8月15日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル軟調、景気の強さへの疑問続く-利上げ観測は後退

15日のニューヨーク外国為替市場ではドルが軟調。今週発表される 米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事録を前に、年内利上げに 対する投資家の確信が揺らいでいる。

先週発表された米小売売上高が前月比で横ばいとなり、米景気回復 の強さに対する不安が浮上、年内利上げ観測は後退した。

BNPパリバの北米為替戦略責任者、ダニエル・カッツァイブ氏 (ニューヨーク在勤)は「市場は米金融政策引き締めの可能性をこれま で以上に織り込んではいない」と述べ、「ドルの勢いは失われた」と続 けた。

同氏はただ、米金融政策当局から示唆されるタカ派的な姿勢がドル を支えるとみている。米連邦準備制度理事会(FRB)は17日に FOMC7月会合の議事録を公開する。市場参加者は今月ワイオミング 州ジャクソンホールで予定されているイエレン米連邦準備制度理事会 (FRB)議長の講演に注目している。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%低下。円は対ドル で0.1%上昇して1ドル=101円26銭。

ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズの為替ストラテジスト、エ リック・ビロリア氏(ニューヨーク在勤)は「米金融政策をめぐり一段 の透明性が示されるまで、ドルには全般的に値固めのパターンがみられ る可能性がある」と述べた。

原題:Dollar Extends Drop as Faltering Economy Pares Rate-Boost Wagers(抜粋)

◎米国株:反発、S&P500が最高値更新-債券市場から資金が流入

15日の米株式相場は反発。S&P500種株価指数は最高値を更新し た。ハイテク株や銀行株、商品関連銘柄がけん引役となった。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)によると、資産運用者は米国 債よりも株式を選好しており、株式のアクティブ運用ファンドは2008年 以降で最も強気になっている。これは株式を敬遠し現金を積み上げてい た年初のトーンがシフトしていることを示唆している。

S&P500種株価指数は前営業日比0.3%高の2190.15で終了。ダウ 工業株30種平均は59.58ドル(0.3%)上昇の18636.05ドル、ナスダック 総合指数は0.6%上昇し、それぞれ最高値を更新した。

ブラックロックのグローバル債券最高投資責任者(CIO)、リッ ク・リーダー氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 「現在の株価は債券と比較した場合のバリュエーションから判断して悪 くはないようで、それが支援材料になっている。株式市場のテクニカル 要因は非常に良好だ。債券市場に資金が全て流れ込んでいたが、それが 少し反転するだけでも株価を押し上げる」と述べた。

ジュ・ション氏率いるBofAのアナリストのリポートによると、 資産運用者は9日終了週にS&P500先物を67億ドル購入した一方、米 国債を86億ドル売却した。ション氏は電話インタビューで、これら投資 家は第3四半期の初め以来、物色対象の矛先を米債券から株式に向けて いると指摘した。

BofAの別の分析では、米大型株の運用担当者はS&P500種の 上昇を2008年以降で最も見込んでいる。ロング・ショート戦略を取るア クティブ運用者の約56%がロングと、2015年7月以降で最高となってい る。

この日の米国株市場では企業の合併・買収(M&A)が買いを誘っ たほか、原油相場の上昇が商品関連銘柄を押し上げた。主要国の中央銀 行が景気刺激策を継続するとの楽観に加え、予想を上回る企業収益が過 去1カ月、株価を押し上げており、バリュエーションも高まっている。 S&P500種の予想株価収益率(PER)は18.6倍と、2002年以来の高 水準。

ポスト・プロパティーズは9.4%上昇して最高値を記録。ミッド・ アメリカ・アパートメント・コミュニティーズ(MAA)が同社を約39 億ドルで買収することで合意した。上下水道関連会社のザイレム は3.9%高。同社はセンサスUSAを現金約17億ドルで買収することで 合意した。

