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【債券週間展望】長期金利低下か、需給良好との見方-オペ方針に注目

  • 10年債入札、無難に消化される可能性が高い-岡三証
  • 金利が上昇していくイメージない-JPモルガン証

来週の債券市場で長期金利は低下が予想されている。日本銀行の国債買い入れオペによる需給の引き締まりに加えて、9月の国債償還に伴う再投資の買い需要が徐々に出てくるとの見方が背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは今週、マイナス0.1%からマイナス0.07%の狭い値幅で推移した。米ワイオミング州ジャクソンホール会合でのイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長や、黒田東彦日銀総裁の発言を見極めたいと慎重姿勢が強まった。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「9月に国債の大量償還を控えて、投資家は償還資金の投資先を徐々に意識することになろう。プラス利回りの確保できる超長期国債を中心に、地方債や事業債への需要は今後さらに高まろう。日銀の買い入れオペも続き、良好な需給環境が相場を支える状況に当面変化はない」と説明した。

今週の長期金利推移

  日銀は31日午後5時に、「当面の長期国債買い入れの運営について」を公表する予定。9月は8月のオペ金額がおおむね継続されるとの見方が出ており、6、7月のように超長期ゾーンの減額で利回り曲線にスティープ(傾斜)化圧力が掛かるとの懸念は小さい。

  みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジストは、年限配分の微調整が行われる可能性はあるとしながらも、「9月の総括的な検証を控える中、オファー額の大がかりな変更を行えば、次回会合での政策変更の方向性を示唆しているとの思惑が生じるリスクもあり、変更にブレーキをかける可能性がある」と見込んでいる。

2年債と10年債入札

  財務省は30日に2年利付国債の価格競争入札を実施する。表面利率は年0.1%に据え置かれる見込み。発行予定額は2兆3000億円程度。9月1日には10年利付国債の入札が予定されている。償還日が3カ月延びるため、新しい回号となる。発行予定額は2兆4000億円程度。

  経済指標では31日に鉱工業生産が発表される。ブルームバーグの調査によると、7月の生産指数は前月比0.7%上昇が予想されている。9月2日に米雇用統計発表が予定されている。ブルームバーグの調査では、8月の米非農業部門雇用者数は前月比18万人増加が見込まれている。7月は25万5000人増だった。

市場関係者の見方
*T
◎JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジスト
*ジャクソンホールでのイエレン議長や黒田総裁発言後に市場が大きく動かなければ静かな状況
*金利が上昇していくイメージない
*長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.06%

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッド
*米雇用統計を控え動きにくい。どちらかに大きく賭ける動きは広がらないだろう
*今後1カ月は検証をめぐる思惑や観測報道で振らされる
*長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.04%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*日銀政策の不透明感が続くが、緩和縮小の見方は後退し、下値では押し目買いが着実に入る
*10年債入札は、相場は落ち着きを取り戻しつつあり、無難に消化される可能性高い
*長期金利の予想レンジはマイナス0.10%~マイナス0.05%
*T

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