスワーゲンがナビスターに出資することが明らか になり、買いが集中した。一方、両社を顧客とするエンジンメーカーの カミンズは7.3%下落し、9カ月ぶりの大幅安となった。

原題:Hedge Funds Ignore Wall Street Wisdom Buying Up S&P 500 Futures(抜粋) 原題:Treasuries Climb, Nasdaq Hits Record as Fed-Hike Wagers Decline(抜粋)

◎米国債:上昇、9月利上げに懐疑的-非製造業景況指数が記録的低下

債券トレーダーらは、9月の米利上げの可能性に懐疑的になりつつ ある。6日発表された非製造業総合景況指数が6年半ぶりの低水準とな ったことが背景にある。

米供給管理委員会(ISM)が発表した8月の非製造業景況指数 は、ブルームバーグが実施したエコノミスト調査での最も悲観的な予想 も下回った。これを手掛かりに、米国債利回りは全ての年限で利回りが 低下。2日に発表された8月の米雇用統計はどっちつかずの内容で利上 げのタイミングについて明確なシグナルが得られず、債券相場は変化に 乏しい展開となっていたが、この日の統計を受けて大きく動いた。

先物市場に織り込まれる連邦公開市場委員会(FOMC)9月会合 での利上げ確率は24%に下げ、8月22日以来の低水準となった。この算 出は、次回利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が目標レン ジの中央値になるとの想定に基づく。

トロント・ドミニオン銀行の世界マクロ戦略責任者、デービッド・ タルク氏は「これは、金融当局がどれだけ年内の利上げを望もうとも、 経済データが伴わなければならないという見方を裏付けるものだ」と指 摘。「FOMC会合に向けてデータの軟化が続けば、利上げ期待は後退 し、米国債は上昇を続ける」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、金融政策に最も敏感な2年債の利回りは前営業日比6ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.73%。同年債(表面 利率0.75%、2018年8月償還)価格は100 1/32。

今週はサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁やリッチモンド連 銀のラッカー総裁、カンザスシティー連銀のジョージ総裁の発言が予定 されており、経済データの解釈でシグナルが得られる可能性がある。

BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・ コーリ氏はISM非製造業景況指数について、「債券市場が9月の利上 げはないとの見方に傾くことが示唆される」と指摘。金融当局者の発言 もしくは新しい経済データでその見方が打ち消されない限り、期間が短 めの債券を中心に上昇するだろうと予想した。

原題:September Fed-Hike Window Is Starting to Close for Bond Traders(抜粋)

◎NY金:3日続伸、南ア・ランド上昇でプラチナは4カ月ぶり大幅高

6日のニューヨーク貴金属市場ではプラチナ先物が約4カ月ぶりの 大幅高。南アフリカ共和国の通貨ランドの値上がりを好感した。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニア・マーケット・ストラテ ジスト、ボブ・ヘイバーコーン氏は電話インタビューで、「プラチナが 上昇する要因が勢揃いしている」と指摘。「ランドは生産コスト面で支 えになるため、こうした要因の一つだ。ランドにはまだ上昇余地があ る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナ先物10月限は前 週末比3.8%高の1オンス=1102.70ドルで終了。中心限月としては4 月19日以来の大幅上昇となった。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は2.1%上 げて1オンス=1354ドル。8月2日以降で最長の3営業日続伸。

銀先物とパラジウム先物もそれぞれ値上がりした。

原題:Platinum Rises Most in 4 Months as Rand Boosts Mine-Cost Outlook(抜粋)

◎NY原油:ドル安で続伸、ブレントはサウジ・露成果なく下落

6日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が続伸。ドルが5週間ぶりの大幅安とな ったことで、原油に買いが入った。一方、ロンドンICEのブレント原 油は反落。ロシアとサウジアラビアが市場安定で協力する意向を明らか にしたものの、具体的な措置に触れなかったことから失望が広がった。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレ クター、ボブ・ヨーガー氏は「国際的なベンチマークであるブレントが 先行しているのは納得が行く」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前営 業日比39セント(0.88%)高い1バレル=44.83ドルで終了。前日はレ ーバーデーの祝日だった。ロンドンICEのブレント11月限は37セント 下げて47.26ドル。前日は1.7%上昇していた。

原題: Brent Oil Declines as Saudi-Russia Deal Falls Short of a Freeze(抜粋)

◎欧州株:4日ぶりに下落、予想下回る米経済指標で下げに転じる

6日の欧州株式相場はストックス欧州600指数が4営業日ぶりに下 落。米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業総合景況指数 が市場予想に届かず、米経済の強さに対する懸念が浮上した。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.3%安の349.46で取引を終 了。一時は0.3%高まで上昇したが、ISM非製造業総合景況指数の発 表後に下げに転じた。

バンクハウス・ランプ(デュッセルドルフ)のストラテジスト、ラ ルフ・ツィマーマン氏は「投資家の間では景気回復に対する期待がある 程度積み上がっていたが、いまや指標は別の方向を指している」とし、 「これは世界的な下振れリスクを高め、世界経済に対する不安はますま す強まっている。市場はファンダメンタルズよりやや先走っていた」と 語った。

ストックス600の業種別では、銀行株の下げが最大。エネルギー株 も朝方の上昇を消し、下落率2位に沈んだ。

ドイツのDAX指数は一時0.7%高と年初来の下げをほぼ消す水準 まで買われたが、上げ幅を縮小して引けた。同国のヘルスケア企業フレ ゼニウスはスペイン最大の民間病院運営会社であるIDCサルー・ホー ルディングの買収を発表し、6.4%高と急騰した。

原題:European Stocks Reverse Gains as U.S. Services Data Disappoint(抜粋)

◎欧州債:スペイン債が堅調、高まる再々選挙実施の見通しに反応薄

6日の欧州債市場ではスペイン10年債が3日続伸。スペインは1年 で3回目となる総選挙が実施されそうな雲行きだが、同国債は堅調な需 要を集めている。

この日の上昇で、スペイン10年債とイタリア10年債の利回り格差 (スプレッド)は1週間ぶりの大きさに拡大した。スペインのラホイ暫 定首相は先週行われた2回の信任投票でいずれも支持を得ることができ ず、12月の総選挙実施に向かう可能性が高まった。

一方、イタリアは国内銀行に対する圧力が高まり、10-12月に実施 される国民投票の結果次第ではレンツィ首相が辞任に追い込まれる恐れ もある。こうした状況から一部のアナリストは、スペインよりイタリア の方が債券投資家にとってリスクが大きいとみている。

DZバンク(フランクフルト)の主席市場ストラテジスト、ダニエ ル・レンツ氏は「イタリア政界の将来には大きな疑問符がある。個人的 にはスペインの状況より、はるかに危機的で重大だと考えている」と指 摘。「国民投票が失敗に終われば、レンツィ首相は辞任か、2018年の次 回選挙までレームダックに陥るだろう」と見方を示した。

ロンドン時間午後4時1分現在、スペイン10年債利回りは前日比7 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.94%。同国債利回 りは前日までの2営業日でも計5bp低下していた。2026年4月償還債 (表面利率1.95%)価格は0.685上げ、109.285となった。

原題:Spain’s Bonds Outperform Italy’s Even as a Third Election Looms(抜粋)

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