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4-6月GDP0.2%増-かろうじて2期連続プラス、予想下回る

更新日時
  • 前期の高成長の反動でマイナス成長予想も-前期比0.0%増と横ばい
  • 政府は世界経済のリスク回避を理由に政策総動員で対応

4-6月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比年率で0.2%増と、かろうじて2期連続のプラス成長となった。住宅投資や公共投資が好調だったものの、設備投資や外需が振るわず事前予想を下回った。

  内閣府が15日発表したGDP速報値は物価変動の影響を除いた実質で前期比0.0%増だった。項目別では全体の約6割を占める個人消費が0.2%増。設備投資は0.4%減。公共投資は2.3%増。在庫のGDP全体への寄与度はマイナス0.0ポイント、外需の寄与度はマイナス0.3ポイントだった。ブルームバーグの事前調査の予想中央値は前期比年率0.7%増(前期比0.2%増)だった。

  みずほ証券の末広徹シニアマーケットエコノミストは統計発表後のリポートで、前期比5.0%増と大幅に増加した住宅投資について「日銀が導入したマイナス金利政策の影響も住宅ローンの増加要因だが、焦点は相続税対策で過熱する貸家の動向」と指摘。2期連続プラスの公共投資は今年度予算の前倒し執行を要因として挙げた。

  一方で、設備投資が前期に続いて減少したほか、輸出も前期比1.5%減と2四半期ぶりに減少。為替相場が円高で推移するなか、伊藤忠経済研究所の武田淳主席研究員はリポートで、「円高の影響もあって軟調に推移する輸出の現状を踏まえると、今後も設備投資は停滞ないしは減少傾向が続く可能性が高い」とみている。

  うるう年効果で高い成長率だった前期の1ー3月期の反動を想定すると、前期からほぼ横ばいとの見方もある。日本政策投資銀行の田中賢治経済調査室長はリポートで、「うるう年効果を除いた成長率を試算すると、1-3月期は前期比0.3%増(年率1.2%増)、4ー6月期は同0.2%増(同1.0%増)となり、2四半期連続で年率1%程度の成長率だった可能性がある」と指摘している。 

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは、特に前期比で減速した個人消費について「うるう年効果を調整すると4-6月期は0.6%増と拡大ペースが加速する」と推計。暖冬多雨の天候不順や自動車の供給制約などによる下押し圧力が弱まり、「個人消費は一定の復調を示したと評価できる」との見解を示した。

  内閣府は1-3月期の実質GDP成長率を前期比年率2.0%増、前期比0.5%増と、2次速報値(年率1.9%増、前期比0.5%増)から小幅上方修正した。

政府は政策総動員

  
  安倍晋三首相は中国の景気減速や英国の欧州連合(EU)離脱など年初来の世界経済のリスクの高まりを理由に6月1日、2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを19年10月まで2年半延期するとともに、「総合的かつ大胆な経済対策」を秋に講じる方針を表明した。

Japanese Prime Minister Shinzo Abe Appoints New Cabinet Members

安倍首相(前列中央)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  これを受け、政府は8月2日にインフラ整備などを柱とした事業規模28.1兆円(うち財政措置13.5兆円)の経済対策を閣議決定。一般・特別会計併せて約4.5兆円の今年度第2次補正予算案を9月召集の臨時国会に提出する。内閣府によると、対策によりGDPの短期的押し上げ効果1.3%を見込んでいる。

   対策では伊勢志摩サミットの首脳宣言を踏まえ、「日本銀行とも連携しつつ、金融政策、財政政策、構造改革を総動員してアベノミクスを一層加速する」と明記。これに呼応するように、日銀は7月会合で1年半ぶりの追加緩和を決め、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れ額を年間6兆円に拡大した。

   黒田東彦日銀総裁は物価2%目標の達成が見通せないことから、次回9月会合で、現行のマイナス金利付き量的・質的金融緩和政策の「総括的な検証」を行うため、準備に入るよう指示。市場では検証を機に日銀が緩和縮小に転じるとの臆測も浮上したが、黒田東彦総裁や岩田規久男副総裁は検証は2%の物価目標の早期達成を果たすためで金融緩和の程度を緩めることはないと説明している。

(第3、4段落の外部コメントを差し替え、5、6段落を追加し更新.)
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