コンテンツにスキップする

【今週の債券】好需給で金利低下、9月会合前にヒント発するとの声も

  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.12%~マイナス0.04%
  • 2年債は10bp利下げを前提にすればアウトライト購入に妙味-野村証

今週の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。米国での早期利上げ観測の強まりを受けた売りが一巡した後は、日本銀行の国債買い入れオペによる需給の良好さに加え、9月の国債償還に伴う再投資需要が徐々に出て金利を押し下げるとの見方が背景にある。
  
  ブルームバーグが前週末に市場参加者4人から聞いた新発10年物国債利回りの予想レンジは全体でマイナス0.12%~マイナス0.04%となった。週明けの相場では今月10回目となる日銀の長期国債買い入れオペが見込まれるほか、9月は3カ月に一回の利付国債の大量償還となる。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「ジャクソンホールでの議論を経て、黒田東彦日本銀行総裁は自国の政策枠組みの建て直しに乗り出す。政策予見性を重視し始めていることからも、9月決定会合前にもう少しそのヒントを発してくるだろう」と指摘。入札については、「2年債は10ベーシスポイント(bp)の利下げを前提にすればアウトライト購入に妙味。10年債は追加緩和期待で先物が堅調な間、それとの裁定需要で支えられよう」と言う。

  イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、米ワイオミング州ジャクソンホールでの経済シンポジウムの講演で「金利を時間をかけて緩やかなペースで引き上げていくのが適切」と述べた。フィッシャーFRB副議長は米CNBCとのインタビューで、イエレン議長の発言は9月利上げの可能性を残すものだと指摘。一方、黒田日銀総裁はジャクソンホールで開かれたシンポジウムで、量・質・金利のいずれも「追加緩和の余地は十分にある」と述べ、物価目標実現のために必要と判断した場合、ちゅうちょなく3次元で追加的な緩和措置を講じる姿勢を示した

予想レンジと相場見通し

*T
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
先物9月物=151円20銭-151円70銭
10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.05%
  「9月に国債の大量償還を控えて、投資家は償還資金の投資先を徐々に意識することになろう。プラス利回りの確保できる超長期国債を中心に、地方債や事業債への需要は今後さらに高まろう。日銀の国債買い入れオペも続き、良好な需給環境が相場を支える状況に当面変化はない。日銀の金融政策の不透明感は続くため、積極的な売買は見込みづらいが、緩和を縮小するとの見方は後退してきており、下値では投資家の押し目買いが着実に入る」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物9月物=151円00銭-152円00銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.12%~マイナス0.05%
  「ジャクソンホールでのイエレンFRB議長講演では、タカ派的な発言となり、ドル高・円安、金利上昇となったが、週末には雇用統計発表を控える。FRBは従来通りデータ重視の方針なので次第に落ち着いてくるだろう。国内景気には先行きに明るい見方が出てきており、鉱工業生産が注目される。ただ、強い数字が連続して出てくる状況ではない。政府の景気対策効果が指摘され始めてくるのも年末にかけてとみられ、それまでは長期金利の急激な上昇は見込みにくい」

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッド
先物9月物=151円20銭-151円70銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.04%
  「先週末発表の消費者物価指数(CPI)は思ったより弱かったが、今のところは2%が遠ざかっているので金融緩和待が高まって債券は買いだと単純に金利が低下するわけではない。日銀が9月の検証で、CPIのマイナス幅は今後は縮小に向かい、来年度前半にはプラス圏に乗っていくと見通せるのか、他に何を重視するのか、次の一手が見えにくくなっている。これかの約1カ月は検証をめぐる思惑や観測報道などで振らされるだろう」

◎JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジスト
先物9月物=151円25銭-151円70銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.06%
  「金利が上昇していくイメージはない。一方、10年債利回りがマイナス0.1%を超えても限られるだろう。国内は日銀の国債買い入れオペを見ながら、黒田総裁発言がどう出てくるかを含めて、投資家は待たざるを得ない。米金融政策に関しては、年内の利上げはあるだろうが、中長期的には中立金利が下がっているとの議論とがさくそうしている。年内1回利上げがあり得るとのメッセージを出しつつも、中長期的には中立金利が下がっているのでそれほど上げしなくても良いという印象」
*T

今週の主なイベント

30日2年利付国債入札発行額2兆3000億円程度
31日日本銀行、当面の長期国債買い入れ運営方針
1日10年利付国債入札発行額2兆4000億円程度
新発10年債利回りの推移

26日配信の【債券週間展望】をご覧になりたい方は、こちらをクリックください

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE