TOPIXが3日続伸、米利上げ観測後退で内需見直し-輸出軟調重し

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  • ISM製造業統計さえず、債券代替銘柄に見直し買い
  • 米雇用統計控え指数の方向性定まらず、売買も低調

2日の東京株式相場は、TOPIXが3日続伸。米国の早期利上げ観測が後退する中、食料品や陸運、情報・通信、電気・ガス株といった内需・ディフェンシブセクターが見直された。保険や証券株も高い。

  半面、製造業指数や自動車販売の低調で米国景気に対する不透明感が広がり、電機や精密機器、機械など輸出株は下落。ガラス・土石製品や鉄鋼など素材株、海外原油市況の大幅続落が嫌気された鉱業株も軟調で、相場全般の上値を抑えた。

  TOPIXの終値は前日比3.38ポイント(0.3%)高の1340.76。日経平均株価は1円16銭(0.01%)安の1万6925円68銭と、小幅ながら3日ぶりに反落。

  三菱UFJ国際投信・経済調査部の向吉善秀シニアエコノミストは、「米国は雇用は強いが、それが生産に結びついているわけではない。物価が落ち着いているため、慌てて利上げする必要はない」と指摘。雇用統計後に為替が円高に振れる可能性もあり、「事前にポジションを傾けることができないため、きょうの日本株はちょっとした調整」と話した。

東証

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  米供給管理協会(ISM)が1日に発表した8月の製造業総合景況指数は49.4と前月の52.6から低下し、活動の拡大と縮小の境目を示す50を割り込んだ。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の最低値よりも悪い。

  また、調査会社オートデータによる8月の米自動車販売は、年率換算で1700万台と市場予想の1720万台に届かなかった。トヨタ自動車が5%減、日産自動車は6.5%減、ホンダは3.8%減など日本勢の販売も減少した。

  1日の海外為替市場でドル・円相場は1ドル=104円と7月29日以来のドル高・円安水準に振れたものの、ISM統計の発表後に円安の勢いは一服。きょうは103円台前半までドルが押し戻された。米国時間2日に発表される8月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は18万人増が見込まれている。8月の雇用者数は悪い内容となることが多く、ブルームバーグのデータによると、1996年以降の19回の雇用統計中、15回で雇用者数がエコノミスト予想を下回った。

  みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は、「ISMの新規受注の落ち込みは大きく、米設備投資が底入れするかどうかの端境期にある」と言う。米雇用統計では、非農業部門雇用者数の増加が20万人程度を維持できれば、利上げできない水準ではないが、「ドル高状況もあり、それだけで拙速に利上げするだろうかという部分もある」としている。

  米政策金利の軌道が見極めにくくなったとして、1日の米国債は上昇(金利は低下)。先物市場が織り込む9月の米利上げ確率は34%へ小幅に低下した。きょうの日本の内需・ディフェンシブ業種の上げについて、松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「債券代替という位置付けのディフェンシブ株は早期利上げ観測から売られていたが、観測後退で戻す動き」とみる。

  もっとも、TOPIXも前日比プラスとマイナスを繰り返すなど明確な方向性は見えづらく、日経平均も7、8月の日中高値を上抜けた後、上値は重かった。東証1部の売買高は16億4463万株、売買代金は1兆8674億円と双方とも連日の減少、売買高は前日から1割以上減った。値上がり銘柄数の854に対し、値下がりが945と多い。

  • 東証1部33業種は保険、電気・ガス、証券・商品先物取引、石油・石炭製品、その他金融、食料品、陸運、情報・通信など19業種が上昇。精密機器やガラス・土石製品、パルプ・紙、金属製品、鉱業、電機、機械など14業種は下落。鉱業は、米在庫の積み上がりから1日のニューヨーク原油先物が3.5%安と大幅続落したことが響いた。

  • 売買代金上位では、メリルリンチ日本証券が3DSラインアップは想定以上に充実と評価した任天堂が上昇し、売買代金首位。東京電力ホールディングスやNTT、第一生命保険、東京海上ホールディングス、川崎重工業、中外製薬も高い。ファミリーマートや村田製作所、アルプス電気、HOYA、ミネベア、SUMCOは安い。
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