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向こう10年の米利上げ、小幅にとどまる見通し-SF連銀エコノミスト

  • 中立金利は「極めて緩やかに上昇」して26年に1%程度になると推計
  • 米当局者の6月時点の実質FF金利見通し中央値は長期で1.15%

米国の金利が長期的にどの程度の水準まで上昇するかをめぐり、一部の米金融当局者の見通しは依然、楽観的過ぎるかもしれない。サンフランシスコ連銀のシニアエコノミスト、ケビン・ランシング氏がまとめた最新の小論文に基づけば、こうした結論となる。

  ランシング氏はその中で、インフレ調整後の実質金利で景気を刺激も抑制もしない中立金利(r*)について、2016年のゼロ%近辺から「極めて緩やかに上昇」して、26年に1%程度となるとの予測を示した。

  推計に当たって同氏は、議会予算局(CBO)が試算する国内総生産(GDP)の四半期潜在成長率に非常に沿った形で、中立金利が推移してきているとのシンプルな前提に立脚。CBOによる向こう10年間のGDP予想から、こうした中立金利見通しを導き出した。

  ランシング氏は「中立金利の長期的な数値が実際に1%前後ないしそれを下回るなら、フェデラルファンド(FF)金利正常化のプロセスは予想中央値の軌道が示唆するよりも緩やかとなる可能性がある」と指摘。連邦公開市場委員会(FOMC)参加者による6月の経済予測では、実質FF金利の予想中央値が長期的にみて1.15%となる点に言及した。

  長期の金利見通しが低水準にとどまるという事実は重要な意味を持つ。現行の引き締めサイクルの下での最終的な利上げ幅が小さなものにとどまり、米金融当局は今後、景気の落ち込みに見舞われた場合でも、過去のケースよりも成長押し上げのための利下げ余地に乏しいことになる。

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  現時点の中立金利の推計を踏まえると、米国の金融政策は引き続き緩和的となる。現在のFF金利の誘導目標レンジは名目ベースで0.25-0.5%であり、これからコアインフレ率1.6%を差し引くと実質ベースでゼロを下回るためだ。9月20、21両日には次回FOMCが開かれるが、どの程度のペースと幅で利上げを進めるべきか熟慮を重ねる米金融当局にとって、金利がどの程度上昇し得るかは重要な検討事項だ。

原題:Fed Is Headed for Shallow Rate Path This Decade, Study Shows(抜粋)

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