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8月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが対円で3月以降最長の続伸、米利上げ観測強まる

30日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で上昇し、3月以 降で最長の5営業日続伸となった。米連邦公開市場委員会(FOMC) が年内に政策金利を引き上げるとの観測が一段と広がっている。

先物市場が織り込む年内利上げの確率は月初の36%から急上昇し、 今では59%。この日のドルは主要通貨の大半に対して上昇した。9月利 上げの確率は月初の2倍に相当する36%に急伸した。市場では9月2日 の雇用統計発表が待たれている。

バンク・オブ・アメリカの外国為替ストラテジスト、カマル・シャ ーマ氏(ロンドン在勤)はブルームバーグテレビジョンとのインタビュ ーで、「ドルには全面的に強い買い気配が見られる」と指摘。その上 で、「9月はイベントリスク満載だ。欧州中央銀行(ECB)や日本銀 行があるし、今週の非農業部門雇用者数の数字も忘れてはならない」と 述べた。

昨年12月に利上げに踏み切った米金融当局がどの程度追加利上げに 積極的なのかをめぐり、市場のセンチメントはここ数週間に揺れ動い た。ドルは今年に入って3.9%下落している。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で1%高い1ドル =102円96銭。対ユーロでは0.4%上昇の1ユーロ=1.1143ドル。主要10 通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数 は0.6%上昇した。

ドル上昇の背景には、米金融当局者からの相次ぐ発言があった。イ エレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、ジャクソンホール での講演で利上げの論拠は強まったと述べた。フィッシャー副議長は30 日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、利上げの決定は データ次第だとあらためて述べたが時期は特定しなかった。

これとは対照的に日銀から出てくる発言は日米の政策差異の拡大を 予想させるものとなり、ドルを対円で押し上げる要因に加わった。日銀 の黒田東彦総裁は27日にジャクソンホールで、追加緩和の余地は十分に あると述べた。

9月2日発表の8月雇用統計では、非農業部門雇用者数の伸びは18 万人と予想されている。7月は25万5000人増加した。トロント・ドミニ オン銀行によれば、ドルが上昇基調を維持するには雇用統計が強い数字 となる必要がある。

通貨戦略の欧州責任者、ネッド・ランペルティン氏(ロンドン在 勤)は「金曜日の雇用統計発表に向けてドルはしっかりした基調を維持 しそうだが、その先も堅調を続けるには統計で一連の強い数字が示され なくてはならない」と述べた。

原題:Dollar on Best Winning Streak Since March on Fed Rate-Hike Bets(抜粋)

◎米国株:下落、S&P500種は月初来の上げほぼ失う-アップル安い

30日の米株式相場は薄商いの中で下落。S&P500種株価指数は月初来 の上げをほぼ失った。アップルが安い。

S&P500種指数は過去最高値付近から下落。欧州連合(EU)の 行政執行機関である欧州委員会は、アイルランドがアップルの税負担を 引き下げたのは違法だとして、アップルに130億ユーロ(約1兆4900億 円)に利息分を上乗せした額の支払いを命じた。

オークブルック・インベストメンツの共同最高投資責任者、ピータ ー・ジャンコブスキス氏は「これはEUとしては前向きな展開ではない が、これを最初の一撃とし、対話を継続させる可能性が高いと見ること ができる」と指摘。また「現在は金融政策待ちの状況だ。9月の連邦公 開市場委員会(FOMC)を見据え、あらゆる新しいデータを分析して いる」と述べた。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の2176.12。ダウ工業株30種 平均は0.3%下げて18454.30ドル。米証券取引所全体の売買高は約56億 株で、3カ月平均を18%下回った。

S&P500種は8月15日に最高値を更新して以降、低調な経済デー タや金融当局者の発言を受けたさまざまな観測で伸び悩んでいる。同指 数の8月これまでの上昇率はわずか0.1%。

チェース・インベストメント・カウンセル(バージニア州シャーロ ッツビル)のピーター・タズ社長は「予想外にニュースとなるようなイ ベントがない限り、向こう数日間の取引は極めて活気に欠けるだろう」 とし、「市場は9月2日発表の雇用統計に焦点を合わせ、政策金利の先 行きについて考えている。雇用統計が過去数カ月のように力強く出れ ば、金融当局に利上げ余地が生まれそうだ。当局は利上げを強く望んで いる」と語った。

今週はあす31日に民間雇用者の統計、9月2日には労働省の雇用統 計の発表があり、市場は双方とも注目している。30日発表された8月の 消費者信頼感指数は約1年ぶり高水準に上昇し、ブルームバーグがまと めたエコノミスト予想を上回った。

