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米国債:上昇に転じる、FRB副議長発言の受け止め方に変化

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22日の米国債相場は上昇。10年債利回りは約1週間ぶりの大幅な下げとなった。原油価格の下落と株式相場のもみ合いを背景に、米国債利回りは全期限を通じて下げた。

  米国債は当初、フィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が21日に年内利上げは依然検討されていると示唆したことから下げていた。副議長は同時に、労働生産高を刺激する能力がFOMCにあるかという疑問を呈し、経済は「予測可能な将来において生産性の伸びが減速する運命」にあるのではないかと問いかけた。

  同氏発言の受け止め方が市場で変化したことは、当局者発言の解釈の難しさを浮き彫りにした。米金融当局は8カ月前に利上げに踏み切って以降、幾度も利上げが望ましいとの見方を示しつつ、なおも動き出せないでいる。イエレンFRB議長は26日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次シンポジウムで講演する。

  ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏(フィラデルフィア在勤)は「次に何をすべきか、FOMCは本当のところは分かっていないのではないだろうか」と指摘。「いつか分からない将来にインフレを刺激するため、現時点で検討されている手段は成功するかもしれないし、成功しないかもしれない」と述べた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると10年債利回りは前営業日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて1.54%。同年債(表面利率1.5%、2026年8月償還)価格は99 19/32。

  2年債利回りは1bp下げて0.74%。一時は英国民投票が行われた6月23日以来の高水準に達する場面もあった。

  フィッシャー副議長は次回利上げの具体的な時期に言及しなかったものの、労働市場は完全雇用に近く、インフレは望ましい水準に接近しているとの見解を示した。その数日前にはニューヨーク連銀のダドリー総裁が、利上げの可能性を市場は過小評価していると述べていた。

  MUFGセキュリティーズアメリカのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス氏(ニューヨーク在勤)は「米金融当局は短期的な経済見通しと長期的な問題を区別しようとしている」と分析。「生産性など長期的な問題についての話が活発になってきた」一方で、「短期的な経済データは改善しており、年内利上げの確率に対する市場の織り込み具合に対し、米当局は少々違和感を感じているのかもしれない」と解説した。

  ブルームバーグがまとめたデータによると、先物市場は年内利上げの確率を約52%として織り込んでおり、1週間前の45%から上昇している。

  米財務省は23日に2年債(発行額260億ドル)、24日に5年債(340億ドル)、25日に7年債(280億ドル)の入札を予定している。

原題:Treasuries Rally as Fed’s Fischer Mulls Slow Productivity ‘Doom’(抜粋)

(相場を更新し、第7段落以降を追加します.)
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