コンテンツにスキップする

読めない黒田総裁の次の一手、唯一確実なのはボラティリティの上昇

  • 日本国債のボラティリティ指標が上昇、4週間ぶり高水準に
  • 日本国債の利回り、再び過去最低水準に低下も-マニュライフ

日本銀行の黒田東彦総裁はこれまで何度も投資家の意表を突いてきたため、次の一手の予想は実に様々で一つに絞られていない。唯一確実なのは、来月の政策決定会合に向けて市場のボラティリティ(変動性)が高まることだ。

  会合の結果をあらかじめ織り込むことができないため、日本国債相場の変動は大きくなる公算だと、みずほ証券のマーケットアナリスト、辻宏樹氏は指摘する。日本国債ボラティリティの指標(期間60日)は10日に3.7%に上昇し、4週ぶり高水準に達した。これは過去10年平均の2倍に近い。

  「今までにもあったことだ」とバンク・オブ・シンガポールのチーフエコノミスト、リチャード・ジェラム氏は話す。「黒田総裁はこれまでに市場を間違った方向に導いたことがあるので、総裁が何らかの道筋を示しても、投資家はそれをうのみにすることに強い抵抗を感じるだろう」と同氏は述べた。

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda News Conference

黒田日銀総裁の次の一手は?

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  1月のマイナス金利採用決定では市場に不意を食らわせ、日本国債ボラティリティは1999年以来の最高を記録した。7月に緩和拡大が上場投資信託(ETF)の買い入れ増額に限定された時も、市場の期待は裏切られた。

  日銀が検証を行うとしたことで市場では緩和縮小や、インフレ目標達成についての時間枠撤回などの観測も出ている。もっとも、そのような転換を示唆するシグナルはほとんど見当たらない。マニュライフ・アセット・マネジメントの津本啓介取締役債券運用部長は目標達成時期の文言がなければ、日銀からの「メッセージを弱めることになると思う。それは日銀の本意ではないと理解している」と語った。

  日銀の「総括的な検証」について津本氏は、「今までと変えていくという風にとる人が市場の一部にあり、そのため買い入れ額が減るとか、マイナス金利を撤回するとかという思惑が出たと思われるが、それは恐らく杞憂(きゆう)に終わるだろう」とも述べた。

「黒田ボラティリティ」

  津本氏は日銀が購入プログラムを推し進めることで、債券利回りを再び過去最低に押し下げる可能性があるとの見方を示した。マイナス金利をさらに引き下げることもあり得るとみている。

  インベステック・ウェルス・アンド・インベストメントの債券責任者、ダレン・ルアン氏(ロンドン在勤)は、日銀の「9月会合での検証については今のところ2通りの受け取り方がある」と指摘。投資家はそれぞれに緩和拡大と縮小という逆の見方をしており、「大きな疑問符が付いている。ボラティリティは高まる公算が大きい」と語った。

  ブルームバーグが8月に実施したエコノミスト調査では、33人中16人が物価目標について2年程度を念頭にとの文言が変更されると予想、10人は同文言の撤回を予想した。

原題:BOJ Spurs Bond Volatility on Policy Review Markets Can’t Predict(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE