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英EU離脱に身構える銀行、カナリー・ワーフから脱出できず

  • リース平均残存期間は14年、離脱動じない-主要デベロッパーCEO
  • 英商業不動産市場は7月でリセッション入り

JPモルガン・チェース、シティグループ、HSBCホールディングスなど、名だたる金融機関が拠点を構えるロンドンのカナリー・ワーフ。約4キロ西方に位置し中世からの歴史があるシティーに対抗し、近代的な金融街として急発展を遂げた地区だ。

  だが英国が欧州連合(EU)離脱を選んだことで、シティーとカナリー・ワーフの将来は不透明感に包まれている。銀行や企業、一般市民が企業活動や経済への影響を見極めようとする中で、すでにロンドン全域で商業不動産価格は下がり始め、カナリー・ワーフは離脱選択の影響を測る究極の指標となった。それでも、そのオーナーにひるむ様子は見られない。

  EU離脱の条件が明らかになっているであろう2018年には、ロンドンの主要交通拠点とカナリー・ワーフを結び、通勤時間を短縮させる新路線「クロスレール」が運行を開始する。同地区の主要デベロッパー、カナリー・ワーフ・グループのゲオルゲ・ヤコベスク会長兼最高経営責任者(CEO)は、金融サービス業で数万人の職が失われ、自らの収益源である銀行向けオフィススペース賃貸料が脅かされるとの警告に動じていないと発言。その理由としてクロスレールの開通と、オフィススペースのリース平均残存期間が14年に上っていることを挙げた。

  ヤコベスク氏(70)はインタビューで、「われわれの保有物件の稼働率はほぼ100パーセントに近い。従って(EU離脱を)恐れることはない」と語った。

  カナリー・ワーフに立つビル36棟のうち、カナリー・ワーフ・グループは約半数を保有。MSCIによると、英国の商業不動産市場は7月にリセッション入りし、ロンドン中心部のオフィス価格は3.6%下落した。

  ヤコベスク氏は自らがCEOに就任した1997年にはグループの賃貸収入のうち銀行が約8割を占めていたものの、現在では60%を切り、低下が続いていると指摘。EU離脱による長期的な脅威は誇張されていると述べた。また住宅用や個人向けの物件建設に軸足を移しつつあり、情報技術(IT)企業の呼び込みも狙っているという。

原題:Brexit-Bashed Banks Can’t Escape From London’s Canary Wharf (1)(抜粋)

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