債券相場は下落。不安定な推移が続いている超長期債を中心に売り圧力が強まり、相場全体を押し下げた。一方、この日実施の10年債入札では最低落札価格が予想を上回ったものの、結果を好感した買いは一時的にとどまった。

  1日の長期国債先物市場で中心限月の9月物は、前日比3銭安の151円38銭で取引を開始し、一時151円27銭まで下げた。午後0時45分の10年入札結果発表後には横ばいの151円41銭まで戻したが、再び水準を切り下げ、151円18銭まで下落。結局は15銭安の151円26銭で引けた。

  現物債市場で長期金利の指標となる10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.065%で開始。入札結果発表直後にはマイナス0.07%まで戻した後、再び水準を切り上げ、マイナス0.055%と3日ぶり高水準を付けた。その後はマイナス0.06%で取引されている。

  新発20年物の157回債利回りは一時3bp高い0.36%と、新発債として4月25日以来の水準まで売られた。新発30年物の51回債利回りは3bp高い0.445%、新発40年物の9回債利回りは2.5bp高い0.51%と、ともに8月10日以来の高水準を付けた。

  みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジストは、「超長期債の売りには何か特別なきっかけがあったわけではないが、日銀の『検証』に関して一番リスクが高いのが超長期ゾーンだ」と指摘。「残存10年まではマイナス金利政策の撤廃さえなければ、利回りが上昇しても高がしれているが、超長期債には何が起こるか分からない」と話した。

  財務省が発表した表面利率0.1%の10年利付国債(344回債)の入札結果によると、最低落札価格は101円45銭と予想中央値を3銭上回った。小さければ好調さを示すテール(最低と平均落札価格の差)は2銭と前回の27銭から大幅縮小。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.74倍と前回の3.16倍から上昇した。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「10年債入札結果は順調だった。最低落札価格は予想を上回ったし、応札倍率も上昇した。外債を取り巻く環境が良くないことが背景としてあろう」と指摘。「米雇用統計を控えているが、償還が3カ月延びるので新発債利回りが上昇するほか、9月中間決算を控えて、国債償還資金など投資資金が流入しやすかったと思う」と話した。

スティープ化

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「前日の布野幸利審議委員の発言も含めて、金融緩和の後退・縮小はないとの見方から、どんどん利回りが上がることはないだろう」と話した。ただ、「マイナス金利を深掘りするなら量の調整をするなど、ミックスな政策もあり得るということをみんな警戒しているのではないか。その流れが超長期ゾーンに出ている。来週は30年入札もある。今はとにかく上値は買わないということ。警戒感からスティープ化傾向は続くだろう」と述べた。

8月31日の布野日銀審議委員の会見記事はこちらをクリック下さい。

  SBI証の道家氏は、「超長期債が最近弱いのは、円安やヘリマネ懸念から海外勢が売っているためだろう」と指摘。ただ、「資金を海外に向けてはいない。長い年限を売って、短い年限へ短期化していると思う」と話した。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「先物自体は追加緩和観測によって支えられている。だがそれは超長期債には当てはまらず、独自に需要を引き出す金利水準を模索しなければならない」と指摘した。

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