ドルLIBOR上昇が人民元相場にまで波紋、中国企業に債務返済促す

  • 借り入れコスト上昇が中国企業にドル建て債務の返済促す
  • ドルLIBORは7年ぶりの高水準に上昇

ドル建てのロンドン銀行間取引金利(LIBOR)も、中国人民元に影響を与えるリスクに加えよう。

  ドルLIBORが7年ぶりの高水準に急上昇したため、中国企業の5850億ドル(約61兆円)に上るドル建て債務の履行コストは高まっている。こうした状況は、企業に海外ローンの返済を促し、元相場への下押し圧力を強めている。

  LIBOR上昇の背景には、マネーマーケットファンド(MMF)改革による短期債の需要減少がある。トレーダーの間では年内の米利上げ確率は5割以上と見込まれており、ドルLIBORは高止まりする公算が大きい。ブルームバーグが集計したアナリスト予想中央値によれば、2016年末の3カ月物ドルLIBORは0.85%、17年末は1.38%と見込まれている。2日時点のレートは0.84%だった。

  中信証券(CITIC証券)の債券調査責任者、明明氏は「中国企業のドル建て債務は大部分がLIBORをベースにしているため、LIBORが上昇すると為替相場の圧力が高まる」と指摘した。同氏は中国人民銀行(中央銀行)の金融政策部門に勤務した経歴を持つ。

  中国が昨年8月に元の実質切り下げを実施して以来、海外債務の返済が元安の主な要因の1つとなっている。中信証券の明氏によれば、元相場はLIBORとの相関の方が中国の同種のレートとの相関よりも高い。ブルームバーグの集計データでは、中国の外貨建て債務の約84%はドル建て。

  クレディ・スイス・グループのプライベートバンキング・ウェルスマネジメント部門の外為シニアストラテジスト、クーン・ハウ・ヘン氏(シンガポール在勤)は、「ドルLIBORの上昇を受け、中国企業は従来の借り入れを返済しようとしており、それがドル高・元安につながっている」と分析。「LIBORがさらに上昇するリスクはまだ残っているだろう」との見方を示した。
  

原題:Libor Surge Reverberates All the Way to China’s Currency Market(抜粋)

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