9月2日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル小じっかり、雇用統計は不透明感を残す

2日の外国為替市場のドルは一時の下げを埋めて小じっかり。8月 米雇用統計で金融政策の道筋が明確になると期待していた投資家は、不 透明感を抱えたままレーバーデーの3連休を迎えることになった。

雇用統計の発表を受けて、ドルはいったん下げたが、その後持ち直 した。統計では雇用者の伸びと賃金上昇がいずれも予想を下回った。金 利先物市場では9月利上げの確率が20%に低下した後、32%に戻し た。12月までの利上げ確率は60%。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのアナリス ト、ジョー・マニンボ氏は「雇用統計がドルの見通しを大きく変えなか ったのは、結局12月利上げの線がずっと主流だったからだ」と説明。 「金利をめぐる不透明感は残っている。米当局が利上げに動いたとして も、次々と追加利上げを実施することにはならないだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日から0.1%上昇 の1184.44。ドルは対円でこの2週間で3.7%上昇して103円92銭。対ユ ーロでは同期間に1.5%高い1ユーロ=1.1156ドル。

8月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は15 万1000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は18 万人増だった。平均時給は前月比0.1%増。予想中央値は0.2%の増加だ った。

シリコン・バレー・バンク(カリフォルニア州サンタクララ)の上 級為替トレーダー、ミン・トラン氏は「全体のトレンドは崩れていな い。今後も当局者からタカ派寄りの発言が出てきても驚かない」と話 す。「市場の反応はまず、雇用データが予想より弱いというものだっ た」と述べた。

原題:Currency Traders Get No Clarity on Fed Outlook After Jobs Data(抜粋)

◎米国株:上昇、8月の雇用統計受け9月利上げ観測が後退

2日の米株式相場は上昇。8月の米雇用統計は労働市場の着実な伸 びを示唆した一方、金融当局が利上げを迫られるほど強い内容でもなか った。

雇用統計では雇用者の伸びが市場予想を下回り、9月にも当局が利 上げに動くとの観測が弱まった。これが市場に安心感をもたらし株式相 場は上昇、公益や素材、エネルギー株が最も上げた。原油相場は5日ぶ り反発。先物市場に織り込まれる9月の利上げ確率は一時20%にまで低 下し、その後は統計発表前の水準に戻した。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の2179.98。ダウ工業株30種 平均は72.66ドル(0.4%)上げて18491.96ドル。ナスダック総合指数 も0.4%上げた。5日の米株式市場は、レーバーデーの祝日で休場とな る。

チャールズ・シュワブのチーフグローバル投資ストラテジスト、ジ ェフリー・クライントップ氏は「9月に利上げがあるかどうかという点 で、今回の雇用統計は重要だ。ISM製造業指数と合わせて考えると、 9月利上げは選択肢から外れる」と分析。「きょうの相場の動きは、利 上げが先送りされるという安堵感が関連している可能性が高い。ISM が弱かったことから、9月の利上げ決行を心配する投資家もいただろ う」と続けた。

米労働省が2日発表した雇用統計によると、8月の非農業部門雇用 者数(事業所調査、季節調整済み)は15万1000人増。ブルームバーグが まとめたエコノミスト予想の中央値は18万人増だった。前月は27万5000 人増に上方修正された。失業率および労働参加率は前月比横ばいで、賃 金の伸びは鈍化した。

リッチモンド連銀のラッカー総裁は、8月の米雇用統計から受け取 れるメッセージは「労働市場は引き締まり続けている」ということだと 指摘。雇用統計は「適度に力強い」と述べた。

雇用者数の伸びが予想を下回ったことで、一部では追加利上げを先 送りする十分な根拠になると捉えられたものの、トレーダーの見方はま だ固まってはいない。金利先物市場に織り込まれる9月会合での利上げ の確率は32%となっている。12月の確率は60%だ。

ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は「今 回の雇用統計が9月の利上げ確率を低下させたことに疑いの余地はない が、9月が選択肢から完全に外れたとはいえないだろう」と指摘。「為 替および信用市場は9月利上げの可能性をまだ排除していないようだ」 と続けた。

この日S&P500種の業種別10指数では、公益とエネルギー、素 材、生活必需品が特に上げた。

原題:U.S. Stocks Advance Amid Steady But Slower Gain in August Hiring(抜粋)

◎米国債:利上げ予想割れる、グロース氏は9月にほぼ確実

ビル・グロース氏は8月の米雇用統計で今月の米利上げがほぼ確実 になったとの見方を示した。一方、米パシフィック・インベストメン ト・マネジメント(PIMCO)は9月は見送りと予想した。債券トレ ーダーは見方を決めかねている。

米ジャナス・キャピタル・グループでジャナス・グローバル・アン コンストレインド・ボンド・ファンドを運用するグロース氏はブルーム バーグラジオとのインタビューで、「9月になるだろう。100%確実だ とは思わないが、100%に近いと思う」と発言。「このような類いの雇 用が決め手にならないのであれば、何が決め手になるのかあまり確信が ない」と述べた。

一方、PIMCOの米国コア戦略担当最高投資責任者(CIO)で マネジングディレクターのスコット・マザー氏はブルームバーグラジオ とのインタビューで、「全体的にやや弱い統計なため、9月の可能性は 非常に低いとしていた当社の見方は変わらない」と指摘。「ただ、もち ろん今回の統計を受けて12月の可能性はずっと高まる」と話した。

米労働省が発表した雇用統計によると、8月の非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は15万1000人増。ブルームバーグがまと めたエコノミスト予想の中央値は18万人増だった。前月は27万5000人増 に上方修正(速報値25万5000人増)された。

ブルームバーグがまとめた先物市場動向によれば、9月の利上げは 約32%が織り込まれている。雇用統計発表前は36%だった。

ジャン・ハッチウス氏らゴールドマン・サックス・グループのエコ ノミストらは9月利上げの見方を強めている。同氏らは今月利上げされ る確率を55%織り込んでいる。従来予想では40%だった。8月の雇用統 計は連邦公開市場委員会(FOMC)当局者の大半が9月利上げを支持 するのに「辛うじて足りる」内容だと、同氏らはリポートで述べた。

独アリアンツの主任経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏は ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「米金融政策当局は難 しい立場に置かれるだろう」と述べ、「長引く低金利がもたらす意図せ ざる影響や巻き添えを当局がどの程度懸念しているのか、という根本的 な問題に行き着くだろう。彼らが私と同じように懸念しているならば、 8月の雇用統計は利上げへの青信号となるだろう。そうでなければ待つ だろう」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、2年債利回りはほぼ変わらず0.79%。

原題:Gross Says September Rate Hike a Go as Pimco Warns Not So Fast(抜粋)

◎NY金:続伸、米雇用伸び減速で利上げ見通しが後退

2日のニューヨーク金先物相場は続伸。米雇用統計が市場予想を下 回ったことから、逃避先としての金の妙味が高まった。金は週間ベース では下落した。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジス ト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「トレーダーらは 金を買い上げている。雇用統計が年内2回の利上げを正当化するほど強 くはないと考えためだ」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日 比0.7%高の1オンス=1326.70ドルで終了。

銀先物12月限は前日比2.2%上げて19.366ドル。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムも 値上がりした。

原題:Gold Jumps as U.S. Jobs Disappointment Dims Tightening Prospects(抜粋)