S&P500種の素材株指数は1%上昇し、1カ月ぶりの大幅高。フ リーポート・マクモランは3%高。

原題:Signs of Bear Capitulation as S&P 500 Advances to Fresh Record(抜粋)

◎米国債:下落,ブラックロックは長期債へのエクスポージャー減らす

米資産運用会社ブラックロックは長期の米国債へのエクスポージャ ーを減らしている。日本や欧州などでヘッジコストが増え、一部の海外 投資家の間では米国債の魅力が低下している。

為替変動の影響を除くためのヘッジコストを加味すると、米10年債 の利回りは日本人投資家にとってはマイナス、ユーロ圏の投資家にとっ てはほぼゼロになる。そうした状況から生保会社や長期運用を手掛ける 資産運用会社は、より高い利回りを確保するために社債や住宅ローン担 保証券を買い入れている。15日の米国債市場で10年債利回りは上昇。こ の日発表されたニューヨーク連銀製造業景況指数で、出荷や新規受注の 指数がプラスとなったことが手掛かり。

ブラックロックのグローバル債券最高投資責任者(CIO)、リッ ク・リーダー氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「当 社は期間10年以上の米国債へのエクスポージャーを一部減らした」と し、為替リスクのヘッジコストが理由だと説明。「高いヘッジコストは 大きな問題だ。購入は続けるが、これまでとはかけ離れたペースにな る」と加えた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによれば、ニューヨ ーク時間午後5時現在、10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の1.56%。同年債(表面利 率1.5%、2026年8月償還)価格は99 15/32。

30年債利回りは5bp上げて2.28%。

朝方発表された8月のニューヨーク連銀製造業景況指数では、総合 指数はマイナスとなったものの、出荷や新規受注はプラスとなり活動の 拡大が示された。バークレイズやBNPパリバのストラテジストは、こ れらの項目での活動拡大は米北東部の製造業にはプラスだと指摘する。

米国債利回りが過去最低まで25bp以内という状況にあることか ら、投資家らはわずか216bpというスプレッドでも、米国債ではなく 社債を購入している。バンク・オブ・アメリカの指数によれば、このス プレッドはここ1年余りで最小。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のマーク・キーセル最高投資責任者(CIO)と同様、ブラックロック のリーダー氏も社債市場により良い価値があるとみている。

ブルームバーグ米国債指数によれば、米国債の年初来リターンは8 月12日までで5.4%。投資適格社債のリターンは9.2%となっている。

原題:BlackRock Cuts Treasuries Exposure on Hedging Cost as Bonds Fall(抜粋)

◎NY金:小反発、堅調維持も動意乏しく-ボラティリティが低下

15日のニューヨーク金先物相場は小反発した。米利上げのタイミン グに関する新たな手掛かりを待つ姿勢が広がり、市場は再び静かな展 開。金のヒストリカルボラティリティ(30日)は1年ぶりの低水準とな った。

BMOキャピタル・マーケッツの商品トレーディング担当ディレク ター、タイ・ウォン氏は「市場は短期的な均衡状態を見いだした。力強 い強気バイアスで価格の上昇は維持されているが、新たな高値に押し上 げる動因は不十分だ」と電子メールで指摘。「次の動因はジャクソンホ ールでのイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長発言になるだろ う」と述べた。イエレン議長は8月26日、ワイオミング州ジャクソンホ ールでの年次シンポジウムで講演する。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物は前週末比0.3% 高の1オンス=1347.50ドル。一時は0.2%下落する場面もあった。

銀先物も上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウ ムも値上がり、プラチナは値下がりした。

原題:Gold Traders Take a Snooze as Volatility Drops to One-Year Low(抜粋)

◎NY原油:大幅続伸、4週ぶり高値-産油国会議への期待で

15日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅続伸。産油国が相場安定策を協議 するとの観測が再燃し、約4週間ぶりの高値で引けた。ロシアは「必要 なら」協議に参加する可能性を閉ざさないと、ノバク・エネルギー相が サウジアラビア紙アシャルク・アルアウサトとのインタビューで述べ た。

