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安倍首相が靖国神社に玉串料を奉納-尖閣めぐり日中緊迫の中

更新日時
  • 高市総務相、丸川五輪相、小泉進次郎氏などは参拝
  • 稲田防衛相は海外出張で参拝せず

安倍晋三首相は終戦記念日の15日、靖国神社に代理人を通じて私費で玉串料を奉納した。高市早苗総務相、丸川珠代五輪相、萩生田光一官房副長官、小泉進次郎衆院議員らが個別に、超党派の国会議員グループも集団で参拝した。尖閣諸島周辺で中国公船が領海侵入を繰り返し、日本側が重ねて抗議するなど日中関係が緊迫している中だけに、識者からはこれ以上の状況悪化を懸念する意見も出ている。

  首相の玉串料は自民党の西村康稔総裁特別補佐(筆頭副幹事長)が代理で奉納した。西村氏は安倍首相から玉串料を私費で預かり、奉納したことを明らかにした。「自由民主党総裁 安倍晋三」と記帳したという。高市氏は「お国のために命を落とされた方に対してご慰霊の気持ちをもって感謝の誠をささげるというのはそれぞれの国民が大切な行為として行われるべきものだ」と発言。丸川氏は「外交問題として捉えるものではない」と語った。西村、高市、丸川の各氏は同神社で記者団に語った。

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Tamayo Marukawa, left, and Sanae Takaichi, second from right, at the Yasukuni Shrine.

Photographer: Shiho Fukada/Bloomberg

  靖国神社には極東国際軍事裁判(東京裁判)でA級戦犯とされた開戦時の政治指導者らも合祀(ごうし)されている。安倍首相が第2次安倍政権発足後1年の13年12月26日に参拝した際は中国や韓国などが反発。12日付の朝日新聞朝刊は、中国政府は日本政府に対して外交ルートを通じて閣僚が靖国神社に参拝しないよう申し入れていたことがわかったと報じた。

尖閣諸島

  8月に入り、中国の公船が尖閣諸島周辺の日本領海内に繰り返し侵入している。外務省は8日から12日午前8時までに最大 15 隻の中国公船が同時に接続水域に入域し、のべ28 隻 が領海に侵入したと発表した。これは南シナ海のスカボロー礁周辺に通常展開している中国公船に比べても、はるかに多いという。

  上海師範大学の蘇智良教授は現在の日中関係は2012年に日本政府が魚釣島(中国名・釣魚島)を国有化してから最も厳しい局面にあると指摘。状況がエスカレートを続ければ、尖閣諸島周辺で小競り合いが起こる可能性も排除できないとの見方も示した。

  在上海日本総領事館は12日、尖閣諸島をめぐり、「中国の報道や世論が過熱しやすい状況」にあるとして、在留邦人らに対して「不用意な政治的言動により不測の事態に巻き込まれないよう慎重に行動」するよう電子メールで注意喚起した。
  

稲田防衛相

  政治信条として日本の伝統を重視する稲田朋美防衛相は海外出張と日程が重なり、参拝しなかった。稲田氏は、3日の就任会見で終戦の日の参拝について「心の問題」とした上で、「安倍内閣の一員として適切に判断して行動していく」と述べていた。行政改革担当相だった2013、14年には終戦記念日に参拝している。

  15日には超党派議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」のメンバーも集団参拝。尾辻秀久会長(自民党参院議員)は記者会見し、戦没者を追悼する施設を訪問するのは極めて常識的なことと指摘。閣僚らの靖国参拝に対する海外からの批判については「日本に限って反応があるのは不自然ではないか」と述べた。同会によると自民、民進などから約70人が参加した。

  菅義偉官房長官は15日午前、閣議後の記者会見で、閣僚や政府高官の靖国参拝について「あくまで私人として参拝されるものと理解している」と指摘。その上で、「個人の信教の自由に関する問題であり、政府としては立ち入るべきではない」と語った。安倍首相は同日昼に行われた全国戦没者追悼式の式辞で戦没者に対し、「衷心より哀悼の誠をささげる」と述べた。
  

(見出しと第1段落から第6段落を更新します.)
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