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日本株は小反落、内需ディフェンシブ株安い-輸出や銀行は支え

更新日時
  • 為替の中期的トレンド転換期待でリターンリバーサルの動きが顕著
  • 米経済指標を見極めたいとして様子見ムード、売買は低調

30日の東京株式相場は小幅反落。米金利上昇を背景としてバリュエーションの高さが警戒され、陸運や情報・通信、食料品などディフェンシブを中心とした内需関連が売られた。半面、為替の中期的な円安期待からトヨタ自動車が連日で戻り高値を更新するなど自動車や電機といった輸出関連は上昇。株価の割安感が見直された銀行株も上げ、株価指数の下値を支えた。

  TOPIXの終値は前日比0.43ポイント(0.03%)安の1312.81、日経平均株価は12円13銭(0.1%)安の1万6725円36銭。

  三井住友アセットマネジメントの平川康彦シニアファンドマネジャーは「日本株のレンジ相場は変わらないだろうが、米経済に対する悲観的な見方が解消されてきたことで株価が下に行くリスクは感じられなくなった」と指摘。米金利上昇を背景として債券が売られる状況になれば、「業績変化が大きくない割に株価が買われてバリュエーションが高くなった内需ディフェンシブに逆回転が入り、相場の中身の変化は続く可能性がある」との見方を示した。

  為替の円安一服やきのうの日本株の3週間ぶり大幅高の反動から株価指数は前日終値をはさんで推移、方向感が出にくかった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の三浦誠一投資ストラテジストは「日本株は大幅高後とあって利益が出ている銘柄はいったん確定しようとのムードがある。ただ下値を売りたたく理由もない」と話す。そうした中、「米国は金融緩和がさらに進むことはなく、緩やかながらも利上げ方向にあることから中期的には円安とみる投資家が多くなっている」と言う。

円が対ドルで安値のピークを付けた以降の業種別騰落率

円が対ドルで直近安値を付けた15年6月以降の業種別騰落率

  株価指数の変動は小幅ながら、きょうは業種・個別面では内需のグロース銘柄が売られる一方、外需のシクリカル銘柄や金融株が買われる傾向が顕著で、相場の中身では大きな変動がみられた。「内需やディフェンシブ銘柄などの高PER銘柄が売られ、1ドル=100円近辺までの円高による業績悪化を織り込んだ自動車やゴム製品、金融など低PER銘柄に乗り換えるリターンリバーサルの動きも出ている」と、三菱モルガンの三浦氏は話す。

  今週は雇用統計のほか、米供給管理協会(ISM)製造業景況指数やシカゴ製造業景況指数など米国で重要指標の発表が相次ぐ。昨日の買い戻し主導による大幅高後にさらに一方向にポジション(持ち高)を傾けにくいとの様子見ムードも強く、売買代金は引き続き低調だった。

東証1部売買代金は盛り上がらず

  海通国際証券集団のセールス・トレーディング担当マネジングディレクター、アンドルー・サリバン氏(香港在勤)は「米利上げの期待感が高まっているのは確かだが、今週は米国で雇用統計など経済指標が多く予定されており、FRBもそれらを確認するだろう」とした上で、「FRBがどのデータにフォーカスするかが分からないため、警戒感も強い」との見方を示した。

  この日の為替市場はドル・円相場が1ドル=102円近辺と、昨日の東京株市場の終値時点102円30銭に比べて円安がやや一服。26日のジャクソンホールでイエレン議長が利上げの論拠が強まったと発言したことなどから金利先物市場が織り込む9月利上げの確率が上昇したものの、昨日の米金利は一転して低下。金融政策の先行きを占う次の焦点が9月2日発表の8月雇用統計に移ったことで、ドル高・円安傾向は小康状態となっている。

Images Of Tokyo Stock Exchange And Stock Boards As Japan Stocks Jump On BOJ Stimulus

東京証券取引所

Photographer: Junko Kimura/Bloomberg
  • 東証33業種では陸運、情報・通信、建設、倉庫・運輸など17業種が下落。非鉄金属、銀行、海運、鉄鋼、輸送用機器など16業種は上昇。海運については、大手3社がコンテナ船とばら積み船を削減すると一部で報じられ、運賃市況反転への期待が出た。
  • 東証1部売買高は概算15億4953万株、売買代金は同1兆6783億円。値上がり銘柄数は778、値下がりは1029。

  • 東証1部売買代金上位ではソフトバンクグループ、NTTドコモ、JR東日本、UBS証券が格下げしたカルビーが安い。三菱UFJフィナンシャル・グループ、村田製作所、第一生命保険、クックパッド、リフォーム減税拡大報道が好感されたLIXILグループは高い。
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