日本の投資家による外債投資の為替ヘッジコストは2008年以降で最高となっており、日本銀行によるドル資金供給拡大を通じた海外投資促進の取り組みを妨げている。

  米国債にヘッジ付きで投資する場合の利回りはマイナスになる可能性が出てきており、日本の保険会社や銀行はコスト増加を受けて米国債投資に背を向け始めている。こうした状況は過去1年で23%上昇した円相場へのさらなる押し上げ圧力となり得るほか、日銀のマイナス金利政策開始以来、大方の国内債利回りがマイナス圏に沈む中で投資家の選択肢を狭める恐れがある。

黒田日銀総裁
黒田日銀総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは「国内勢がドル資産に投資する際の為替ヘッジコストは上昇しており、米国債にヘッジ付きで投資した収益率はほぼゼロで投資妙味がなくなりつつある」と指摘した。

  日銀は7月29日、最長4年のドル資金を金融機関経由で供給する制度である「成長支援資金供給・米ドル特則」の総額を240億ドル(現在の為替レートで約2兆4300億円)に倍増させ、ドル資金供給オペの担保となる国債の貸付制度を新設することを決めた。

  以下のチャートは日米金利差の拡大や日本での海外資産需要の急増、米マネーマーケットファンド(MMF)による日本へのドル資金供給能力の低下を背景に、日銀のこうした措置が圧倒されている状況を示した。

原題:Costliest Hedges Since 2008 Confront Japanese Buying Debt Abroad(抜粋)

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