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7月消費者物価は3年4カ月ぶりの下げ幅-黒田緩和前に戻る

更新日時
  • 0.5%低下、5カ月連続でマイナス-コアコアCPIも予想下回る
  • 生鮮除く食料や宿泊料の伸び鈍化-日銀版コアCPIは0.5%上昇

7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は5カ月連続の下落となり、日本銀行が黒田東彦総裁の下で決定した量的・質的金融緩和直前の2013年3月以来、3年4カ月ぶりの下げ幅となった。生鮮食品を除く食料や宿泊料の伸びが鈍化したことが全体を押し下げた。

  総務省が26日発表した7月の全国コアCPIは前年比0.5%低下した。マイナス幅は前月(0.4%低下)から拡大した。ブルームバーグがまとめた予想中央値(0.4%低下)を下回った。物価の基調を見る上で参考となる食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合、いわゆるコアコアCPIは0.3%上昇と、これも事前の予想(0.4%上昇)を下回った。

Views of Sugamo District Ahead Of $267 Billion Stimulus Package

東京・巣鴨の地蔵通り商店街

Photographer: Yuya Shino/Bloomberg

  総務省は、7月分の消費者物価指数(CPI)から新基準(2015年基準)を適用した。12日に発表した1ー6月分に新基準を遡及(そきゅう)適用した数値によると、6月のコアCPIは0.4%低下と従来の10年基準から0.1ポイント上方修正された。

コアCPIは黒田緩和前の水準に

包括的な検証

  日銀は7月29日の金融政策決定会合で、コアCPI前年比が2%程度に達する時期は「17年度中」との見通しを維持する一方で、「先行きの海外経済に関する不透明感などから不確実性が大きい」と指摘。その上で、マイナス金利付き量的・質的金融緩和の下での経済・物価動向や政策効果について、9月20、21日の会合で総括的な検証を行うことにし、議長である黒田東彦総裁がその準備を執行部に指示した。

  SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは統計発表後のリポートで、「食料やコアコア部分の弱さが続く見込みで、コアCPIはなかなか前年比プラス圏へ浮上しないだろう」として、浮上は来年初めごろになりそうだとみる。基本給の低迷でサービスが伸び悩む中、円高の影響波及で食料などの弱さが続くとして、コアコアCPIは「マイナス化へ至る可能性もある」とみている。

  先行指標の東京都区部8月中旬速報はコア指数が0.4%低下と、6カ月連続のマイナスとなった。マイナス幅は前月と同じだった。コアコアCPIは0.1%上昇と前月(0.2%上昇に改定)を下回った。事前の予想はそれぞれ0.4%低下、0.3%上昇だった。

予想比下振れなら追加緩和期待

  日銀は物価の基調を見る上で、独自に公表するエネルギーと生鮮食品を除いたいわゆる日銀版コアCPIを重視している。6月分は旧基準で0.8%上昇だったが、新基準では0.7%上昇に下方修正され、26日午後発表された7月分の指数は0.5%上昇に鈍化した。

  モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅エコノミストは19日付のリポートで、エネルギー品目のマイナス寄与は前年比で縮小していくため、コアCPIは年末にかけて「マイナス幅は急速に縮小していく」としながらも、エネルギーを除く物価は目先、「明確な底打ちの兆しはなく、下振れリスクが強まっている」と指摘した。

  黒田総裁は20日付の産経新聞のインタビューで、9月の「総括的な検証」を踏まえ追加的な緩和措置を講じる可能性は十分ある、と述べた。野村証券の松沢中チーフ金利ストラテジストは19日付のリポートで、7月のコアCPI前年比が市場予想(0.4%低下)から下振れれば、13年3月以来の下落幅となるため、「日銀に対する追加緩和期待が高まりやすい」としている。

(見出しと第7段落に日銀版コアCPIの数値を追加します.)
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