コンテンツにスキップする

運用成績世界一の株式ファンド:買いチャンスの銘柄が足りない

更新日時
  • ブラックロックのインド合弁会社のファンド、3年でリターン275%
  • 割安株不足で顧客資金流入を抑制する異例の措置

運用成績世界一の株式ファンドが成功のマイナス面を目の当たりにしている。

  3年で275%のリターンを記録し、5億ドル(約515億円)以上の運用資産を持つ株式ファンドの中で最高となった「DSPブラックロック・マイクロ・キャップ・ファンド」のマネジャーらは、インド小型株の隙間市場で割安株が消えつつあると指摘する。インドの小型株指数が今月過去最高値に達した中、割安株不足が深刻化し、顧客資金の流入を抑制するという異例の措置に踏み切った。

資産も増えれば問題も増加

  資金流入抑制は、世界のアクティブ運用マネジャーが解約阻止に苦戦する現状ではほとんど例を見ない動きだ。モディ政権下でインド経済は回復しており、世界屈指の高成長から中小企業が恩恵を受けていることにほとんど異論は出ないものの、急ピッチな株価上昇は行き過ぎとDSPブラックロックなどは指摘している。

Indian Prime Minister Narendra Modi Speaks At The Bloomberg India Economic Forum 2016

インドのモディ首相

Photographer: Dhiraj Singh/Bloomberg

  ムンバイを本拠とするDSPブラックロックでマイクロ・キャップ・ファンドの共同マネジャーを務めるビニト・サンブル氏は、「今のバリュエーションは居心地が良くない。適切な規模のポジションを築く力が制限される」と指摘。「目先の好ましい展開の大部分がバリュエーションに反映されている」と付け加えた。DSPブラックロックは世界最大の資産運用会社ブラックロックとインドのDSPグループの合弁会社。

  過去3年で運用資産が11倍に拡大したマイクロ・キャップ・ファンドは新規購入の抑制を狙い、8月10日から1日当たりの資金流入上限を投資家1人につき10万ルピー(15万円)と、従来の20万ルピーから引き締めた。

  小型株はインドの主要資産クラスで最高の投資パフォーマンスを記録しているため、近年は特に需要が旺盛。小型株指数はモディ氏がインド人民党(BJP)の首相候補に指名された2013年9月以来、121%上昇した。これに対し、主要株価指標のS&P・BSEセンセックスは43%高にとどまっている。

  インドの中小企業は大企業に比べて国内経済成長の影響を受けやすい。サンダラム・アセット・マネジメントの株式責任者クリシュナクマール・スリニバサン氏は、所得水準の向上などを背景に新製品・サービスの需要が押し上げられ、「こうした分野の中小企業の多くには大きな潜在成長力がある」と指摘する。

  期待がこれほど高いと株価は割安にはならない。S&P・BSE小型株指数の株価純資産倍率(PBR)は2.1倍と、15年8月の短期的な弱気相場の開始時に付けた2.2倍に接近した。ブルームバーグの集計データによると、S&P・BSE小型株指数は8月に3%上昇し、過去最高値を付けている。

警戒サイン

原題:World’s Top Performing Fund Is Running Out of Good Stocks to Buy(抜粋)

(5段落以降を追加して更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE