【今週の債券】長期金利低下か、日銀総裁講演で緩和姿勢示すとの見方

  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.08%~プラス0.03%
  • 日銀緩和姿勢が確認されれば超長期金利上昇に歯止め掛かる-岡三証

今週の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。日本銀行の黒田東彦総裁が講演で、追加緩和余地が十分あるとの見解を、先週に引き続いき述べるとの見方が背景にある。
  
  ブルームバーグが前週末に市場参加者5人から聞いた新発10年物国債利回りの予想レンジは全体でマイナス0.08%~プラス0.03%。日銀の黒田総裁は5日、中曽宏副総裁は8日に講演を行う予定。前週は日銀が今月の金融政策決定会合で実施する政策の「総括的な検証」をめぐる不透明感から、10年債利回りはマイナス0.02%まで水準を切り上げた。
 
  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、日銀総裁の講演が注目されると指摘。「先月のジャクソンホールでの講演と変わらず、特に新しいことは出てこないと考えている。すなわち、三次元緩和に限界がないことや金利低下のポジティブな効果を強調するものとなりそうだ」とし、相場は戻りを試す展開になる」と予想している。

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予想レンジと相場見通し

*T
◎BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジスト
先物9月物=150円50銭-151円60銭
10年物国債利回り=マイナス0.07%~プラス0.03%
  「今週は30年債入札が最大のイベントとみている。10年債利回りでゼロ%辺りは通常なら抵抗がある水準だが、30年債入札が弱くて投げが出たりすると、10年債利回りが一時的にプラス圏に出ることもあり得る。14日と16日には超長期ゾーンの日銀国債買い入れオペが入るだろうから、週後半には市場も落ち着いてくるのではないか。先週末に超長期債が軟調だったのはオペが入らなかったのが主因だ」

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
先物9月物=150円90銭-151円60銭
10年物国債利回り=マイナス0.07%~ゼロ%
  「今週は黒田総裁、中曽副総裁の講演が予定されており、講演での発言内容が注目されようが、物価安定目標の達成にめどが立たない中で、先週の布野審議委員と同様の姿勢が示されるとみている。日銀の金融政策に対する不透明感が続いており、特に超長期国債の軟調な動きが目立っている。しかし、日銀の金融緩和姿勢が確認されれば、超長期国債利回りの上昇にも歯止めが掛かるだろう。投資家の慎重な姿勢から利回りの低下余地は限られるとみられるが、下値不安も小さいと思われる」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物9月物=150円75銭-151円50銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.05%~プラス0.02%
  「長期金利は横ばいからやや低下方向か。先週末はオペなどテクニカル要因などで超長期債利回りが急上昇したが、はっきりしない材料での上昇は続かない。ただ、米利上げ観測が残る中、国内では9月の日銀会合までこれといったイベントがない。いったんゼロ%を上回り、プラス圏に浮上する可能性もありそうだ。プラス金利になると買いが強くなり、底値の堅さが確認される形となり、結局はマイナス金利に戻ることになりそうだ」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
先物9月物=150円90銭-151円60銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.08%~ゼロ%
  「日銀金融政策をどう考えるかが焦点で、黒田総裁講演が注目。先週の10年債と2年債の入札がしっかりだったことから、5年債入札は無難ではないか。日銀がマイナス金利政策をやめないのであれば、現在の水準は低過ぎることはない。30年債入札は投資家の需要次第。金利上昇やテーパリング観測で不安感が出ている。ただ、プラス利回りが残っているゾーンなので、国内投資家がどこで買いを入れるのかが重要になる」

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
先物9月物=150円90銭-151円80銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.08%~ゼロ%
  「日銀の三次元緩和にスポットが当たり、20年ゾーンくらいまでは相場が戻っていく可能性があるとみている。ただ、30年債入札については、日銀の買い入れ方針が不透明感が高いことやスティープニングが進んだ今でも、10年-30年のスプレッドはまだ他の先進国対比でフラットな状況であることを考えると弱い入札になるリスクがある。一方、5年債入札は日銀の追加緩和期待がある中で、相対的にしっかりで無難な結果になるのではないか」
*T

今週の主なイベント

5日黒田東彦日本銀行総裁の講演
6日30年利付国債入札発行予定額8000億円程度
8日中曽宏日銀副総裁の講演
8日5年利付国債入札発行予定額2兆4000億円程度

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