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ドル・円が3週ぶり高値、米年内利上げと日銀緩和の観測で-102円前半

更新日時
  • 午後に一時102円38銭、9日以来の水準までドル高・円安進行
  • 米雇用統計次第では、さらに利上げの可能性が高まるリスクも-野村

29日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=102円台へ上昇し、約3週間ぶりの高値を付けた。ジャクソンホールでの日米金融当局者の発言を受け、米国の年内利上げ観測と日本の追加緩和観測が強まった。

  午後3時25分現在のドル・円は前週末終値比0.5%高の102円36銭。早朝に102円14銭を付けた後、しばらくは売り買いが交錯したが、徐々にドル買い・円売りが優勢となり、午後には今月9日以来の水準となる102円38銭まで値を切り上げた。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、個人的には9月に米利上げするとは思わないが、その可能性も排除するべきではないという状況で、今週末発表の米雇用統計次第では「さらに利上げの可能性が高まるリスクはある」と指摘。「ひとまず米雇用統計まではジャクソンホール後の全般的なドルショート(売り持ち)の巻き戻しから、ドル・円はバイ・オン・ディップ(押し目買い)でいいのではないか」と話した。

ドル・円相場の推移

  イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は26日、ワイオミング州ジャクソンホールでの金融当局者やエコノミストらに向けた講演で、「労働市場の堅調さが続いていることや、経済活動とインフレに対する当局の見通しを考慮すると、フェデラルファンド(FF)金利引き上げの論拠はこの数カ月で強まったと考えられる」と述べた。

  フィッシャーFRB副議長はジャクソンホールでCNBCのインタビューに応じ、イエレン議長の発言について、9月利上げの可能性を残していると発言。米国は「完全雇用と考えられる水準にかなり近い」とし、インフレ率は2%目標に達していないものの上昇していると述べた。

  一方、日銀の黒田東彦総裁は27日、量・質・金利のいずれについても「追加緩和の余地は十分にある」と述べた上で、2%の物価目標の実現のために必要と判断した場合は、ちゅうちょなく3つの次元で追加的な緩和措置を講じていく姿勢をあらためて示した。総裁はマイナス金利についても「制約が存在すると考えるのが自然」としながらも、現在のマイナス0.1%はそうした制約からは「まだかなりの距離がある」と語った。

  マネースクウェア・ジャパン営業本部法人部長の工藤隆氏は、ドル・円は日米金融当局者発言の相乗効果で上昇しているとし、「気になるのは輸出企業の手当てが遅れていることだが、101円台もかなり大きな売りがあったのを何とかクリアしているので、地合い的にはドル買い方向とみている」と話した。

米年内利上げ確率

  FF金利先物市場動向に基づくブルームバーグの算出によると、9月の米利上げの予想確率は26日時点で42%と前日の32%から上昇。年内利上げの確率は57%から65%に上昇している。

  ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇し、今月9日以来の高水準となっている。先週末は0.8%上昇と2カ月ぶりの大幅高を記録した。

  一方、ブルームバーグのデータによると、円は主要通貨16通貨中、韓国ウォンを除く15通貨に対して下落。対ユーロでは1ユーロ=113円台後半から一時114円69銭と、今月2日以来の水準まで円売りが進んだ。

  野村証の高松氏は、「黒田総裁の発言については、少なくとも総括的評価において、マイナス金利についてネガティブな評価はしてこないだろうということは言える」とし、「マイナス金利がゆっくりと効果を上げているとみている中で、マイナス金利の深掘りが絶対にないとは言えない」と指摘。一方で、全般的なドルショートの巻き戻しが今後も続くとすると、「円安・株高の環境下で追加緩和の必要性は薄れていくことが意識される」と語った。

  29日の東京株式相場は大幅反発。日経平均株価は2.3%高で取引を終えた。

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