この日動きの大きかった銘柄では、アバクロンビー・アンド・フィ ッチが20%安。旗艦店での売り上げ鈍化が決算や業績見通しの重しとな った。ハーシーは11%安。モンデリーズ・インターナショナルが、ハー シー買収に向けた協議を打ち切ったことが手掛かり。ハーシーは、モン デリーズが先に提示した230億ドル規模の買収案を拒否していた。

一方でユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスは8.6% 上昇。同社はアメリカン航空のスコット・カービー前社長を自社の社長 に起用した。

原題:S&P 500’s Monthly Gain in Peril as Apple Slumps; Dollar Climbs(抜粋) 原題:Energy ETF Flows Swell With Risk Embraced in Sideways S&P 500(抜粋)

◎米国債:下げ幅縮小、モルガンSは来月の米利上げ見送りを予測

米国債に強気のモルガン・スタンレーは、米連邦公開市場委員会 (FOMC)が利上げを来月見送るとみている。この見方を修正させる ような当局者発言は、先週のワイオミング州ジャクソンホールでのシン ポジウムでは出なかったという。

30日の米国債は下げ幅を縮小した。モルガン・スタンレーは引き続 き米5年債の買いを助言してる。ただ月間ベースでの5年債は昨年10月 以降で最悪のパフォーマンスとなるもよう。

26日のシンポジウムでイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議 長は、利上げの論拠は「この数カ月で強まった」と発言。金利先物が示 唆する9月20ー21日の次回FOMCでの利上げ確率はその日に42%まで 上がった。先週初めは24%だった。フィッシャーFRB副議長は30日の ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、9月2日発表の米雇 用統計が鍵を握ると示唆した。同副議長は海外の中銀の決定も米国に影 響すると指摘した。

モルガン・スタンレーのストラテジスト、マシュー・ホーンバッ ク、グニート・ディングラ両氏は顧客向けリポートに、「米国債市場に 関してわれわれの見方を揺さぶるような発言はジャクソンホールでなか った」とし、「8月の雇用統計は明らかなリスクとなるものの、われわ れは引き続き、市場が示唆する9月の利上げ確率は100%ではなく、ゼ ロになると確信する」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、5年債利回りは前日比ほぼ変わらずの1.18%。一時は4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上昇する場面もあっ た。10年債利回りは1.57%。

ブルームバーグが集計したデータによると、9月利上げの確率を米 金利先物市場は現在36%と織り込んでいる。欧州連合(EU)離脱を選 択した英国民投票後の6月下旬、同確率はゼロだった。

先週のシンポジウムやそれに先立つ場での米当局者の発言は市場を 二分している。米パシフィック・インベストメント・マネジメント (PIMCO)もイエレン議長のコメントで特筆すべきことはなかった とする一方、ゴールドマン・サックス・グループと三菱UFJセキュリ ティーズ・ホールディングスは9月利上げの確率を高めるほどタカ派的 な内容だったとの見方を示した。

ブルームバーグがまとめた各社予想によれば、モルガン・スタンレ ーは来年3月末時点での10年債利回りは1%に落ち込んでいると予測。 予想中央値は1.8%への上昇だった。10年債利回りは7月6日に過去最 低の1.318%を記録した。

ジャン・ハッチウス氏の26日付リポートによると、ゴールドマンは イエレン議長の発言に基づき、政策金利が来月変更される「主観的確 率」を40%と、従来の30%から引き上げた。MUFGセキュリティーズ アメリカは49.5%としている。

原題:Morgan Stanley Says Forget September as JPMorgan Tips Weak Jobs(抜粋)

◎NY金:反落、フィッシャーFRB副議長発言受け利上げ観測強まる

30日のニューヨーク金先物相場は反落。フィッシャー米連邦準備制 度理事会(FRB)副議長が利上げの道筋は今後のデータ次第だとし、 生産性の伸び加速について楽観的な見方を示したことから、逃避先とし ての金の妙味が薄まった。

TJMインベストメンツの市場戦略マネジングディレクター、マー ティ-・マガイア氏は電話インタビューで、「今朝のフィッシャー副議 長の発言を受けて、私は9月利上げの確率を引き上げた」と指摘。「金 はやや下がっており、6月終盤からのトレンド線付近で推移している」 と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は前日 比0.8%安の1オンス=1316.50ドルで終了。今月に入ってからは3%下 げており、8月としては2009年以来の下落となる見通し。

銀先物12月限は1%安の18.673ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナとパラジウムも値下がりした。

原題:Gold Set for Rare Losses This Month as Metal’s Popularity Dims(抜粋)

