【日本株週間展望】輸出中心続伸、3カ月ぶり1万7000円回復 (訂正)

訂正済み
  • 年内の米利上げ確率が上昇、日本株に新規マネー流入も
  • 日銀総裁講演やECB総裁会見、米アップルイベントに注目

9月1週(5ー9日)の日本株は続伸し、日経平均株価は6月1日以来、約3カ月ぶりに1万7000円を回復しそうだ。米国の年内利上げ観測が広がりを見せ、為替はドル高・円安傾向となっている。輸出株が買われやすく、日本銀行の金融政策に対する期待もあり、金融株の上昇も続く。

  堅調な景気指標、連邦準備制度理事会(FRB)高官の米経済に対する自信などを受け、金利先物市場が織り込む2016年末までの米利上げ確率は足元で上昇、1日時点で59.8%となっている。1カ月前は35.7%だった。8月下旬には一時1ドル=99円台を付けていたドル・円相場は、1日には104円台までドル高・円安が進行。藍澤証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャーは、「米金融緩和の縮小、為替のドル高・円安を受け、出遅れ感のある日本株には銘柄入れ替えではない新しい資金も入ってくる」との見方を示す。

  第1週は、5日に日本銀行の黒田東彦総裁、7日にイングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁がそれぞれ講演を行い、8日には欧州中央銀行(ECB)が定例理事会を開催、ドラギ総裁が会見する。また、米国では7日に地区連銀報告(ベージュブック)が公表予定で、要人発言や足元の米景気判断を受けた為替の推移には留意が必要だ。このほか、米アップルが7日に開くイベントでは新型iPhone(アイフォーン)が発表される可能性があり、村田製作所など電子部品株の動向は注視される。9日は先物・オプション9月限の特別清算値(SQ)算出となる。

  8月5週の日経平均株価は3.5%高の1万6925円68銭と3週ぶりに反発。為替市場でドル高・円安が進み、輸出セクターを中心に企業業績の先行き懸念が後退した。東証1部33業種は全て上げ、上昇率上位には輸送用機器や海運、鉄鋼など円安恩恵セクターに加え、国内外の金利上昇観測や海外金融株の堅調な値動きを材料に銀行や証券、保険、その他金融など金融株が並んだ。

≪市場関係者の見方≫
ちばぎんアセットマネジメント運用部の加藤浩史部長
  「日米の金融政策への期待を背景に、投資家のリスク許容度が上がっていく。景気堅調で年内の米利上げ観測が残存、ドル高・円安傾向が日本株にポジティブに働く。20ー21日の日銀会合では、超長期債の買い入れを絞るなどの施策が打たれる可能性があり、長短スプレッド拡大でインフレ期待が高まりやすい。イールドカーブのスティープ化は銀行収益の改善をもたらすため、メガバンクやノンバンク株の上昇が継続しそうだ。ASEAN経済は製造業PMIが改善し、上向き始めた。建設機械、鉄鋼や化学などの素材株も上げる」

藍澤証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャー
  「FRB内で経済過熱を心配する声も出ており、米実体経済は堅調。9月利上げの可能性を排除すべきではない。米金融緩和の縮小、為替のドル高・円安により銘柄入れ替えではなく、新規資金が入る可能性があり、日本株の出遅れ修正機運が広がる。米金利上昇で収益に好影響が及ぶ金融株は、相対的にアウトパフォームする見込み。日経平均に対するTOPIXのパフォーマンスが足元で改善、需給面から大型株が強含む動きが出ており、コア30指数構成銘柄に注目する」

三菱UFJ国際投信の向吉善秀シニアエコノミスト
  「物価が落ち着いていることやISM製造業景況指数の悪化から、FRBはもう少し経済指標を確認したいとの認識になろう。ドルは年内利上げを織り込みながら次第に強含むとみられ、極端な円高リスクは薄れた。今期5-6%程度の増益を想定すると、日経平均は現在の14倍前半のPERに割安感があり、1万7000円台での推移が見込まれる」

(2日配信の記事中、PER数値など向吉氏の発言部分について訂正します.)
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