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債券下落、オペ結果やイエレン議長講演控えて売り-検証めぐる観測も

更新日時
  • 先物は8銭安の151円47銭で終了、長期金利マイナス0.075%に上昇
  • イベント前の週末でもあり、持ち高を調整している部分ある-岡三証

債券相場は下落。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控えた売りに加えて、日本銀行が実施した長期国債買い入れオペで長期ゾーンの需給の緩みが示されたことが重しとなった。

  26日の長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比7銭安の151円48銭で取引を開始した。午後に入ると、日銀買いオペの結果を受けて水準を切り下げ、一時151円40銭まで下落。結局は8銭安の151円47銭で終えた。

長国先物の日中取引推移

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値を1.5ベーシスポイント(bp)上回るマイナス0.075%で開始し、その後も同水準で推移した。新発5年物128回債利回りは1bp高いマイナス0.17%で始まった後、一時マイナス0.165%を付け、マイナス0.17%に戻している。新発20年物157回債利回りは1.5bp高い0.27%、新発30年物51回債利回りは2bp高い0.345%に上昇している。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「海外金利の影響や、残存期間5―10年オペの応札倍率が上昇した影響もあるかもしれないが、イベント前の週末でもあり、少し持ち高を調整している部分があるのではないか」と説明。「基本的にはレンジ相場で、今週は入札日以外は取引が少なく、参加者が少ないということだろう」と話した。

  日銀が実施した今月9回目の長期国債買い入れオペ結果によると、残存期間1年以下、5年超10年以下、物価連動債の応札倍率がいずれも前回から上昇した。

ジャクソンホール会合

  カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムが、25日から27日までワイオミング州ジャクソンホールで開催され、イエレンFRB議長は26日に「金融政策のツールキット」をテーマに講演する。日銀の黒田東彦総裁も出席する。

  岡三証の鈴木氏は、「ジャクソンホール会合後に黒田総裁から何らかの発言が出てくるかもしれないが、金融政策がはっきりしない状況は続く。イエレン議長の発言内容にもよるが、国内債相場への影響は限られそうだ」と話した。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、米金融政策に関して、短期と中長期の議論がさくそうしていると指摘。「短期的には年内1回利上げがあり得るとのメッセージを出しつつも、中長期的には中立金利水準が下がっているので、それほど利上げしなくても良いという印象」と述べた。

CPI

  総務省がこの日午前に発表した7月の消費者物価指数(CPI)で、全国の生鮮食品を除くコアが前年比0.5%低下、8月の東京都区部コアは0.4%低下となった。ブルームバーグの予測調査ではいずれも0.4%低下が見込まれていた。一方、日銀が午後に発表した7月の全国の生鮮食品・エネルギーを除くCPIは前年比0.5%上昇となった。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループ理事兼副ヘッドは、「CPIは思ったより弱かった」と指摘。ただ、「今のところは『2%が遠ざかっているので金融緩和期待が高まって債券は買い』と単純に金利が低下しているわけではない。日銀が9月の検証でCPIのマイナス幅は今後は縮小に向かい、来年度前半にはプラス圏に乗っていくと見通せるのか、他に何を重視するのか、次の一手が見えにくくなっている」と分析。「これからの約1カ月は検証をめぐる思惑や観測報道などで振らされるだろう」と語った。

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