超長期債が下落、30年債入札控えて売り圧力-利回り上昇で実需買いも

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  • 長期金利はマイナス0.01%まで上昇、3月16日以来の水準
  • 30年債入札、実需入ればスティープニング反転も-JPモルガン証

債券市場では超長期債相場が下落。前週末の米国債相場が下落したことや、30年債入札に対する警戒感から売りが優勢となった。半面、長期・超長期債利回りが今年度の最高水準まで達したことで、投資家からの実需買い期待などから取引終盤にかけてやや戻した。

  5日の現物債市場で新発20年物の157回債利回りは午後に入り、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より3.5ベーシスポイント(bp)高い0.43%と3月31日以来の水準まで上昇した。その後は0.405%に戻している。新発30年物の51回債利回りは4bp高い0.545%と3月24日以来の高水準を付け、その後は0.515%まで切り下げた。新発40年物の9回債利回りは3bp高い0.61%と3月17日以来の水準まで売られた後、0.595%での推移となっている。

  長期金利の指標となる新発10年物国債の344回債利回りは0.5bp高いマイナス0.02%で取引を開始。一時マイナス0.01%と3月16日以来の水準まで上昇したが、マイナス0.025%に戻した。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、6日の30年債入札について、「地合いが悪いので警戒感が広がっている」と指摘。ただ、「30年債利回りは0.5%を超えているので保険会社の中でも買いを入れてくる人が増えてもおかしくない」と言い、「生保からの実需が入ればスティープニングはいったん反転する」とみる。 

  長期国債先物市場で中心限月9月物は、前週末比5銭安の151円05銭で取引を開始。いったんプラスに転じた後、150円94銭まで下げた。午後は151円台を回復し、結局は8銭高の151円18銭で終了した。

  黒田日銀総裁は5日昼、都内で開かれた共同通信の「きさらぎ会」で講演し、20、21の両日開く金融政策決定会合でまとめる総括的な検証について、「市場の一部で言われているような緩和の縮小という方向の議論ではない」と述べた。量、質、金利の各次元での拡大は「まだ十分可能だ」と言い、「それ以外のアイデアも議論の俎上(そじょう)から外すべきではない」と語った。

  JPモルガン証の山脇氏は、黒田総裁の発言について、「イールドカーブへの言及はなかった」とし、「全般的に超長期ゾーンの金利を大きく低下させる意思はないと言われていることへの警戒感が残っている」と話した。

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  財務省は6日に30年国債入札を実施する。発行額は前回と同額の8000億円程度。償還日が前回債より3カ月延びて回号が新しくなる。表面利率は前回債の過去最低0.3%から引き上げられる見込み。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「明日の30年債入札に向けて利回り水準の調整は結構進んだが、積極的に買うのは難しいのではないか。割安感から買いを入れたら、周りが付いてこないリスクが警戒されるからだ」と述べた。

  前週末の米国債相場は下落。米10年物国債利回りは前日比4bp上昇の1.60%で引けた。外国為替市場ではドル・円相場が一時1ドル=104円32銭と、7月29日以来の高値を付けた。

  2日に米国で発表された8月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比15万1000人増と、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値18万人増を下回る伸びだった。家計調査に基づく8月の失業率は4.9%で前月と変わらず。市場予想の中央値は4.8%への低下だった。

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