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中国ゾンビの隠れた失業-公式統計では分からない経済の足かせ

  • 生産能力過剰業界の不完全就業率は10%の可能性も-厦門大学教授
  • 国有石炭・鉄鋼業界が労働者を不安定な状態に置いている

中国の労働市場に亀裂が見え始めている。経営不振にあえぐ工業業界が、数百万人の労働者を不安定な状態に置いたままにしている。

  中国の公式の失業統計はほぼ一定水準で推移している。しかし厦門(アモイ)大学の柏培文教授(経済学)によれば、就業の不安定さの指標である不完全就業率は2010年のほぼゼロ%から、現在は5%を超える水準に上昇した。柏教授は賃金カットやシフト削減、無給休暇を導入してきた不採算の鉄鋼や石炭など生産能力過剰業界では10%に達しているとの試算を示した。

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Photographer: Nelson Ching/Bloomberg

  過剰生産能力に苦しんでいる国有企業の多くは、社会不安を引き起こしかねない大規模な人員削減を避けて労働者を自宅待機させることを選んできた。こうした措置を講じることで問題を覆い隠すことは可能だ。しかしこのことが同時に、経済構造の転換を進める中国で労働需要がより堅調なサービス業に労働者が移るペースを鈍らせることにつながっている。

  JPモルガン・チェースの中国担当シニアエコノミスト、グレース・ナン氏(香港在勤)は「過剰生産能力を抱えた業界の不完全就業は、中国の潜在的な生産性向上の阻害要因で、賃金動向の軟化につながる」と指摘。「民間消費需要に圧力がかかり、経済のリバランス全般に影響を及ぼす」と述べた。

  中国国営の新華社通信は7月、中国人民大学のリポートを基に、工業業界の約7.5%は不採算ながら存続している「ゾンビ」企業で、その大半は東北部や西部の国有企業だと伝えた。
 
原題:Behind Stable Job Data, China Grapples With Hidden Unemployment(抜粋)

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