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債券下落、日銀金融政策の不透明感が重し-先物は約1週間ぶり安値

更新日時
  • 中期債を中心に利回りが上昇、先物は買い先行も下落に転じる
  • 現行金融政策のフレームワーク強化厳しいとの見方-バークレイズ証

債券相場は下落。日本銀行の金融政策をめぐる先行き不透明感から、売り圧力が強まった。長期国債先物は9日以来の安値を付けた。

  長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値から1.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.095%で取引を開始した後も売りが優勢で、マイナス0.085%に水準を切り上げた。新発2年物の367回債利回りはマイナス0.17%、新発5年物の128回債利回りはマイナス0.155%を付け、それぞれ3bp上昇する場面があった。

金利に上げ圧力

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、過剰な追加緩和期待でマイナス金利深掘りを期待して10年債利回りがマイナス0.3%まで行っていたので、それが剥落していると言い、「適用金利のマイナス0.1%に収れんしている」と指摘した。

  13日付の日本経済新聞によると、金融庁は日銀のマイナス金利政策が、3メガ銀行グループの2017年3月期決算で少なくとも3000億円程度の減益要因になるとの調査結果をまとめた。収益悪化が銀行の貸し付け余力の低下につながるとみて、日銀に懸念を伝えたという。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「金融庁がまとめたマイナス金利政策の悪影響についての週末の報道を受けて、やはりマイナス金利の深掘りは難しい、どちらかと言えば据え置き、場合によっては撤回もあるのではないかといった見方が出てきているのではないか。それが朝から短中期ゾーンの弱含む要因になっている」と指摘した。

  この日の長期国債先物の中心限月9月物は前週末比4銭高の151円65銭で取引を開始。その後は下落に転じ、一時35銭安の151円26銭と9日以来の安値を付けた。結局、26銭安の151円35銭で引けた。

  押久保氏は、「先物は米債が買われた割に弱く、現行の金融政策のフレームワークを強化するのは厳しいのではないかとの見方が強まっている」と語った。

  12日の米国市場では、株式相場が小幅安となった一方、国債相場は反発した。同日に発表された7月の米小売売上高の統計が総じて低調だったことを示したことが背景となった。10年債利回りが前日比5bp低下の1.51%。一時は1.48%まで低下した。

7月の米小売売上高の詳細記事については、こちらをクリックしてください

  内閣府が15日に発表した4-6月期の国内総生産(GDP)速報値は前期比年率で0.2%増と、かろうじて2期連続のプラス成長となった。ブルームバーグがまとめた市場予想の中央値は同0.7%増だった。

  三井住友銀の宇野氏は、「財政出動と円安によって作られてきた虚像の回復が透けて見える」と指摘。その上で、「金融政策の上場投資信託(ETF)買い入れ額倍増で株価はしっかり、為替も東京市場で下を仕掛ける人もいない」と言い、「日本国債にとってGDPは買い材料だが、為替と株はそれほど追い風ではない」と述べた。

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