◎NY原油:大幅反発、ロシア大統領がOPEC合意に前向き

2日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅反発。ロシアのプーチン大統領は 石油輸出国機構(OPEC)とロシアが原油の増産凍結協議で合意に達 することを望むと述べ、イランの参加をめぐる意見の相違が解消される との見通しを示した。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニア市場アナ リスト、フィル・フリン氏は「増産凍結で合意する確率が高まっている 強いサインがまた出された」と指摘。「主要な産油国の立場が一致して いるようなので、合意はかなり近いように感じられる」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日 比1.28ドル(2.97%)高い1バレル=44.44ドルで終了。週間では6.7% の値下がり。ロンドンICEのブレント11月限は1.38ドル(3%)上昇 の46.83ドル。

原題:Oil Halts Four-Day Slide as Putin Presses for OPEC Freeze Deal(抜粋)

◎欧州株:ストックス600、4月以来の高値-米雇用統計を好感

2日の欧州株式相場は大幅上昇し、指標のストックス欧州600指数 は4月以来の高値を付けた。経済指標で米国の雇用市場の安定が示さ れ、買い優勢となった。

ストックス600指数は前日比2%高の350.44で終了。これは6月29 日以来の大きな値上がり。雇用統計によれば、米国の雇用者数は8月 に15万1000人増加し、市場予想を下回った。前月は27万5000人増に上方 修正された。失業率は4.9%にどどまった。同統計を受けて、ストック ス600は上げ幅を広げた。週間ベースでも2%高で、7月以来の大きな 上げとなった。

米当局が9月にも利上げに踏み切るとの観測は後退し、欧州では幅 広い銘柄が買われた。ストックス600指数の業種別指数は全てプラスと なり、西欧市場の全ての主要株価指数も上げた。

MPPM(独エップシュタイン)のギレルモ・ヘルナンデス・サン ペレ氏は「私のような強気筋がしっぺ返しを受けた」とし、「米当局は 何もしないだろう。統計は大きく落ち込むと確信していた神経質な投資 家を落ち着かせるのに十分良好だった」と発言。「短期投資家にとって 米金融市場の3連休は長期のため、連休前に空売り筋はポジションを解 消する必要があった」と付け加えた。

この日は消費関連銘柄と公益事業株の上げが目立った。ドイツの RWEと英蘭系ユニリーバが高騰。製薬銘柄は6月以来の安値まで下げ た後、反発した。商品高を背景に鉱業株が上げたほか、エネルギー銘柄 は2カ月ぶり大幅高となった。銀行株は週間ベースで6.1%高と、7月 以来の大幅上昇を記録した。

原題:Europe Stocks Surge to Highest Since April After U.S. Jobs Data(抜粋)

◎欧州債:スペイン債、週間ベースで下落-政治混乱への懸念で

2日の欧州債市場では週間ベースでスペイン国債が今年最大の下げ を記録した。同国政治の行き詰まり感から売りが優勢となった。

スペイン下院では今夜、続投を狙うラホイ暫定首相に対する2回目 の信任投票が行われる。ブルームバーグ・スペイン国債指数は前日まで の4営業日で0.9%低下。これは週間ベースとしては昨年12月4日以来 の大きな下げとなる。

ラホイ暫定首相の信任投票は再び否決されると大方みられている。 その場合、1年間で3回目となる総選挙が12月に行われる事態へと近づ く。スペイン国債は信任投票に至るまで、景気拡大と欧州中央銀行 (ECB)の国債購入、ラホイ暫定首相が他政党と提携したことを受 け、週間ベースで過去6週間のうち5回上げていた。

DZバンク(フランクフルト)の金利・デリバティブ(金融派生商 品)アナリスト、レネ・アルブレヒト氏は「政局が静かだった中でスペ イン国債は買われていた。成果を出さなければならない場面でしくじっ た」とし、「これで慌てた投資家が利益を確定させている」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、スペイン10年債利回りは前日比3ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.03%。前週末比での上 げ幅は8bpに縮まったものの、6月17日終了週以来の大きな上げとな った。同国債(表面利率1.95%、2026年4月償還)価格はこの 日、0.255上げ108.415。

原題:Spanish Bonds’ Worst Week Since June Shows Concern on Politics(抜粋)

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