債券上昇、オペ結果強めで超長期債中心に買い-日銀政策には不透明感

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  • 先物は30銭高の151円48銭で終了、長期金利マイナス0.06%まで低下
  • オペの結果受けて午後に買いの勢いが出ている-パインブリッジ

債券相場は上昇。前日の米国債相場反発や円高進行に加えて、日本銀行が実施した長期国債買い入れオペが強い結果となったことを受けて、超長期ゾーンを中心に買いが優勢となった。

  7日の長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比20銭高の151円38銭で取引を開始し、いったん151円30銭まで伸び悩んだ。午後に入ると、日銀買いオペ結果を受けて水準を切り上げ、一時は151円50銭まで上昇した。結局は30銭高の151円48銭と、この日の高値圏で引けた。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「昨日の30年債入札が強い結果に終わったことで、超長期債利回り上昇に対する懸念が和らいだことから、スティープニングの反動が出ている」と話した。ただ、「ここから一本調子でフラット化が進むかというと、20年債入札を控えているほか、日銀決定会合を受けてイールドカーブがスティープニングするリスクもあり、可能性は小さい。30年債利回りは0.5%を目線にすでに0.4%前半に低下している」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.035%で始まり、その後はマイナス0.06%まで下げた。新発5年物の128回債利回りは2bp低いマイナス0.175%を付けている。

  超長期債が大幅高。新発20年物の157回債利回りは6bp低い0.35%、新発30年物の52回債利回りは8bp低い0.41%まで買われた。新発40年物の9回債利回りは6.5bp低い0.505%と1日以来の水準まで下げた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「円高進行で日銀の追加金融政策への思惑と、長期国債買い入れオペの結果が強かったことを受けて、午後に買いの勢いが出ている」と話した。「オペでは、昨日入札があった30年債を含む超長期ゾーンが思ったよりも札が入っていなかった。最終投資家から30年債利回りの0.5%台で買いが入ったとの見方を裏付ける結果となった」と説明した。

  日銀が実施した長期国債買い入れオペ結果(総額7500億円)によると、残存期間「10年超25年以下」と「25年超」の応札倍率が前回から低下した一方、「5年超10年以下」は上昇した。

  6日の米国債相場は上昇。米10年物国債利回りは前営業日終値比7bp低下の1.53%で引けた。米供給管理委員会(ISM)が発表した8月の非製造業景況指数が、6年半ぶりの低水準となったことを背景に買いが優勢だった。この日の外国為替市場ではドル・円相場が一時1ドル=101円台前半までドル安・円高が進んだ。

総括的な検証

  日銀が20、21日の金融政策決定会合で実施する「総括的な検証」で、統一見解の取りまとめに難航していることが分かった、と産経新聞が報じた。9人の政策委員が、マイナス金利を政策の柱に据える「マイナス金利支持派」、国債購入の量を重視する「リフレ派」、追加の金融緩和をけん制する「追加緩和反対派」-のおおむね三つに割れているためとしている。

日銀本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは、「7月以前の一般的な認識としては、黒田東彦総裁がリードする金融緩和推進派が、今年前半に行われた複数の審議委員交代とともに圧倒的多数となり、政策決定プロセスが一段とシンプルになったというもの」だと指摘。

 しかし、「新たに発生した分裂の構図が、7月の会合後1カ月半を経てもまだ解消しないということであれば、日銀の政策決定に対する不透明感は従来になく強まっていくと予想せざるを得ない」と、森田氏は言う。  

  野村証券の金子泰啓リサーチアナリストは、「実際に検証の結果が出るまでは分からない。不透明感を強める要因になる」と述べた。

  クレディ・アグリコル証券の尾形和彦チーフエコノミストは、「マイナス金利派とリフレ派、緩和反対派に分かれているとのことだが、全体としては新しい話ではない」と指摘。「分け方にも違和感がある。そもそも9月会合については、企画局がどのような検証を行い、どんな結論に至るのかがポイントで、そこについては情報が出ていない」と話した。

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