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【債券週間展望】長期金利低下か、20年入札後は月末に向けフラット化

  • 9月の国債大量償還も視野にフラット化へ-パインブリッジ
  • イエレン講演は注目も、米国要因は限定的-マスミューチュアル

来週の債券市場では長期金利の低下が予想されている。日本銀行の金融政策に対する不透明感は根強いものの、外国為替市場で円高が進行したことで金融緩和の縮小観測は後退している。20年債入札で投資家の需要が確認されれば、月末に向けて超長期ゾーンを中心に金利低下圧力が強まるとの見方が出ている。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、18日にマイナス0.075%と9日以来の高水準を付けたが、1ドル=99円台までの円高進行や5年債入札結果を受けて金利低下圧力が強まり、19日はマイナス0.095%まで低下した。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「20年債入札は底固めの材料となる」と指摘。「ドル安基調の中で、円高圧力が根強く、債券市場は徐々に下値が切り上がる方向だろう。政府との協調も含め、日銀の総括的検証は現行政策の継続を維持する方向」との見方を示した。

今週の長期金利推移

  財務省は23日に20年国債入札を実施する。157回債のリオープン発行となり、表面利率は0.2%に据え置かれる見込み。発行額は1兆1000億円程度となる。25日には残存期間が5年超15.5年以下を対象とした流動性供給入札が予定されている。発行額は5000億円程度となる。

  新発20年物157回債利回りは9日に0.335%と4月以来の高水準を付けたが、その後は0.24%まで買われ、今週は0.245%から0.29%で推移した。バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「水準調整したことで需要が喚起される。今月は年金による保有債券の長期化需要が見込まれる上、超長期の日銀買いオペも残り2回。需給的に締まりやすい」と指摘する。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「20年債入札を順調に消化すれば、9月の国債大量償還も視野にフラット化していくだろう」と予想する。

  25日から27日まで米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール)が開催され、26日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演に注目が集まっている。17日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では早期利上げについて意見が分かれていることが明らかになった。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「世界的に金融市場の方向感は定まっていない。イエレン議長の講演内容を確認するまでは投資家の様子見姿勢が続こう」とみる。一方、マスミューチュアル生命の嶋村氏は、「タカ派とハト派が混じった議事録を繰り返すような結果に終わるだろう。8月分の米雇用統計がよほど悪くなければ米国要因の影響は限定的」と言う。

市場関係者の見方
*T
◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
*ジャクソンホールで米利上げに前向きな布石が打たれれば日本国債にもネガティブ。利上げを急がない材料が出れば金利低下要因
*ジャクソンホールで日本のマイナス金利深掘りにお墨付きが出ることはない
*長期金利の予想レンジはマイナス0.15%~マイナス0.06%

◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
*株安・円高や国債発行増をかんがみると、日銀は政府との協調も含め、総括的検証は現行政策の継続を維持する方向
*市場の注目は9月の日銀会合に絞られる
*長期金利の予想レンジはマイナス0.14%~マイナス0.07%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*日銀が緩和縮小に向かう可能性は低いと思われるが、目先は投資家も積極的には動きづらい
*20年債入札を控えて週初は上値重いが、現状の利回り水準なら無難な消化見込める
*長期金利の予想レンジはマイナス0.12%~マイナス0.07%
*T

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