超長期債が上昇、30年入札順調で買い-市場のムード変わったとの声も

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  • 弱気から中立~若干強気へとセンチメントが変化-モルガンMUFG
  • 30年債入札結果:最低落札価格は予想を上回る、応札倍率上昇

債券市場では30年ゾーンなど超長期債相場が上昇。この日実施の30年債入札が順調な結果となったことで、いったん買い安心感が広がった。半面、今後も超長期ゾーンの入札が続くことから相場の上値は限定的だった。

  6日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.01%で開始し、その後はマイナス0.025%に戻した。新発20年物の157回債利回りは2.5bp高い0.43%で開始したが、午後に入ると0.395%まで低下し、その後は0.41%を付けている。30年物の51回債利回りは1bp高い0.53%で始まり、0.535%まで上昇後、入札後に0.485%まで低下し、その後は0.50%を付けている。

  BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「前場に先回り的な買いが入ったことで、市場のムードが変わり、30年債入札は順調になった」と説明。「7月からイールドカーブのスティープニングが進んできたことで、カーブ的にも水準的にも良いところに来たということなのだろう」と話した。ただ、「日銀が最終的にどういった決定を行うかが不透明な中で、しばらくは相場はボラタイルな状況が続きそうだ」と述べた。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比3銭安の151円15銭で取引を開始した。午後に入ると、30年債入札結果を好感して水準を切り上げ、2銭高の151円20銭まで上昇した。再び水準を下げ、21銭安の150円97銭を付けたが、終了にかけて戻し、横ばいの151円18銭で引けた。

  モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一債券ストラテジスト は、30年債入札について、「結果は全体的に強い印象。投資家の応札が入ったと思う。高めのところで買い戻しもあったようだ。ショートカバーも予想した以上にあった感じ」と説明した。「市場は弱気から、中立ないしは若干強気へとセンチメントが変化している」と話した。

  財務省が発表した表面利率0.5%の30年利付国債(52回債)の入札結果によると、最低落札価格は99円80銭と予想中央値を10銭上回った。小さければ好調さを示すテール(最低と平均落札価格の差)は18銭と前回の21銭から縮小。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.13倍と前回の3.07倍から上昇した。平均落札利回り0.500%、最高落札利回り0.507%と、いずれも3月以来の高水準となった。

  日本相互証券によると、新発30年物の52回債利回りは0.51%で開始後、いったん0.48%まで買い進まれた。その後は0.495%と、平均落札利回りの0.50%をやや下回った水準で取引されている。

スティープ化圧力

  前日の国内債市場では超長期債の下落が続いた。日銀が20、21日の金融政策決定会合で行う政策の「総括的検証」に合わせて、国債買い入れ額を柔軟化して、減らすとの観測が根強い。マイナス金利政策導入後、利回り曲線が過度に平たん化したことを日銀が修正するとの見方から、超長期債の売りにつながっている。

  今月は30年債入札のほか、20年債や40年債、流動性供給入札と超長期ゾーンの供給が続くため、利回り曲線にスティープ(傾斜)化圧力が掛かりやすい。

  BNPパリバ証の藤木氏は、「日銀の総括的評価を意識したスティープニングが進んだものの、最終的には発行と買い入れのバランスで相場が決まる中でいったんスティープニングが一服している形」と指摘。「30年債利回りで0.5%という目安ができたことや、10年債利回りのゼロ%という目安が確認されつつある中で、来週の20年債入札についても何となく水準感的なものが出始めている」と言う。

  日銀の黒田東彦総裁は5日の講演で、20、21の両日開く金融政策決定会合でまとめる総括的な検証について、「市場の一部で言われているような緩和の縮小という方向の議論ではない」と述べた。量、質、金利の各次元での拡大は「まだ十分可能だ」と述べるとともに、「それ以外のアイデアも議論の俎上(そじょう)から外すべきではない」と語った。

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