◎NY原油:続落、2週ぶり安値-在庫増観測とドル上昇を嫌気

30日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が続落し、2週間ぶり安値。米エネルギ ー情報局(EIA)の週間在庫統計発表を31日に控え、先週の原油在庫 が増加したとの見方が広がっている。またドル相場の上昇も商品市場を 圧迫した。

エナジー・アナリティクス・グループ(フロリダ州ウェリントン) のディレクター、トム・フィンロン氏は「ドルは上昇を続け、商品相場 は下落を続ける可能性が高い」と分析。「季節の変わり目を迎え、原油 在庫は積み上がるだろう」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日 比63セント(1.34%)安い1バレル=46.35ドルで終了。終値ベースで 8月15日以来の安値。ロンドンICEのブレント10月限は89セント (1.8%)下げて48.37ドル。

原題:Oil Falls to Two-Week Low as U.S. Supply Gain Seen, Dollar Rises(抜粋)

◎欧州株:上昇-銀行株の買い膨らむ、景気と業績見通しで

30日の欧州株式相場は上昇。世界的に景気敏感株に買いが回ってき たことを追い風に、今年に入り売り込まれていた銀行株が今月は月間ベ ースで2015年上旬以来の大幅高を記録する勢いとなっている。

スイスのクレディ・スイス・グループや英HSBCホールディング ス、オランダのINGグループの月初来上昇率はいずれも10%を超え る。季節要因から薄商いで欧州株式投資ファンドの流出額が記録的とな っているものの、銀行株は月間ベースで2カ月続伸に向かっている。銀 行利益が1年ぶりにアナリスト予想を上回ったことも支援材料。

ING銀行の投資マネジャー、サイモン・ビアースマ氏(アムステ ルダム在勤)によれば、過去2カ月に欧州で発表された経済指標の大半 が予想を上回り、米当局が年内に利上げに踏み切る公算が大きいため、 投資家らは金融企業の利益改善を見込んでいる。

ビアースマ氏は「長期的に金利がやや上昇する見通しは将来の利益 にとって良い兆候だ」とし、「投資家らは経済が順調なことに安堵(あ んど)し、銀行融資が増えるだろうと考えている。融資の増加で銀行利 益も伸びるはずだ」と語った。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.5%高の344.75で終了。業 種別指数の大半が上昇したが、鉱業株は値下がり。ドル高で金属価格が 下落したほか、シティグループのアナリストらが鉱業株に対して弱気に 転じたことが背景にある。

スペインのIBEX35指数は0.8%上昇。出来高は30日平均を 約25%下回った。ラホイ暫定首相は週内の連立政権樹立に向けて支持獲 得を目指している。

原題:European Traders Turn to Banks as Growth Faith Spurs Stock Gain(抜粋)

◎欧州債:独債利回り、過去最低付近-ECB購入額1兆ユーロに接近

30日の欧州債市場ではドイツ国債がほぼ変わらず。域内の国債利回 りが過去最低付近にとどまる中で、欧州中央銀行(ECB)による空前 の資産購入プログラムは投資家が関心を持つ節目の水準に近づきつつあ る。

ECBが29日発表した週間報告によると、量的緩和(QE)プログ ラムに基づく公債保有高は9908億ユーロ(約114兆円)に達した。域内 のインフレ率が2%弱とするECBの目安に程遠い状況にあるため当局 者が緩和策を拡大するとの観測に基づき、投資家は引き続き債券投資を 好んでいる。QEプログラムは少なくとも2017年3月まで続く予定だ。

欧州債の指標とされるドイツ10年債は月末時点の利回りが3カ月連 続でゼロ未満にとどまりそうな勢い。8カ月にわたり連立政権樹立で苦 戦するスペインでさえ、同年限の国債利回りは8月上旬に付けた過去最 低に近い。

トロント・ドミニオン銀行(TD)のグローバル戦略責任者、リチ ャード・ケリー氏は、「ECBが来年いずれかの時点でQEを拡大しな ければならなくなる可能性は、恐らくまだかなりある」と指摘。 「ECBの見通しからすると、インフレ率は総じて想定通りか、これま での予想に比べやや高くなる」と述べた上で、「向こう12カ月のうちに 目安に到達することはないだろう」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時14分現在、ドイツ10年債利回りは前日比ほぼ 変わらずのマイナス0.091%。6月に初めてゼロを割り込んだ同利回り は、過去6週間にわたりマイナス圏にある。同国債(ゼロクーポ ン、2026年8月償還)価格は100.92。

この日発表されたドイツの8月インフレ率は予想に反して鈍化し た。ECBは次回の定例政策委員会を9月8日に開催する。

原題:Euro-Area Bonds Buoyed as ECB Holdings Approach 1 Trillion Euros(抜粋)

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