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ドル・円の「戻りは確実に売っていく」、米利上げ見えずジグザク調整

更新日時
  • 継続的な金利上昇見えないとドル買いトレンド出ない-しんきんAM
  • 短期的には99円を割れて2-3円下げるリスク-三井住友銀

今週に入り再び1ドル=100円を割り込んだドル・円相場。日本の通貨当局の円高けん制が下値追いの動きを抑えているが、米国の利上げ再開が見通せない限り、戻り売り優勢の展開が続くと市場関係者はみている。

  「戻ったところを確実に売っていくというスタンスが一番ワークすると思っている」。しんきんアセットマネジメントの加藤純シニアファンドマネージャーは、米国の景気が本当に強く、継続的な金利上昇が見えてこないと「ドル買いのトレンドは出てこない」とし、需給や日米の実質金利の動きを考えれば「ドル売りが徐々に進んでいく」と予想する。「年末までの3カ月で考えたら、ジグザグ調整をしながら95円くらいまでいっても驚かない」と言う。

  7月の雇用統計の堅調で回復しかけた米国の年内利上げ期待は、小売売上高などの米指標が振るわなかったことで後退している。ドル・円は16日の海外市場で一時99円54銭と英国が欧州連合(EU)離脱を選択した6月24日以来の水準まで下落。その後、米地区連銀総裁の早期利上げ発言を受けて101円台前半まで反発したが、17日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では早期利上げをめぐる意見の対立が浮き彫りとなり、18日の東京市場で再び100円を割り込んだ。

  円は年初来、対ドルで約20%高と主要10通貨中、最高の上昇率。日本銀行は先月、追加緩和に踏み切ったが、国債購入の増加ペースやマイナス金利は据え置くなど小粒な内容で、円高の歯止めにはならなかった。

  三井住友銀行の佐藤慎介為替トレーディンググループ長は、需給面でドル・円が安値を更新するたびにドル買い意欲は出てくるだろうが、企業の想定レートがどんどん切り下がっていく中で、実需の売りが「100円台前半から段階的に重しになってくる可能性もある」と指摘する。その上で、「短期的には99円を割れて2-3円下げるリスクはある」とし、その後は達成感から自律的に持ち直すと予想。「最終的には100円を挟んだところのレンジで収束する」とみている。

ドル売りの絶好の機会?

  オプションの需給の傾きを示すドル・円のリスクリバーサルを見ると、週初にマイナス1.2%台だった1カ月物は足元マイナス1.9%台と6週間ぶりの水準まで低下。マイナス値の拡大は円を買う権利を付与するオプションの需要が、売る権利を付与するオプションとの対比で高まっていることを示す。一方、シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)の先物取引非商業部門の円の買い越しは、直近で4万8831枚と1カ月ぶりの高水準となっている。

  三菱UFJ信託銀行ファンド営業課課長の酒井聡彦氏は、「投機であれば売ったら買い戻さなければならない。100円から下はあってもステイは短い」とみている。米国のファンダメンタルズに不透明感が漂う中、ドル・円は大きく買える環境ではないが、「いわゆるリアルマネーの投資家がこの相場に焦ってついていく必要はないと思っている」と言う。

  あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、6月に英国のEU離脱ショックで付けた安値の99円を割れると損失を限定するためのドル売りが入り、ドル・円が「1回オーバーシュート的に売られる可能性はある」と指摘。その上で、今週に入り短期勢も売買の回転をかなり速めているもようで、「とりあえず99円どころはかなり固いサポートになってくる」と予想している。

  ドル・円の100円割れの場面が増える中、日本の当局は円高けん制姿勢を強めている。財務省と金融庁、日銀は18日午後に臨時の当局者会合を開催。浅川雅嗣財務官は会合後、投機的な動きがあれば適切な処置を取ると語った。

  しんきんアセットの加藤氏は、「今のベアトレンドでは、ドル・円が上がるのは基本的にショートカバー。当局者のけん制発言で上がったところは結果的にいい売り場になっている」と指摘。「こんな秩序だった動きで少しずつ戻しながらきれいに円高が進んでいる最中に介入はできない」と語る。

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