逃げ込む場所は現金しかない-現金保有50%のノルウェー・ファンド

  • 株式と債券の負の相関性壊れ、連動始まる
  • 「世界全体が誤ったポジション」-アンダースランド氏

史上最大の金融緩和で押し上げられた債券や株式市場から身を守るには、現金保有こそが最善策だ。これは16億ドル(約1660億円)を運用するノルウェーのヘッジファンド会社、セクター・アセット・マネジメントの見方だ。同社のファンドの1つでは、現金の比率が50%にも及ぶ。

  創業者のピーター・アンダースランド氏(55)は8月30日、オスロ・フィヨルドを見渡す同氏のオフィスでインタビューに応じ、「利上げが誘発する株式と債券の相関性が、現在の資本市場で最大のリスクだ。地政学的なリスクやトランプ氏当選ではない」と述べた。

  マイナス金利や量的緩和など中央銀行が導入した大規模な刺激策で、市場はますます機能不全の様相を深めている。株式と債券の負の相関性も壊れ、いまやほぼ同じ方向に動く。市場が中央銀行の政策によって動くようになったためだが、投資家にとっては逃げ込む場所がなくなったことを意味する。

  アンダースランド氏は「債券に少し、株式に少し、というように普通は分散投資でリスクを管理しようと考える」とした上で、「だがこの2つの相関性が高まれば、分散投資に基づいたリスク管理は役に立たない」と指摘した。

  国や業界、株式のトレンドに投資するセクター社では相関性の高まりに対し、デュレーションの短縮や、ボラティリティ(変動性)上昇時に利益を得られるような投資で資金の保全を図っている。アンダースランド氏によるとこれを実行するために現金の保有を膨らませ、株式を空売りし、割安なプット・オプションを購入しているという。

  同氏は「世界全体が誤ったポジションをとっている。不動産や株式、債券などすべての共通分母は長いデュレーションだ。いまやあらゆるものが金利にはるかに影響されやすくなった」と語った。

  同氏は国際マルチストラテジーファンドのセクター・ポラリスのほか、同社傘下の11のファンドのうち2つの国際株式ファンドを運用する。絶対収益を目指すポラリスは2006年の開始から今年7月までのリターンが50%と、MSCIワールド指数の81%を下回る。だがボラティリティはMSCI指数の16.7%に対し、ポラリスは5.4%でしかなかった。ポラリスは運用資産の約50%を現金で保有している。

  「リスクとは考えもしないことであり、それを見積もることはできない。個人的な分析では、世界の株式はあと5-10%の上値余地があるが、下値の余地は40-60%だ。従って、極めて偏っている」とアンダースランド氏は続けた。
  

原題:Cash Is This Hedge Fund’s Refuge With Whole World in Wrong Place(抜粋)

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