ESAIエナジー(マサチューセッツ州ウェイクフィールド)のマ ネジングディレクター、サラ・エマーソン氏は「市場参加者は安値で買 いを入れるための手掛かりを探していた」と指摘。「50ドルに近づくに つれ、買い意欲は干上がるだろう。まだ何も合意していない事実と、会 議はまだ先の話であることに考えが及ぶはずだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前営 業日比1.25ドル(2.81%)高い1バレル=45.74ドルで終了。終値ベー スで7月15日以来の高値。ロンドンICEのブレント10月限は1.38ドル (2.9%)上昇の48.35ドル。

原題:Oil Rises to Four-Week High Amid OPEC Output Freeze Speculation(抜粋)

◎欧州株:ほぼ横ばい、薄商いで-DAX指数は年初来の下げほぼ消す

15日の欧州株式相場はほぼ変わらず。業績見通しや景気の先行きに 照らし、最近の相場上昇を見極める動きが強まった。

指標のストックス欧州600指数の業種別19指数の中で、自動車株指 数の上昇率が首位。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)優先株 が1.4%上げ、先週強気相場入りしたDAX指数は年初来の下げ解消ま で0.1%未満に迫った。

石油株も英BP主導で上昇。産油国が市場安定化に向けて協議を再 開するとの観測を手掛かりに、原油相場がバレル当たり45ドルを上回っ た。一方、スイスのグレンコアを中心に資源銘柄は値下がり。

ストックス600指数は前週末比0.1%未満安の346.05で終了。一 時0.4%上げた。イタリアなど一部市場が休場だったことから、この日 の出来高は30日平均を約60%下回った。

CMCマーケッツの市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏(ロ ンドン在勤)は「企業利益の伸びが加速する兆候はまったくみられな い。結局のところは利回りを求める動きだ」とし、「イングランド銀行 (英中銀)も利下げで欧州中央銀行(ECB)に加わった。過大評価さ れているかどうかの判断はさておき、株式の魅力はさらに高まるだろ う」と語った。

原題:Europe Stocks Little Changed as DAX Close to Erasing Annual Loss(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債下落、薄商いで値動き増幅-低利回り続くとの見方

15日の欧州債市場ではドイツ国債が下落。一部市場の休場に伴う薄 商いで値動きが増幅した。ただ、投資家らは低利回り環境が当面続くと みている。

ブルームバーグがまとめたアナリスト調査によれば、欧州債の指標 とされるドイツ10年債利回りは2017年末までにわずか0.4%までしか上 昇しないと予想されている。世界的な景気先行き不安が再燃し国債相場 が上昇した1月以降、利回りはこの水準を上回っていない。英国が6月 の国民投票で欧州連合(EU)離脱を選択したこともこの動きを助長し ている。

金利先物動向によれば、欧州中央銀行(ECB)は2018年7月まで 利上げに踏み切ることはない見通しで、ドイツ国債の急反転を懸念する 根拠はほとんどない。

クレディ・アグリコルCIBの金利ストラテジスト、オーランド・ グリーン氏(ロンドン在勤)は「緩和拡大への期待がある」とし、「イ ベントリスクがまだ市場心理に数多く影響を及ぼしている。何よりもま ず英EU離脱選択があり、こなす必要のある一連の要因が存在する」と 語った。

ドイツ10年債利回りはロンドン時間午後4時4分現在、前週末比4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇のマイナス0.069%。 7月6日には過去最低となるマイナス0.205%を記録していた。同国債 (ゼロクーポン、2026年8月償還)価格はこの日、0.397下げ100.693。

イタリア10年債利回りは2bp上昇し1.06%。一時は過去最低とな る1.033%まで低下した。同年限のスペイン国債利回りも2bp上 げ0.94%。11日に過去最低の0.913%を付けた。

原題:German Bond Yields Going Nowhere as Central Banks Provide Shield(抜粋)

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